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カクレ理系のやぶにらみ

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時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

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 「改革」の必要性をアピールする政治家は、どなたにも現状の問題点の指摘を通じて現状否定から入っていくという共通点があります。
 最近の例でいえば、この前の選挙での自民党の公約「日本を、取り戻す。」は、民主党の政治を全否定するものでした。一見すると、失われてしまった日本のあるべき姿を取り戻すのだという力強くて勇ましい決意を述べているかのようです。けれども、実際に政権を担当していた期間の長さを比較すると、民主党の約3年に対し、自民党の方がはるかに長いのですから、失われたものに対する責任は自民党の方が比較にならないほど重いと思うのですが、そういうことにはひと言も触れないというのも政治家であるための資質の一つなのかもしれません。
 また、橋本市長率いる維新の会が「グレートリセット」を標榜したのも記憶に新しいところです。リセットするという行為にグレートもスモールもないだろうと思うのですが、こういう自画自賛が臆面もなくできるようでないと政治家は務まらないようです。
 この現状否定という手法のあざとさは、都合の悪いことはすべて前任者のせいにすることができるという、一種の「なすりつけ効果」をもたらすところにあります。(懸案事項を解決するタイミングとして担当者が異動したときが適しているということは、経験的に広くしられているところです。)
 何か問題が起こったときに、その犯人捜しと責任追及が私たちは大好きです。誰かが悪者になって非難される様子を見ると、私たちはすっかり満足してしまい、むしろ問題の後処理や再発防止などはどうでもいいかのように忘れられてしまう傾向があります。

 他人のあら探しほど楽なものはありません。誰だって欠点の一つや二つは持っているものですし、失敗を犯すことだって一度や二度ではすまないからです。他人の欠点を指摘することは一時の快感を伴う行為であることは間違いありませんが、その後の人間関係を決定的に破壊するという結果をもたらします。(だから、もしもあなたが配偶者と離婚したいと思っているのであれば、相手の欠点にばかり目を向けていればいいのです。そのうちに、相手も同じことをするようになりますから。そこまでいけば、離婚は簡単に成立するはずです。)
 個人の生活と政治は違うよといわれるかもしれませんが、政治においても信頼関係を築き維持するというのは大事なことです。なんでもすぐ人のせいにする政治家がいたとして、その人が人びとの信頼を得られるかは疑問です。そういう人に力を貸そうと思う人はいませんから、結局大きな仕事を果たすことはできません。(例外があるとすれば、生まれながらにして絶大な権力を握っている場合です。) 
 どちらかというと、他人のあら探しは評論家やジャーナリストと呼ばれる人の仕事になると思います。政治家に求められるのは、その後の「何をするか」ということの方なのですが、その「何をするか」の正当性をアピールするための現状否定にエネルギーの大半が注ぎ込まれているように思えます。
by t_am | 2013-02-24 19:50 | その他
 政治家が改革の必要性を強調する際に用いる言葉に「待ったなし」というのがあります。野田前首相が多用していたのが記憶に新しいところですが、この語法は相手を不安に陥れるという効果を伴います。「財政再建はもはや一刻の猶予もならないので、すみやかに消費税増税に着手しなければなりません」といわれれば、誰だってこれは大変だと思ってしまいます。この、相手を不安にさせて自分の言うとおり従わせるというのはリフォーム詐欺などに見られる手法です。
 一国の首相を務めた人を詐欺師と同列に扱うのは失礼であることは承知していますが、相手を説得する手段として、このような語法を用いるのは不適当だということなのです。政治家が詐欺師のレトリックに頼るようではいけません。福島第一原発の事故の終息宣言といい、どうもこの人には強弁癖があるように思います。もっとも、その傾向は一人野田前総理だけのものではなく、次の安倍総理にもいえることですし、橋本市長にも共通した資質であるといえます。
 権力を握るには、このような「ある種のあくどさ」が必要なのかもしれません。
by t_am | 2013-02-24 17:52 | その他
 前回申し上げたように、政治家が「改革」好きなのは自分の理想や信念を実現させたいという欲求と、その方が票になるからという打算がいっしょになっているからです。
 改革の中には、短所の方が多く、改悪にしかならないものもあるはずなのですが、それもあまりチェックされることなく実現するというケースもあります。なぜ、そんなことが起きるのかといえば、なぜ有権者が政治家の口車に乗せられるて、「改革」の実施を容認する世論が形成されるからです。

 政治家が改革の必要性をアピールする際には、必ず現状の問題点を指摘します。それを聞くと、なるほどたしかにそうだよな、と思い当たることがあって、「だから改革が必要なのです」とたたみかけられると、そうなんだろうなと、つい思ってしまうわけです。
 しかし、よく考えてみると、世の中、どんなものにも長所もあれば短所もあるように、いつの時代であっても何かしら問題というのは存在するのが当たり前です。もしも、何も問題がないように思えるとしたら、それは問題が顕在化していないだけのことであり、いずれ問題点となって現れてくる、ということを私たちは原発事故から学んだはずです。
したがって、ここに問題がありますという政治家の指摘は間違ってはいません。だからといって、問題点の存在がただちに改革の必要性に結びつくわけではありません。というのは、今存在している問題の中には、座視しても差し支えないものもあるからです。また、領土問題のように、問題を解決しようと行動を起こせば、かえって害の方が大きくなることも予想されるというものもあります。
 問題点がある、という指摘を受けると、私たちはそれを解決しなければならないと考えがちです。あるいは白黒をつけたがるといった方が正確かもしれません。
 実際には、私たちが持っているリソースは限られているのですから、あれもこれもというわけにはいきません。ところが、私たちはそのことを忘れがちです。「こういう問題があります」といわれれば、たしかにその通りだよなと思い、「だから改革する必要があるのです」といわれると、それもそうだよなと思って、以後その政治家の発言を黙認するという傾向があります。こうして、実はどうでもいい問題が、さも重大案件であるかのようにして、「改革」の対象になってしまうということを私は心配しています。

