結婚式のスピーチ
新郎新婦のお二人、またご両家の皆様、本日はまことにおめでとうございます。ご指名により僭越ではありますが乾杯の音頭をとらせていただくにあたり、ひと言ごあいさつを申し上げます。
実は、私来年で結婚してから三十年となります。結婚生活を三十年も続けておりますと、いろいろなことを学習いたします。今日はそのうちのひとつを申し上げたいと思います。
それは、しあわせ・ふしあわせというのは、その時その場のその人の心の様子を現す言葉であるということです。心の様子を現すわけですから、同じ状況にあっても人によってしあわせであると感じる人もいればそうでない人もいます。
たしかに、これが手に入れば私はしあわせになれる、これをしてもらえれば私はしあわせになれるということもあるでしょう。けれでもそれがすべてではありません。言い換えれば、これが手に入らないから私はしあわせになれない、これをして貰えない私は不幸だということになってしまい、そういうことばかり考えていると人生少しも楽しくならないのです。
ですから、しあわせであると感じられるように心の中のハードルを少し下げましょうということが今日私が申し上げたいことでございます。具体的に申しますと、ささいなことでもありがたいと感謝することができる心、わずかなことでも嬉しいと喜びを感じる心、そのような心を持って新郎新婦のお二人にはこれから新しい家庭を築いていっていただきたいと思います。
今日のよき日を記念し、また新郎新婦のお二人、ご両家の皆様、そして今日お集まりいただいたすべての皆様のご多幸とご健勝を祈念して乾杯いたします。皆様どうぞ声高らかにご唱和ください。乾杯!