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カクレ理系のやぶにらみ

tamm.exblog.jp

時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

支配する力


 他人を支配し服従させるには少なくとも二つの方法があります。一つは他人に対し、物理的な暴力を加え続けること。痛みと恐怖を与え続けることで、反抗する気力を削いでいくやりかたですが、違法であることはいうまでもありません。
 二番目のやり方は、言葉による攻撃を浴びせ続けることです。このときのコツはどのように答えても怒られるという質問を重ねて、相手のストレスを高めていくことにあります。どのように答えても怒られる質問の典型的な例として、相手のミスを見つけ出しては「なぜそんなことをしたんだ!(なぜこうしなかったんだ!でもよい)」という質問があります。「自分が不注意でした」といってくれば、「そんなことでいいと思っているのか!」と怒鳴ることができますし、あるいは「全然気がつきませんでした」といってくれば「お前は何年この仕事をやっているんだ!」と怒鳴ることができます。いずれの場合も、相手はエンドレスで怒られることになります。
 これを毎日のように繰り返していくうちに、相手は、怒られたくないばかりにこちらの顔色を伺い、怒られないようにするにはどういう行動をすればいいのか、どのような判断基準を持てばいいのかを考えるようになります。
 ブラック企業の管理職といわれる人にはこういうタイプが多いように思います。言葉による攻撃を絶え間なく浴びせられることにより、いつの間にかトップの分身のようになってしまい、他人の痛みにはまるで鈍感な人間ができあがってしまいます。この種の人の陥りやすい罠は、「できないのは要するにやる気がないからだ」という思い込みに陥ってしまうということです。管理職に求められる課題は、どうすれば部下が働きやすい環境をつくりあげることができるか?ということのはずですが、実際には、部下に対し精神論を振りかざし、肉体的な努力を要求するだけしかできないという無能人間が量産されていきます。
 ブラック企業は、従業員を消耗させ、その気力と体力を吸血鬼のように吸い上げることで収益をあげる組織ですから、従業員にとってメリットはなく、またどれだけ在籍してもスキルアップにもならないので、さっさと見切りをつけて辞めてしまうのが一番いいのですが、もしもあなたがブラック企業の中で生きのびたいと考えるのであれば、あなた自身がブラックに染まる以外にありません。
by t_am | 2013-12-20 21:19 | 心の働き

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