 自民党の中には愛国心・道徳が大好きな人たちがいます。愛国心や道徳はあった方がいいのは間違いありませんし、現状それが廃れているといわれれば、たしかにその通りと申し上げないわけにはいきません。だからといって、愛国心や道徳を育む教育が必要だという意見に与することはできません。
2006年に安倍内閣が教育基本法を改正した際に、第2条(教育の目的)第5項として「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに(以下略)」という文言が入りました。法律に書いたからといってただちに世の中が変わるというものではありませんが、これも「改革」のひとつです。
そもそも、国民が「国と郷土を愛する」ようになったというのは、むしろこの国で暮らしているうちにそう思うようになったという性質のものでしょう。自民党や公明党の皆さんが、国民の愛国心を育てたいというのであれば、そういう国づくりに励むのが一番の近道であり、確実な方法だと思うのですが、そのような努力をしようとはせずに、教育によって教え込む方を選びたがるのはなぜなのでしょうね。
 こういう事例をみると、政治家の目指す「改革」とは、いったい何を目的としているのだろうと疑問に思うときがあるのです。
by t_am | 2013-02-24 17:51 | その他
 政治家は「改革」が大好きです。小泉元総理から始まって、これまで歴代の総理が何らかの形で改革を訴えてきました。最近では、大阪市の橋本市長率いる日本維新の会も大規模な改革を主張していますし、また、先の衆議院議員選挙で政権党となった自民党も憲法改正を目指しています。
 そこで思うのは、これまでいろんな政治家が改革を訴えてきたわけで、民主党が目指した「改革」のように中途半端に終わったものもあれば、実行に移されたものも何割かはあるはずなのですが、その分世の中がよくなったのだろうか?ということです。中には、小泉改革のように、かえって格差が拡大することになったという「改革」もあります。もしかすると、政治家による「改革」が行われるたびにこの国はどんどん悪い方へと向かっているのではないかという気もするのです。
 政治家がなぜ「改革」が好きかというと、その方が票を集めやすいとわかっているからでしょう。他の政治家政党との差別化にはもってこいの道具が「改革」です。もちろん自分の理想や信念を実現したいという欲求もあるでしょう。石原慎太郎を見ていると、この欲求によって動いているのかなとも思いますが、大部分の政治家においては、打算と欲求が渾然一体となっているのではないかと思います。
 さらに、改革すればものごとは良くなるはずだという思い込みが政治家の中にもありますし、我々有権者の中にもあります。この思い込みが、次から次へと尽きることのない「改革」がぶち上げられることをもたらし、うっかりとそれを信じた有権者がその政治家に投票するのだといえます。
 よく考えてみると、どんなものにも長所もあれば短所もあるというのが普通であって、いいことずくめというものなど存在するはずがないということに気づきます。完全無欠の制度やシステムがこれまで登場したことはありません。
 実は、そのことを一番良く理解しているのは改革の発案者です。彼らのプレゼンテーションのやり方は、改革案の短所は控えめかつ目立たぬように触れ、長所はその何倍もの情熱を込めてアピールするというのが常です。それでも短所について、少しでも述べるだけまだ良心的な方かもしれません。中には都合の悪いことは隠しておき、いいことしか言わないという人もいるのですから。
 どんな改革案も長所と短所があるという宿命からは逃れられないのですから、その改革案を採用するかどうかにおいては、長所と短所を見比べて、その収支の帳尻がどうなのかを計算するというプロセスを欠かすことはできません。けれども、残念なことに、国会審議の様子を見ていると、そのような議論のやりとりがなされることはほとんどありません。
 したがって、政府関係者にとって「改革」はやりたい放題というのが実情なのですが、改革=良いもの、という図式が錯覚であるということを有権者が理解しないと、この流れは止まらないように思います。
by t_am | 2013-02-24 17:50 | その他
 今回も受け売りのネタを書かせていただきます。

 前回、アップル社の悪口を書いてしまいました。しかしながら、どんなものでも何かしらいいところはあるもので、今回はそういうところに目を向けてみたいと思います。

 下の画面は、Siriに向かって「歌って下さい」とお願いしたときのものです。


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 まさか、Siri がこういう反応をするとは思わなかったので、真夜中にもかかわらず大爆笑してしまいました。ただし、いつも歌ってくれるわけではなく、場合によっては「嫌です。」ときっぱりと断られることもあるようです。


 次の画面は、Siri に向かって「愛してるよ」と囁いたときのものです。

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 この反応。人間らしいと思いませんか。
 また、次の画面は、Siriにしつこく迫ってみたときのものです。

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 Siri といえば、ユーザーの音声をキーワードにiPhoneの中のデータやWebを検索するアシスタントというイメージがあったのですが、アップル社ではSiriに擬似的な人格を持たせようとしているのかもしれません。
 私の女友達は、バリトンの素敵な声で答えてもらえるようにしてほしいといっていましたから、今後はユーザーの好みに応じてSiri のキャラクターをカスタマイズできるようにした方がいいのではないかと思います。


「おはようございます! ご主人様!」(メイド系の Siri )

「シーリンだよ!」(アイドル系の Siri )

「ねえ~、お兄ちゃんて呼んでもいいかなぁ?」(ロリータ系の Siri )

 そういえば、日本はアニメキャラクターの宝庫なのですから、Appleも藤崎詩織系キャラのSiri だとか、綾波レイ系のSiriだとか、神崎すみれ系のSiriだとか、光の守護聖ジュリアス系のSiri だとかこれまでの人気キャラのパターンを研究して、新しいキャラを造型すると大ヒットするのではないかと思います。ただし、早い者勝ちであり、二番煎じはバカにされるだけですから、急いだ方がいいかもしれません。
 もっとも、そうなったときには、せめてiPhoneの持ち主の声くらいは識別できるようにしてもらいたいものですが・・・
by t_am | 2013-02-07 21:33 | iPhoneを使いこなすために
 全日本柔道連盟女子ナショナルチーム国際強化選手15名による監督の暴力行為とパワハラの告発に関して、2月4日の朝日新聞に「選手がわの訴え全文」が掲載されました。選手たちの真摯な思いが伝わってくる文章だと思いますので、ちょっと長いのですが全文を引用したいと思います。


(選手がわの訴え全文 2月4日付朝日新聞より)

