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カクレ理系のやぶにらみ

tamm.exblog.jp

時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

感度の鈍い経営者たち

 また、食品の偽装が明らかになりました。消費期限のごまかしや産地の偽装が明るみに出るたびに、どうせどこもやってるんだよねー、と勝手なことをいっていたのですが、こう度重なると発覚したのは氷山の一角ではないかと思ってしまいます。
 食品の付加価値を高めるために、ブランドとして育てるというのは理解できます。
 自分で料理をつくるようになって分かったのですが、いい食材というのは値段も高いのです。では、値段が高いからいい食材かというと、そうとは限りません。
 ブランドをありがたがるのはもうやめて、自分が好きか嫌いかで判断してもいいのではないかと思います。まわりの人がおいしいと認めても自分の好みでなければ、「うーん、僕にはちょっと」と素直にいえるようになるのが、値段やブランドに振り回されないでいられる道です。
 マスコミはこの様な事件が起こるたびに、「消費者は一体何を信用して食べたらいいんだ」といいますが、答えは簡単、自分がおいしいと思うものを食べればいいのです。自分自身を信用せずに他人を盲目的に信用する方がどうかしていると私は思います。



 これだけ次々と食品を扱う企業で偽装表示が明るみに出ているのですから、身に覚えのある企業経営者が何も手を打っていないというのが、私には不思議でなりません。
 他山の石という諺がありますが、これら一連の企業の経営者たちには少なくとも次の二つのことが欠けていたといえます。

1.
 もしかしたら自分は従業員に対して恨まれるようなことをしてきたかもしれない、という反省。

2.
 不法行為や不当行為が発覚したときは、素直にゴメンナサイと謝る。


 本来であれば発覚するはずのないことが明るみに出るというのは、内部告発がきっかけです。内部告発の結果、最悪の場合、会社が潰れるわけですから、在職中はなかなかできるものではありません。それを考えると、内部告発などしようという気にはならないのが普通ですが、経営者に対する不平不満が従業員の中に溜まっている人が会社を辞めたときが危ないといえます。会社が潰れても自分には失うものがないわけですから。

 経営者の気持ちは、自分はそれだけの責任を負い、プレッシャーに晒されながら仕事をしているのだから、一般従業員と待遇面で差をつけるのは当然だ、というものです。至極最も意見であり、反論の余地はありません。
 それでいながら、従業員に対しては、残業もろくにつけずに長時間働かせ、給料は遅れ気味、ボーナスはずっと減り続けている、しょっちゅう怒鳴りつける、口答えは許さない。
 こういう社長は要注意でしょう。

 でも、そうでなかったら会社はとっくに潰れている。

 そうおっしゃるかもしれません。
 だったら他人にばかり痛みを押しつけるのはおやめになったらいかがですか?
 ご自分は高級車を乗り回して、生活費を会社の経費で落としているんでしょう? そういう不公平が従業員には我慢ならないのです。
 では、そのような過酷な労働条件であるにもかかわらず、なぜ従業員がやめないかというと、この会社を辞めたら明日から生活していけなくなるかもしれないという恐怖があるからです。
 恐怖で人を支配している者は、恐怖がなくなれば誰も自分についてくる者はいない、という事実になかなか気がつきません。このことは、中小企業の経営者やお隣の国の最高権力者のような人たちだけにみられる特別な現象かというとそうではありません。
 「経営者」を「夫」、「従業員」を「妻」と置き換えれば、そんな家庭は日本中にごろごろしています。
 (私も含めて)自分のことは自分では分からないのです。
 だから、時々は、自分はもしかしたらひどいことをしてきたのではないか? と自省する機会を設ける事が大事だと思います。

 全国ニュースにならずに、地方紙や地方局のニュースだけでとどまっているという事件もあり、これだけ頻繁に発覚するということは、以前に比べて行政の態度が変わってきたのではないかと思います。
 以前であれば、通報があれば行政はやむを得ず動きますが、事を荒立てようとはしませんでした。
 しかし、現在は違います。悪質な企業は潰しても構わないと考えているようなフシが見受けられるのです。食品衛生法、景品表示法、JAS法、薬事法などを厳格に運用すれば、どの企業でも違反行為が摘発されることになります。もちろん上場企業も例外ではありません。(私も役人の悪口ばかり書いていますが、ご覧の通りの弱小ブログですので気づかれずに済んでいるようです。)

 そこで、2.が意味を持ってきます。
 
 皆様はスピード違反で捕まったことがありますか?
 (これは経験知に基づいて述べるのですが)、そのときにごまかそうとしたり、反抗的な態度をとるとロクな目に遭いません。却って罪が重くなることがあります。警察官も人の子だからです。
 マスコミの人間もテレビの前の視聴者も人の子なので、記者会見をする経営者の態度がふてぶてしいと思えば、こんな奴の会社は潰れてしまえ、と思うことにためらいはありません。逆に、しおらしく神妙にしていると、何もそこまでしなくても、と思ってしまいます。(記者会見でマスコミの人間がする質問には、わざと怒らせようという意図を持ってする質問が時々見受けられます。そうすることで、相手の本心を引き出そうとしているからです。)
 不法行為や不当行為が公になった時点で、経営者としての命運は尽きたといっても過言ではありません。
 そこで保身に走ると、会社が被る被害は一層拡大します。そういえば社長が記者会見に姿を現さないという会社もありました。従業員のせいにした社長もいました。
 結局それらの会社は潰れてしまいましたが、自ら墓穴を掘った結果であるといえるでしょう。
 どうせ辛い想いをしなければならないのならば、最初にしておいた方がいい結果に結びつきますし、逃げ回っていると取り返しのつかないことになります。
 このことは中小企業の経営者にだけ当てはまることではありません。
 浮気がばれた夫(あるいは妻)、万引きで捕まった学生(あるいは主婦)、テストで悪い点を取った子供、指示された仕事が期日までにできなかった部下にも当てはまります。

 ご自分がこれらの罪人(つみびと)を咎める立場にあったとしたらどう思いますか?
 (テストで悪い点を取ることが果たして罪といえるかどうかはさておき)罪を犯したことに対する怒りはもちろんあるでしょうが、それを隠そうとした事に対する怒りの方が大きいのではありませんか?
 だから、素直にゴメンナサイと謝ることが大事なのです。
 悪事が露見した時点でその人の命運は尽きているのですから、それ以上心証を害するようなことをしてはいけません。 
 これらの会社の社長が見せる醜態は、自分に貴重な教訓を与えてくれると思いながらご覧になることをお勧めする次第であります。
by t_am | 2008-06-27 06:51 | 社会との関わり