高齢者のための熱中症予防の注意点
熱中症による高齢者の死亡事故も多いので、家族の方は十分気をつけてあげていただきたいと思います。そうはいっても歳をとるほど頑固になる人もいるので、容易ではないと思いますが・・・
高齢者というのは一般に我慢強く、また思いこんだら梃子でも動かないというところがあります。よく耳にするのが、トイレに行きたくなるので水分はなるべくとらないというものです。
たしかに、暑い中で水分を取り過ぎると、弱っている胃腸に与えるダメージも大きくなってお腹を壊すということもあります。
また、水分をとればそれだけ汗をかき、またトイレに行きたくなるというのも事実なのですが、見方を変えれば、新陳代謝が正常に行われているということであり、それだけ健康であるということになると思います。つまり、水分をとって汗をかいたり、トイレに行きたくなるというのは身体が健康な証拠であるにもかかわらず、水分の吸収を我慢するということはそれだけ身体(特に心臓)に負担をかけるのだということを高齢者には説明した方がよいと思います。
身体が暑さを感じると発汗により体温を下げようとします。暑さが厳しくなれば、それだけ体温の上昇を防がなければならないのですから、より多く汗が出るように血管が拡張して、多くの血液を皮膚の近くに送り込むようになります。ですから、ここでいったん血圧が下がることになります。
ところが湿度が高かったり、周囲の温度があいかわらず高いままだと、どれだけ汗をかいても追いつかないという状態に陥ることがあります。そうなると、身体は心臓や脳にかかる負担を軽減させようとして血管を収縮させるようになります。したがって血圧は上昇することになります。
高齢者の場合、水分をとるのを嫌がる人が多いので、慢性的な脱水症状を起こしかねませんし、それによって心機能が低下すると危険なことになります。
したがって、高齢者の場合次のような症状が現れたら気をつけた方がいいと思います。
・暑いにもかかわらず水分や塩分を欲しがらない。
・血圧を測ると普段よりも高くなっている。
対策として、月並みですが、
・暑いときはエアコンや扇風機をつけて涼しくする。(部屋の風通しがよければそれでもよいと思います。)
・水分をとらせる。(水分を多く含む果物や野菜、氷菓子をとってもよいと思います。)
なお、熱疲労(めまいや立ちくらみ、脱力、疲労、頭痛、吐き気など)の症状が現れたら危険な状態に踏み込んだということですから、病院に運ばなければいけないとのことです。
付記
私が30代の頃、暑くなるとよく頭痛がしたものですが、今考えると熱疲労を起こしていたのかもしれません。そんなときは、まめに水分をとるようにしていましたし、腕に水をかけて体温を下げるようにしていたせいか、病院に担ぎ込まれるということはありませんでしたが、それでも夜になっても頭痛が治まらないということもありました。そんなときは、横になって後頭部をアイスノンで冷やすと痛みがスーッと消えたのでたいして気にもとめていなかったのですが、ずいぶん無鉄砲なことをしたものだと思います。