皆様へ

この度、私たち15名の行動により、皆様をお騒がせする結果となっておりますこと、また2020年東京オリンピック招致活動に少なからず影響を生じさせておりますこと、先ず以(もっ)て、お詫(わ)び申し上げます。

私たちが、JOCに対して園田前監督の暴力行為やハラスメントの被害実態を告発した経過について、述べさせていただきます。

私たちは、これまで全日本柔道連盟(全柔連)の一員として、所属先の学校や企業における指導のもと、全柔連をはじめ柔道関係者の皆様の支援を頂きながら、柔道を続けてきました。このような立場にありながら、私たちが全柔連やJOCに対して訴え出ざるを得なくなったのは、憧れであったナショナルチームの状況への失望と怒りが原因でした。

指導の名の下に、又(また)は指導とは程遠い形で、園田前監督によって行われた暴力行為やハラスメントにより、私たちは心身ともに深く傷つきました。人としての誇りを汚されたことに対し、ある者は涙し、ある者は疲れ果て、又チームメイトが苦しむ姿を見せつけられることで、監督の存在に怯(おび)えながら試合や練習をする自分の存在に気づきました。代表選手・強化選手としての責任を果たさなければという思いと、各所属先などで培ってきた柔道精神からは大きくかけ離れた現実との間で、自問自答を繰り返し、悩み続けてきました。

ロンドン五輪の代表選手発表に象徴されるように、互いにライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)し励まし合ってきた選手相互間の敬意と尊厳をあえて踏みにじるような連盟役員や強化体制陣の方針にも、失望し強く憤りを感じました。

今回の行動をとるにあたっても、大きな苦悩と恐怖がありました。私たちが訴え出ることで、お世話になった所属先や恩師、その他関係の皆様方、家族にも多大な影響が出るのではないか、今後、自分たちは柔道選手としての道を奪われてしまうのではないか、私たちが愛し人生を賭けてきた柔道そのものが大きなダメージを受け、壊れてしまうのではないかと、何度も深く悩み続けてきました。

決死の思いで、未来の代表選手・強化選手や、未来の女子柔道のために立ち上がった後、その苦しみは更に深まりました。私たちの声は全柔連の内部では聞き入れられることなく封殺されました。その後、JOCに駆け込む形で告発するに至りましたが、学校内での体罰問題が社会問題となる中、依然、私たちの声は十分には拾い上げられることはありませんでした。一連の報道で、ようやく皆様にご理解を頂き事態が動くに至ったのです。

このような経過を経て、前監督は責任を取って辞任されました。

前監督による暴力行為やハラスメントは、決して許されるものではありません。私たちは、柔道をはじめとする全てのスポーツにおいて、暴力やハラスメントが入り込むことに、断固として反対します。

しかし、一連の前監督の行為を含め、なぜ指導を受ける私たち選手が傷付き、苦悩する状況が続いたのか、なぜ指導者側に選手の声が届かなかったのか、選手、監督・コーチ、役員間でのコミュニケーションや信頼関係が決定的に崩壊していた原因と責任が問われなければならないと考えています。前強化委員会委員長をはじめとする強化体制やその他連盟の組織体制の問題点が明らかにされないまま、ひとり前監督の責任という形を以て、今回の問題解決が図られることは、決して私たちの真意ではありません。

今後行われる調査では、私たち選手のみならず、コーチ陣の先生方の苦悩の声も丁寧に聞き取って頂きたいと思います。暴力や体罰の防止は勿論(もちろん)のこと、世界の頂点を目指す競技者にとって、またスポーツを楽しみ、愛する者にとって、苦しみや悩みの声を安心して届けられる体制や仕組み作りに活(い)かして頂けることを心から強く望んでいます。

競技者が、安心して競技に打ち込める環境が整備されてこそ、真の意味でスポーツ精神が社会に理解され、2020年のオリンピックを開くに相応(ふさわ)しいスポーツ文化が根付いた日本になるものと信じています。

2013年(平成25年)2月4日

公益財団法人全日本柔道連盟女子ナショナルチーム国際強化選手15名



 2月5日になって、ロンドン・オリンピックの際に全日本柔道連盟(全柔連)強化委員長を務めた吉村和郎・強化担当理事が監督責任をとって辞任し、さらに、戒告処分を受けながら1月末から欧州遠征に同行していた徳野和彦コーチが緊急帰国して辞任するという事態に発展しました。
 また、全日本柔道連盟は同日開かれた臨時理事会で、外部有識者による第三者調査委員会の設置を決定したそうですから、ようやくまともな形になってきたように思います。

 ところが、そう思っていたら2月6日になって、目を疑うというか呆れたニュースが報道されました。

橋本聖子氏「告発選手名の公表を」(日刊スポーツ)
http://bit.ly/XhjJZd

 もっとも、夕方になって、橋本聖子議員が、事務所からのFAXを通じて、「『氏名を公表すべき』とする発言はいたしておりません」と否定したというニュース(デイリースポーツ)が流れました。最初のニュースの後で、橋本議員を批判するツイートが続々と登場したこともあり、これはまずいと判断したのでしょう。とはいいながら「ただ、氏名を公表しないことについて厳しい意見もある」とも書かれているそうですから、こちらの方が橋本聖子議員の本音なのだろうと思います。それにしても釈明がFAXを送りつけるだけというのは何ともお粗末な対応だと思います。

(デイリースポーツの記事)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130206-00000045-dal-spo


 2月6日のニュースの中で、もっともひどかったのがこちらです。
 
告発した15選手の肉声なし 「痛み」伝わらず(産経ニュースの署名記事)
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/130206/mrt13020611430004-n1.htm


