他人と比較することの愚かしさ
叱るということは、相手の中に過ちを見つけたときにこれを正そうとして行われる行為です。矯正しようという意識がなければ、それは単なる怒りに過ぎません。
また矯正しようという意識があっても、そのやり方を間違えると空回りしてしまい、聞いている方には罵詈雑言として受け止められます。
叱る側は、あの人を見習いなさい、もしくは奮起してほしいという思いから、人と比較することがあります。
「スズキ君は今月もう10件も契約を取ってきているのに、君はまだ3件じゃないか。」
「お兄ちゃんがアンタぐらいの歳にはちゃんとできたわよ。」
「タカハシさんはよく気が利くけど、君も少しは見習った方がいいんじゃないの。」
いっている側の真意はともかく、これでは叱られる方はうんざりします。
こういうことが繰替えされると、いわれた方は劣等感を抱き、叱る側に対して反発するようになります。このことは、自分を守るための反応であって、別に珍しいものではありません。
「あなた、お隣の旦那さんは部長になったんですって。」
「それをいうなら、お隣の奥さんはお前よりも美人だぞ。」
他人と比較することが、いかに不毛であるかおわかりいただけるでしょうか?