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カクレ理系のやぶにらみ

tamm.exblog.jp

時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

Excelの条件付き書式の応用(セルの内容を見えなくする)

Excel には条件付き書式という便利な機能があります。計算式や関数が「セルに表示させる値を決めるための取り決め」であるとするならば、セルの書式設定は「セルの内容をどのように表示させるかという取り決め」になります。
これに対して、条件付き書式というのは「条件によってセルの見せ方を変更させる」機能です。したがって、発想を変えると「ある条件の下ではセルの内容を見せないようにする」という使い方も可能となります。もちろん、複数の条件を組み合わせることも可能です。


(付記)
 本稿で紹介している画像のサンプルファイルをインターネット上で公開しています。「成績通知表(条件付き書式)」というファイル名です。Excel2003以前のもの(拡張子xls)と、Excel2007以降のもの(拡張しxlsx)と2種類あります。興味のある方は下記のリンクをクリックしてダウンロードしてください。


http://bit.ly/JmX4VJ



(例題)テストの成績通知表を作成する。
永田町高校では、この前行ったテストの成績表に基づいて、一人一人の生徒の渡す成績通知表を作成しています。その際に、生徒のプライバシー保護のため、自分の順位はわかるようにするものの、他の生徒の順位はわからないようにして成績通知表をつくらなければなりません。(下図参照)


Excelの条件付き書式の応用(セルの内容を見えなくする)_c0136904_18121186.jpg



セルの内容が見えないようにする方法として Excelには下記のように2種類の方法があります。

1)「セルの書式設定」の「表示形式」→「ユーザー定義」で「;;;」(半角セミコロンを3つ)入力する方法
2)文字の色を白にする方法(白い紙に白い色で文字を書いても読むことはできないという理屈です)

1)の方法だと、画面上でドラッグして反転表示させると文字を読むことができるようになりますが、紙に印刷してしまえば1)でも2)でも同じ結果になります。いつも申し上げるように、Excelでは唯一の正解というのはないのですから、むしろ発想を柔軟にしておいた方が、自分で作表する際には有利になります。
考えかたとして、セルE2に入力した出席番号の生徒の成績だけを表示させ、そうでない生徒は見えないようにするということになります。
なお、自分が全体の中でどの位置にいるのかが視覚的にわかるようにするために、表の左端にある順位の数字は表示させたままにしておきます。
したがって、第2列目以降に条件付き書式を設定すればよいことになります。

(Excel2003以前の場合)
セルC5をクリックしてから、「書式」メニューを開き「条件付き書式」をクリックします。表示されたダイヤログボックスで「セルの値が」を「数式が」に変更してから、次の式を入力します。

=$C5<>$E$2

次に、書式を設定するのですが、「ユーザー定義」が利用できない場合は、文字の色を白くするというやり方で対応します。

(Excel2007-2010の場合)
セルC5をクリックしてから、「ホーム」タブにある「条件付き書式」をクリックして「新しいルール」を選択します。「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択します。「次の数式を満たす場合に値を書式設定」の欄に、条件式を入力します。(条件式はExcel2003以前の場合と同じです)


Excelの条件付き書式の応用(セルの内容を見えなくする)_c0136904_1816731.jpg




「書式」ボタンをクリックすると「セルの書式設定」ダイヤログボックスが開くので、「表示形式」タブから「ユーザー定義」をクリックし、「種類」の欄に「;;;」と半角セミコロンを3つ入力します。(その結果、すぐ上の「サンプル」欄が空白になることをご確認ください。)


Excelの条件付き書式の応用(セルの内容を見えなくする)_c0136904_18163796.jpg


(ここから先は共通の操作となります)
セルC5で右クリックし、コピーしてから、残りのすべてのセルに「形式を選択して貼付」→「書式」を行います。
条件式で、「=$C5<>$E$2 」としたように、$C5は混合参照であり、$E$2は絶対参照としています。書式のみのコピー&ペーストした場合、列が変わっても条件式は変わりませんが、行が変わった場合、条件式のうち「$C5」は「$C6」「$C7」「$C8」というふうに変化していきます。一方参照先であるセルE2については変わっては困るので絶対参照にしています。


このようにして、成績通知表ができあがりましたので、あとはこれを印刷して生徒に渡すだけでよいことになります。けれども、手作業でそれを行うのも手間なので、Excelに全部やらせることができれば非常に楽になります。
次回は、そのやり方について書くことにしたいと思います。
by t_am | 2012-04-21 18:18 | Excel のあの手この手

by T_am