 この記者(森田景史氏)によれば、「前代表監督は顔の見えない相手に実態も程度も定かでない「暴力」の担い手として批判され、社会的地位に致命傷が加えられた。」のであり、「その一方で、告発した15人は今もJOCの配慮で氏名が伏せられて」いて、「顔の見えない選手側の要求だけが次々と形になっていることに違和感を覚える。」のだそうです。
 さらに、「選手個々が『暴力』や『パワーハラスメント』で具体的にどんな実害を受け、忍従を強いられたのか、いまだに明かされていない。だから、15人の苦しむ顔が痛みを伴って伝わってこない。」と指摘し、「被害の実態を脇に置いて、強化体制の刷新を求めるのは論理の飛躍にも映る。」とも書いています。
 さらには、「一方で柔道界では全柔連執行部に批判的な一部指導者の意思が、選手を告発に走らせたという声もある。そんな疑念をぬぐうためにも、選手は表に出て肉声を世に届けるべきではないか。」と結んでいます。
 要は、森田氏は、「あんたら、被害に遭ったと言ってるが、どんな被害なのかわからない以上何ともいいようがないんだよ。表に出てきてどんな目に遭ったのか、言ってみたらどうなんだ。」ということを書いているわけです。この人は、自分が裁判官になったつもりなのではないかとさえ思えるのですが、本当に新聞記者なのでしょうか? 「執行部に批判的な一部指導者の意思が、選手を告発に走らせたという声もある」というのであれば、自分で取材してその真偽のほどを改めて報道すればいいと思いますし、私がこの記者であれば、そういう大事なネタをこんなところで明かすのではなく、きちんと取材して記事にするまで温存しておきますね。この段階で明かせば単なる三流週刊誌的ゴシップにしかならないからです。にもかかわらず、「そんな疑念をぬぐうためにも、選手は表に出て肉声を世に届けるべきではないか。」と書くのは、卑怯千万です。というのは、「そんな疑念」を呈しているのは森田記者の方なので、この場合の挙証責任は森田記者にのみあるからです。自分で疑惑をかけておいて、無実ならば潔白を証明して見せろというのは、あこぎな検察官の取り調べを見ているようです。仮に、告発が「ためにした」ものであり、その内容が誇張または捏造されたものであったならば、第三者による調査委員会によって今後明らかにされるはずですから、何も今、こういう挑発的なことを書く必要はないのです。どうもこの記者は、先入観に基づいて記事を書いているか、読者に偏ったイメージを与える目的でこの記事を書いたのではないかと思えてなりません。

 だとすると、こういう記事を載せる産経新聞も程度の低い新聞ですね。同じ2月6日付の記事の中にはこんなものもありましたよ。

「前代表監督らの擁護論も 女子強化選手が実名で短文投稿『戻ってきてほしい』」
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/130206/mrt13020608210001-n1.htm

 全日本女子強化指定選手は59人いるのだそうで、今回告発に動いたのはそのうちの15人です。残りの44人の中には、辞任した園田前監督を擁護する声もあって、その選手が実名で短文投稿サイトに「『これ以上先生方やめさせたらもっと混乱するのあたしたち選手だよ』『これ以上私達をバラバラにしないで』と切実な思いを訴えている」ということが書かれています。指定強化選手がこんなにいるとは思いませんでしたが、これだけ大勢の選手がいれば、それだけいろいろな考えかたがあって当たり前だと思います。したがって、監督やコーチを擁護する意見の持ち主がいてもなんら不思議ではありません。そのような多様な意見に対し、我々のような利害関係のない第三者はどの意見も平等に扱うのが鉄則です。にもかかわらず、「顔の見えない15人の声が代表監督らの辞任につながる一方で、指導を望む少数派の声は届いていない」という書き方をしています。この文章は一見平等であるかのような書き方をしていますが、せっかくの平等な姿勢も的外れなものになっています。というのは、このような問題が起こった場合、監督やコーチらの責任を追及し、処遇を決するのは、第三者による調査結果がまとまった後に執行部が決めることだからです。ところが、産経新聞の記事は、そんな基本的なことも無視して、「声は届いていない」という情緒的な書き方をしています。そもそも、前監督もコーチも担当理事も皆さん辞任したのであって、まだ処罰を受けたわけではないのです。したがって、産経新聞が平等に意見を採り上げるべきであると主張したいのであれば、辞任した三氏に対し、第三者による調査の結果がまとまり、執行部の結論が出るまでの間は辞める必要などないのだと堂々と訴えればよいのです。
 にもかかわらず、産経新聞社ともあろうものが、こういう筋違いな記事を掲載するというのは愕きであり、何か目的があってこのような下衆な記事を掲載したのではないかと勘ぐってしまいます。


付記
 今回、三氏が辞任したのはどなたも突然という印象は拭えないのであって、傍から見れば、誰かに半ば強制されたのではないかとも思われます。このような事件が起こるといつも言われる「トカゲのしっぽ切り」というヤツですね。その中で、今回とりあげた橋本議員や産経新聞の記者氏も、そんなことは百も承知で発言したり記事を書いているのでしょう。実際には、15人の選手たちに対し「実名を出せ」と凄んでいるのですから。当然選手たちがびびるだろうという計算をしているはずです。
 ただし、橋本議員は予想外に風当たりが強かったので、慌てて自分の発言をなかったことにするという醜態を演じる羽目になったわけです。産経新聞社も、同様に、この会社がどういうポジションにいるのかを天下にアピールすることになったと理解すればよいのではないかと思います。
 

付記2
 「加害者」を擁護する声は、バスケットボール部のキャプテンが自殺した大阪市立桜宮高校でもありました。桜宮高校の場合は、橋下市長が強く働きかけ、教育委員会が同校の体育科の入試の中止を決めました。その決定に対し、産経新聞社が今回と同様の論調の記事を掲載しているのではないかと思って、同社のWebサイトを探したのですが、ついに見つけることができませんでした。

 週刊誌メディアの劣化ということが指摘されて久しいのですが、週刊誌の記者が全部劣化しているかというとそうではないと思います。新聞社も同様のはずで、中には、己の良心に従って仕事をしている記者もまだ大勢いるはずだと信じたいですね。
by t_am | 2013-02-06 23:40 | その他
 今回は、日経トレンディネットの「スマホの盗難・紛失対策、“まさかの落とし穴”に注意」という記事の受け売りです。

(日経トレンディネットの記事はこちら)
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130130/1047141/?top_os6


 iPhoneも含め、スマホにはパスワードロックという機能がついています。これは、スマホをしばらくの間使わないでいると節電のため画面の電源が切られ、再度使えるようにするにはパスコードを入力しなければならないというものです。これのおかげで、万一スマホをどこかに置き忘れたとしても、中身を他人に覗かれる心配はないはずなのですが、iPhone4S以降でSiriが搭載されている場合、パスコードロックを解除しなくてもSiriが使えるのだそうです。
 その様子を再現してみたので、順番にご覧ください。


