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カクレ理系のやぶにらみ

tamm.exblog.jp

時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

セイヤさんへの手紙 できることとできないこと

 新型インフルエンザの感染者が増えています。朝昼晩とニュースの時間が来るたびに感染者の数が増えていっています。この様子では、早晩全国に広がるであろうと思われます。

 事ここに至って、自分にできることは何かという視点で考えてみました。そうすると、現在行政当局がやっていることは無駄だとはいいませんが労多くして益少なしというところではないかと思うのです。

 厚生労働省による徹底した検疫体制という「水際作戦」にも関わらず、新型インフルエンザウィルスは国内に侵入してしまいました。これは、感染から発症までの間に日数があることから、その間に感染者が無自覚かつ自由に動き回ることが原因です。したがって、企業が従業員向けに通達している「発熱して38度以上になったら会社を休むべし」というのは何の効果もないことがわかります。感染者は発症するまでにウィルスを周囲にまき散らすからです。
 ここでやっかいなのは誰が感染者かわからないことです。当然感染者自身にもそういう自覚はありません。

 そうなると、これ以上新型インフルエンザを広げないために最も効果的な方策としては、医療・警察・消防の従事者を除いたすべての国民に対し3~4週間の外出禁止を徹底することです。感染者が家から一歩も出なければ、周囲にウィルスをまき散らすことはありません。仮に、家族が感染したとしてもこれだけの期間を設ければ完治してしまいます。したがって感染者これ以上増えるということは考えられないことになります。
 しかし、一見完璧に見えるこの方策も現実的に可能かどうかを考えると、不可能であることがわかります。そんなことをすれば日本経済は大打撃を受けることがわかりきっているからです。ということは、感染者はいずれ全国的に広がっていくことになります。それを防ぐ術はありません。
 
 そうすると個人にとって何ができるかというと、自分の身は自分で守るという以外ないことになります。
 外出するときはマスクをするというのも一つの方法でしょう。しかし、お店へ行ってもマスクの売り切れ状態が続いている以上、もっと別な方法を実践しなければなりません。

 一つは自分の体力を温存し免疫力を高めておくということ。
 もう一つは、うがいと手洗いを実践し、ウィルスの体内への侵入をできるだけ防ぐということです。

 ウイルスが体内に侵入したら必ずインフルエンザに感染するとは限りません。ウィルスの侵入個数が少なく、体力が十分あって免疫力が強ければ感染を防ぐことが可能です。よく引き合いに出されるスペイン風邪でさえも、当時のすべての人類が感染したわけではありません。
 ですから、過剰に反応する必要はないのです。過剰に反応するというのは、マスクの効果を盲目的に信奉するということも含まれます。マスクをしているから大丈夫と思って、長時間の残業や寝不足といった日々を続けていれば、やはりインフルエンザに罹りやすくなります。
 それならばいっそ意識を変えて、自分がインフルエンザに感染するかもしれない可能性と自分が他人にウィルスを移す可能性は同じであると考えた方がいいと思います。その意味するところは、どちらも自分の責任ではないということです。もっとも、発熱して咳き込んでいるにもかかわらず、人混みの中に出ても構わないというわけではありません。通常の注意を払っているにもかかわらず、自分が感染することは不可抗力であり、他人に移すことについてもどうにもならないと考えるべきだと思うのです。
 なぜなら、他人にウィルスを移しても、すべての人が感染するとは限らないのであって、感染しない人もいるからです。
 このことは、今回の感染ルートを冷静にみればわかることです。神戸の高校のバレーボール部員が部活動で他校の生徒と接触したことが感染を広げることになったわけですが、その場にいた人がすべて感染したわけではないはずです。したがって、この生徒には責任があるとはいえません。感染した人には申し訳ありませんが、運が悪かったとしかいいようがありません。
 
 関西方面への修学旅行を中止する学校が出始めています。そういう措置はウィルスを地元に持ち帰らないという意味では有効ですが、これだけ交通機関と経済が発達している以上、別ルートでインフルエンザ・ウィルスが侵入してくることは避けられないと思います。学校を休校にしても(効果がないとはいいませんが)結局は同じことです。自分がマスクをしても、すべての日本人がマスクをできるだけの流通在庫はないので、インフルエンザの流行を食い止めることはできません。そのうちに、マスクを使い果たすのがオチです。
 結局、インフルエンザを広めないようにするには、すべての国民が会社と学校を休んで自宅から一歩も出ないというのが最善の策になるのですが、実際にそんなことができるはずがありません。
 したがって、インフルエンザに罹る人は罹るが、すべての日本人が感染するわけではないというふうに割り切って考えるべきでしょう。
 どんな伝染病でもいずれ流行は終息に向かいます。それまでの間、自分が感染しなければラッキーであるといえますし、万一感染しても軽症で済めばそれに越したことはありません。自分がインフルエンザに罹るかどうかはわからないのですから、万一罹っても軽症で済むようにするにはどうしたらいいかを考えた方が現実的であると思います。
 そうすると答えは決まっているのであって、

・休息をきちんととり、疲労を残さないこと。
・栄養をきちんととること。
・夜更かしをせず、規則正しい生活を送ること。
・深酒はしないこと。
・うがいと手洗いを励行し、身体を清潔に保つこと。
・汗をかいたらちゃんと着替えをし、身体を冷やさないこと。
・ストレスをなるべく溜めないこと。

 以上のことを実践するに限ります。
 だけど、「インフルエンザに罹るのはしょうがない。むしろ罹っても軽症で済むように日頃から注意しておきましょう。」ということを行政が言おうものなら、たちまちごうごうたる非難が巻き起こることは容易に想像ができます。そのあたり、この国の国民には体質的な問題があるといえます。すなわち無知蒙昧と無自覚無責任という体質です。

 なお、セイヤさんから教えてもらった「あわあわ手洗いのうた」は面白かったです。大勢の人にみてもらいたいのでURLをブログにも掲載しておくことにしました。

http://www.youtube.com/watch?v=kAeXCeQ_Xs0
by T_am | 2009-05-18 21:57 | セイヤさんへの手紙

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