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 今回は、「私は誰?」という質問を実験したわけですが、そのほかに「○○さんの住所」と尋ねると、該当する人の連絡先(住所が登録されていない場合でも電話番号やメールアドレスの登録があればそれ)を表示してくれることを確認しています。すなわち、ロックを解除しなくても、第三者がiPhoneの中にある個人情報を引き出すことができるわけです。
 本来は、いちいちロックを解除しなくとも操作できるようにする(ミュージックアプリはカメラアプリがそうなっています)ということなのですが、SiriにはiPhoneの持ち主を識別することができないということが明らかになりました。ちょっと意外な感じがします。
 これまで電子機器の入力はキーによる文字や数字の入力が基本でしたが、Siriはそれを音声入力に置き換えたものであることがわかります。酷ないい方になりますが、入力方法を音声に置き換えただけのアプリにすぎず、本人確認のための機能を備えているわけではありません。そういう意味では、まだまだ改良の余地のあるアプリではないかと思いますし、実際に使用するうえでのチューニングもまだまだ不十分であると思います。

 たとえば、Siriに「東京の天気は?」と尋ねてみると、次の回答が返ってきました。


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 水曜日の最高気温が45度というのはいくらなんでもおかしいのですが、これはSiriの気温表示が華氏によるものであり、日本で一般的に使われている摂氏とは異なることに由来します。
 どういうことかというと、アメリカで使われている華氏による温度表示をそのまま使っているのですね。そのため、せっかく最高気温と最低気温を表示するようになっていながら、ユーザーがいちいち華氏を摂氏に変換しなければならないという不便な結果に陥っています。もともとは、操作を便利なものにするための技術なのですから、かえって不便になるというのでは本末転倒といえるでしょう。
 このあたり、Appleの開発者や経営陣が単に無神経なだけなのか、摂氏よりも華氏の方がすぐれているのだから日本のユーザーも華氏に慣れるべきだという強い信念に基づいているのかわかりませんが、日本で商売するのであれば日本のやり方に合わせるというのが基本ではないかと思います。もっとも、こういうところに対する感受性の鈍さが、OSのバージョンアップに伴い変更した地図アプリが使い物にならなかったという事態を招いたのではないかとも思います。 

 なお、パスコードロックを解除しなければSiriも起動できないようにするには、「設定」→「一般」→「パスコードロック」→(ロック中にアクセスを許可)から「Siri」をオフにします。(下図参照)


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 音声入力そのものは、キー入力に比べればはるかに使いやすいわけですから、今後も技術的な改良が積み重ねられるものと思います。現時点でも技術的にはすばらしいものがあると思うので、実用に耐えるものにしていってほしいものです。
by t_am | 2013-02-06 12:23 | iPhoneを使いこなすために
 2013年1月31日に発売された週刊文春に、AKB48のメンバーである峰岸みなみが彼氏に会いにいき、そのまま泊まってきたという記事が掲載されたそうで、同日峯岸みなみ本人による謝罪表明の動画がYouTubeにアップされたのですが、その際に頭を丸刈りにして現れたということで注目を集めました。
 峰岸みなみというアイドルを私は知りませんが、20歳になったばかりのアイドルが頭を丸坊主にしたというのはやはりインパクトがあります。本人は事務所にもAKBの他のメンバーにも相談せずに丸刈りにしたと述べているので、「何が彼女にそうさせたのか」について考えてみることにしました。

1.彼氏に会いにいき、そのまま泊まってくるのは悪いことなのか?
 峯岸みなみが今回したことというのは、要するに「彼氏の家に行き、そのまま泊まってきた」ということです。結婚前の娘がこういうことをするのはふしだらだと思う人もいるかもしれませんが、だとしたら相当ずれた意識をお持ちであると申し上げないわけにはいきません。年頃の女の子が好きな男に会いたいと思うのは当然のことであり、まして相手の男も自分を好いていてくれるとわかっていれば、会いに行くのに何をためらうことがあるというのでしょうか。 
 どうやら、「そのまま泊まってきた」ということがセックスを連想させるということ、および今をときめくAKB48の主力メンバーの一人である峰岸みなみがその当事者であるという事情がニュースバリューを生み出した(週刊誌の読者は、何があったか知りたいという好奇心を惹起される)ということなのだと想像されます。
 しかし、こういう好奇心というのはいわば「下種の勘ぐり」であり、若くて健康な男女が二人きりでいれば何が起こるかわからない大人はいないはずです。というのも、大人であればだいたいみんなそういう経験をしてきたはずですし、現在子どもである人たちもやがてそういう経験をすることになるので、峯岸みなみを責めることのできる人はどこにもいないはずなのです。

 しかし、現実には、峯岸みなみは頭を丸坊主にして謝罪の動画を公開しましたし、AKB48の事務所は彼女を研究生に降格するという処分をくだしました。(彼女が所属する芸能事務所がどのような対応をしたのかは伝わってきていません。)

 巷間伝えられるところによると、AKB48にはメンバーの恋愛禁止という内規があるそうで、これまでもこの内規に違反したメンバーが異動させられたということがありました。また、AKB48のことではありませんが、これまでも彼氏とのツーショット写真が流出したことで芸能界を引退する羽目になったアイドルもいたので、今回の騒動はその延長線上にある芸能界特有の事件として理解した方がよいように思います。


2.AKB48の事務所の対応
 AKB48の公式ブログでは、1月31日付で「峯岸みなみに関しまして」という文章を掲載し、その中に「今回の報道により、ファンの皆さまに多大なるご迷惑をかけた峯岸みなみを、2013年2月1日付でAKB48 研究生に降格処分とする。」という文言がありました。

(AKB48オフィシャルブログ「峯岸みなみに関しまして」)
http://ameblo.jp/akihabara48/entry-11460663404.html

 ここで気になったのが「ファンの皆様に多大なるご迷惑をかけた」というフレーズです。「ご迷惑をお掛けしたことをお詫びします。」というのは日本語の決まり文句といってもよく、それだけ頻繁に使われる言葉であり、峯岸みなみの謝罪動画の中でもそのことが述べられていました。

 では、いったい誰がどのような迷惑を被ったというのでしょうか? 

 恋愛禁止というのは、AKB48の事務所と所属するアイドルたちが個人的に交わした約束事であり、彼女たちはファンとそういう約束を交わしたわけではありません。したがって、アイドルが何をしようと、ファンとの間で直接的なやりとりがない限り迷惑のかけようがないというのは明白です。つまり、実際に迷惑を被ったという人がいないにもかかわらず、「多大なるご迷惑を掛けた」といういい方が使われるているわけです。それはなぜなのでしょうか?

 思うに、この決まり文句は、「とりあえず謝っておく」という日本語独特の言い回しなのだと思います。こういうふうに、自分の方に非があるということをあいまいな形で認めておけばそれ以上波風が立たないし、後で自分が窮地に追い込まれることもないということを私たちは経験的に知っているからなのでしょう。まさに民族の知恵ともいうべきものなのですが、その反面、ものごとをあまり考えないまま、この決まり文句を使ってしまう傾向があることは否めません。勘の鋭い人は、そこに誠意のなさがあることを見透かすこともあるので、注意が必要です。
 AKB48の公式ブログには、「突然の発表となりましたが、ファンの皆さまには改めてお詫び申し上げるとともに、今後ともAKB48への応援を何卒よろしくお願い申し上げます。」と書かれており、一応お詫びの言葉も述べられてはいるのですが、申し訳ないという気持ちがいっこうに伝わって来ないのは不思議です。きっと反省の気持ちがかけらもないからなのでしょう。

 穿った見方かもしれませんが、今回の峯岸みなみの行動に関して、AKB48の事務所が恐れているのは、彼女を発端としてAKB48全体の商品価値が下がることなのではないかと思います。したがって、騒ぎを大きくしないためにも、記事が掲載された週刊誌が発売されたその日のうちに厳重な処分を発表する必要があったのでしょう。対応が遅れればそれだけ騒ぎが大きくなるからです。
 研究生に降格というのは、どうやら解雇に次いで重い処分のようです。AKB48という芸能界に大きな影響力を持つ団体から解雇されれば、そのアイドルは芸能界から抹殺されることは確実です。そうはならなかったというのは、峯岸みなみがそれなりの人気を保っているからだと考えるのが妥当だと思いますし、他のメンバーに対する「見せしめ」という点でも非常に大きな効果をあげたのではないかと思います。

 問題を起こした個人に対する組織の対応という点で、今回AKB48の事務所がとった行動はJOCや全日本柔道連盟とは全然違うことがわかります。JOCや全日本柔道連盟によって監督やコーチというのはいわば身内なので、どうしても庇うという意識が働くようであり、その分組織としては前近代的といわざるを得ません。ところが、AKB48の場合にはそういうなあなあな部分は一切排除しており、よく言えばビジネスライクに徹しているように思われますし、悪くいえばアイドルに対するの一方的な力関係を感じてしまいます。(法律に干渉されない解雇権を持っているというのはそれだけ強いことなのです。)
 研究生への降格という処分の根拠は恋愛禁止という内規違反にあるのであり、単なる内規であるが故に第三者が口を挟むことはできないというのは、誰もがわかっていることでもあります。それだけに、彼女が謝る相手はAKBの事務所ではないのかという疑問と違和感が残るのです。


3.峯岸みなみはなぜ謝罪したのか?
 私のような芸能界の事情に疎い人間でもこの問題について考えてみようと思ったのは、峯岸みなみが丸坊主になるという過剰ともいえる反応を示したからです。昭和の時代であれば、不祥事を起こした人間が反省と恭順の意思を示すために頭を丸坊主にするということはありましたが、平成の御代になって25年も経つにもかかわらず、しかも20歳になったばかりの女性アイドルが頭を丸坊主にするというのは前代未聞の出来事です。

 彼女が頭を丸坊主にしたというのは、自分でも述べているように、誰に言われたわけでもなく、どうやら発作的に行ったもののように私には思われます。(彼女にそれを指示もしくは示唆した人間がいるとしたら、ずいぶん悪辣な人物であるといえます。)

 それでは、なぜ彼女が丸坊主になってまで謝罪の動画を公開したのかについて、推測ですが、考えてみることにしましょう。
 おそらく、謝罪を述べる動画を公開するというのは「大人の知恵」によるものでしょう。というのは、記者会見の場で謝罪するというのは、記者による質問に答えなければならないというリスクが大きいからです。受け答えを間違えれば、火消し目的のはずが却って反感を買うということにもなりかねません。そういうリスクを避けるためにも、本人による謝罪という動画をネット上に公開する方がはるかに安全であることはいうまでもありません。
 ファンに対する謝罪の動画をネットに公開しなければならないと告げられて、峯岸みなみが素直に従ったという事実は結構重要だと思います。なぜなら、こういう局面では一にも二にも謝らなければかえってこじれるということを彼女が知っていたということになるからです。彼女の気持ちとして、自分でも述べているように、AKBを辞めたくないというのが最も強いことはいうまでもありません。酷ないい方ですが、そのためには好きな男を振っても構わないからAKBに残りたいという強い気持ちです。それを可能にするためには、自分に向けられる非難を最小限に抑えなければなりません。そのためには、ファン以外の不特定多数の人に向けて、謝罪の言葉を自分の口から述べるというプロセスを省くことはできないのです。
 不祥事を起こした芸能人が非難されているケースを彼女は見てきているのでしょう。中には、母親が生活保護を受けていたことで謝罪させられたケース(これなどは言いがかりに等しいと思います)もありましたから、そういう立場に立たされたときには誰も助けてくれないということがわかっていたのではないかとも思えます。
 したがって、謝罪の動画を公開しなければならないと告げられたことで、動転したあまり発作的に丸坊主にしたのではないかと推測するのです。もちろん、峯岸みなみ本人に聴いたわけでもなんでもありませんから、ここに書いたのはすべて私の推測であり、的外れである可能性も否定できません。
 それでも確実にいえるのは、私たちの社会は、問題を起こしたとされる個人に対し、容赦のない非難を浴びせるというある意味で陰湿な側面を持っているということです。始末に負えないのは、そういう行動の大部分が善意に基づいて行われているということであり、そのことは大津市の中学校で自殺した生徒に対するいじめの加害者たちとその家族に対する非難や身元の暴露がネット上に掲載されたのを見ていればよくわかります。

 人間は、自分が正義を行っていると思えば、正義に反していると思われる他人に対してどこまでも残忍になれる性質を持っています。

 今回、峰岸みなみが丸坊主になって謝罪したのは、私たちの中にあるそういう負の部分に対してではなかったかと思えるのであって、それだけにやりきれない思いのする出来事であったといえるのです。


付記
 AKB48の公式ブログは、2月2日いっぱいで峯岸みなみの謝罪動画を削除することにしたと発表しました。取り下げてほしいというファンからの要望が多数寄せられたとのことです。物議を醸した動画をいつまでも公開しておくことは得策ではないので、やむを得ないとは思いますが、こうやって事件が風化していくのでしょうね。


付記2
 私たちの中にある「負の部分」というのはそこだけ取り除くことはできません。正義を求める気持ちが世の中のためになることもあれば、逆に害をもたらすこともあるということで、そういうことを自覚しておかないと負の部分に呑み込まれやすくなりますよということを申し上げているわけです。
by t_am | 2013-02-02 22:43 | その他
 シミュレーションなど、Excelで原本となるブックを加工して使う場合、きちんと名前をつけて保存しておかないと、後でわからなくなることがあります。また、保存のし忘れということもあり、その場合作業に費やした時間がパーになるのですから、情けなくなります。

 私の場合、(粗忽者なので)そういう経験を嫌というほどしてきたことから、「作業の終了にあたってブックを別な名前で保存してからExcelを終了する(あるいは当該ブックだけを閉じる)」というマクロをご紹介します。
 なお、例によってサンプルファイルをインターネットディスクにアップロードしてあります。下記のアドレスをクリックもしくはWebブラウザに貼り付けていただくと、当該フォルダが開きます。Excel97-2003版(ファイル名の末尾が「.xls])とExcel2007-2010版(ファイル名の末尾が「.xlsm」)の2種類がありますので、お間違えのないようにどうぞ。

http://bit.ly/WkyPzs



c0136904_1224445.jpg



1.マクロの記述
 今回も、マクロのコードを直接書いていくので、Microsoft Visual Basic Editor を起動します。

(Excel2003以前)
 「ツール」メニューの「マクロ」から「Visual Basic」をクリック。

(Excel2007以降)
 リボンの「開発」タブから「Visual Basic」をクリック。


 下図の画面となるので、「標準モジュール」の「Module1」をダブルクリックします。


c0136904_12243989.jpg



 下記のコードを画面にコピー&ペーストするか、自分で入力します。(注意:このコードはExcel2007-2010用です。Excel2003以前のものをお使いの方は、コードの一部を修正しないと使えません。その方法は後でご説明します。)

(マクロのコード))
Sub 日付入力()
'
' 日付入力 Macro
'
'
Range("j3").Value = Now


End Sub

Sub 別名で保存()
'
' 別名で保存 Macro
'
'
Call 日付入力


'エラーが発生した(キャンセルボタンを押した)場合、エラー処理を行います

On Error GoTo Err_名前を付けて保存

'別の名前でファイルを保存します
'まず、保存するファイル名を取得するための変数を定義します

Dim ファイル名 As Variant

'フィル名をつけて保存ダイヤログボックスを表示させます
'保存するファイルの種類をエクセルファイルに限定します

fileSaveName = Application.GetSaveAsFilename(fileFilter:="Microsoft Excel ブック(*.xlsm),*.xlsm")

'保存するファイル名が有効な名称であれば

If fileSaveName <> False Then

'変数にダイヤログボックスで付けた名称を代入します

ファイル名 = fileSaveName

End If

'代入した名称で保存します

ActiveWorkbook.SaveAs (ファイル名)


'ブックを閉じるときにエクセルも終了するかどうかを選択します
'選択結果を取得するための変数を定義します
Dim メッセージ2 As Integer

'メッセージボックスを表示して、選択されたボタンに応じて分岐処理を行います

メッセージ2 = MsgBox("Excelを終了せずにこのブックだけを閉じます。" & Chr(13) & Chr(13) & _
"このブックだけを閉じて引き続きExcelを使う場合は「はい」を、" & Chr(13) & _
"Excelも終了する場合は「いいえ」をクリックしてください。", vbYesNo, "作業の終了")

'「はい」を選択した場合

If メッセージ2 = vbYes Then

'ブックだけを閉じます

ActiveWorkbook.Close

'「いいえ」を選択した場合

Else

'エクセルを終了します

Application.Quit

'分岐処理を終了します

End If

'エラー処理についての記述です

Err_名前を付けて保存:

'キャンセルボタンが押されたときのメッセージを表示します

If Err.Number = 1004 Then

MsgBox "保存処理がキャンセルされました。" & Chr(13) & _
"一連の処理を中止します。"


'エラー処理を終了します

End If


End Sub 

 

 コードの入力が終わると、以下の図のようになるはずです。なお、図の中で、緑の文字列の部分は「マクロのコードについてのメモのようなもの」でマクロの動作には直接影響を与えません。ゆえに、この部分はなくてもよいのですが、後でメンテナンスをするときに何のためにそのコードを設けたのかを記録しておいた方がわかりやすいというメリットがあります。ただし、これがあると却って鬱陶しいという人もいると思うので、その辺は好き好きというものでしょう。


c0136904_12255937.jpg




2.コードの説明
(1)マクロ「日付入力」

Sub 日付入力()
'
' 日付入力 Macro
'
'
Range("j3").Value = Now


End Sub


 これは、そのブックを更新した日時を記録するためのコードです。セルj3に現在の日時を入力するというごく単純なコードになります。具体的には、Range("j3")はセルj3を指定するコードで、Range("j3").Value と書くことで「セルj3の値」という意味になります。また、NowというのはNow関数のことで、現在の日時を返します。すなわち、「セルj3の値は現在の日時ですよ」とExcelに教えているわけです。
 Nowの代わりに、Dateを用いれば本日の日付となりますし、"私は真っ赤なリンゴです"とすれば、セルj3には「私は真っ赤なリンゴです」という文字列が入力されるようになります。
なお、Sub 日付入力()は、「日付入力」というマクロの開始を、End Subはマクロの終了を示す合図です。

2.マクロ「別名で保存」
マクロ「別名で保存」は下図のような構造になっています。


c0136904_1228131.jpg



 最初に、更新日時を取得するためのマクロ「日付入力」を実行させるために、Call 日付入力 というコードを記述しています。このように、Call というのは他のマクロを呼び出して実行するためのものですから、応用範囲は広いものになります。
 
 次に、「名前をつけて保存」ダイヤログボックスを表示させるわけですが、マクロを記述する手順として、次の「エラー処理」を先に書いておきます。これは、「名前をつけて保存」ダイヤログボックスが表示されたときに、何らかの理由でキャンセルされたときにどうするかをという取り決めをしておくというもので、マクロの最初のところには、下記のように、「エラーが発生した(キャンセルボタンを押した)場合は途中のコードを無視してエラー処理のところに行きなさい」という命令を書き込むことになっています。また、エラー処理の具体的な中身は、マクロの最後のところに書くことになっています。


'エラーが発生した(キャンセルボタンを押した)場合、エラー処理を行います

On Error GoTo Err_名前を付けて保存



 次に、作業したブックに「別な名前をつけて保存する」わけですが、単に「名前をつけて保存する」だけであれば、
fileSaveName = Application.GetSaveAsFilename(fileFilter:="Microsoft Excel ブック(*.xlsm),*.xlsm")だけで充分です。ここで、(fileFilter:="Microsoft Excel ブック(*.xlsm),*.xlsm")というのは、ファイルの種類をExcelのブックに限定するというものです。Excel2003以前のものをお使いの方は、この部分を「xslm」ではなく「xls]と訂正してお使い下さい。
 ところが、それだと「別な名前で保存した」後で原本となるブックを閉じたり、Excelを終了させるときに、原本となるブックに加えられた変更を保存しますか?という問い合わせをしてきます。このときに「保存しない」を選択すれば原本となるブックは元のままですが、間違って「保存する」を選択してしまうと原本が改訂されてしまうことになります。
 そこで、少々迂遠ですが、以下のようなコードを書くことで、最後の確認のメッセージを表示させないようにすることができ、誤操作を防ぐことができるようになります。


'別の名前でファイルを保存します
'まず、保存するファイル名を取得するための変数を定義します

Dim ファイル名 As Variant

'フィル名をつけて保存ダイヤログボックスを表示させます
'保存するファイルの種類をエクセルファイルに限定します

fileSaveName = Application.GetSaveAsFilename(fileFilter:="Microsoft Excel ブック(*.xlsm),*.xlsm")

'保存するファイル名が有効な名称であれば

If fileSaveName <> False Then

'変数にダイヤログボックスで付けた名称を代入します

ファイル名 = fileSaveName

End If

'代入した名称で保存します

ActiveWorkbook.SaveAs (ファイル名)



 次に、ブックを閉じるときに、Excelもいっしょに終了させるのか、単にブックだけを閉じるのかを選択できるようにします。そのための方法として、質問に対し「はい」か「いいえ」で答えることで、その返答によって処理を分岐させるというやり方があります。以下は、そのための構文で定型的なものです。
 まず、最初に、質問に対する返答を変数として扱えるようにするために、変数の型の定義を行います。ここでは、「はい」か「いいえ」のどちらかなので、整数型である「Integer」としています。

'ブックを閉じるときにエクセルも終了するかどうかを選択します
'選択結果を取得するための変数を定義します

Dim メッセージ2 As Integer


 次に、メッセージボックス(「はい」か「いいえ」を選択する)の返答を先ほど定義した変数であるとするために、メッセージボックス関数を使います。
 メッセージボックス関数の構文は次の通りとなります。

 MsgBox(表示するメッセージ,メッセージボックスのタイプ,メッセージボックスのタイトル)

 表示するメッセージは文字列となりますから最初と最後を”で囲むのがお約束です。メッセージが長いとき、途中に、Chr(13)というのは改行を指示するコードを書くことがあります。(文字列にくっつけて記述するので、実際には&Chr(13)と書きます。)こうすると、メッセージボックスが表示されたときに、メッセージはこの部分で改行されるようになります。次に、メッセージボックスのタイプですが、通常は「vbYesNo」を使います。さらに、メッセージボックスのタイトルとして、ここでは「作業の終了」という指定をしています。
 なお、下記のコードの途中にある 「&_」は、1行のコードの文字数が増えて長くなると見にくくなるので、次の行に(コードを)改行しているけれども、まだ終わってはいないという意味の記号です。


'メッセージボックスを表示して、選択されたボタンに応じて分岐処理を行います

メッセージ2 = MsgBox("Excelを終了せずにこのブックだけを閉じます。" & Chr(13) & Chr(13) & _
"このブックだけを閉じて引き続きExcelを使う場合は「はい」を、" & Chr(13) & _
"Excelも終了する場合は「いいえ」をクリックしてください。", vbYesNo, "作業の終了")


 以下は、メッセージボックスへの返答によって、処理を分岐させるためのコードです。If 条件  Then  処理1 Else  処理2  End If という構文になります。If関数と似ていることがおわかりいただけると思います。


'「はい」を選択した場合

If メッセージ2 = vbYes Then

'ブックだけを閉じます

ActiveWorkbook.Close

'「いいえ」を選択した場合

Else

'エクセルを終了します

Application.Quit

'分岐処理を終了します

End If


 最後に、「名前をつけて保存」ダイヤログボックスが表示されたときに、「キャンセル」ボタンをクリックしたときの処理方法について記述します。ここでも、If ~Then という構文が使われています。ただし、「キャンセル」されたときの処理だけを記述すればいいので、Else以下は不要となりここでは省いてあります。
 なお、Err.Number = 1004 というのは、「キャンセル」がクリックされたときのエラーコードです。エラー処理としては、「保存処理がキャンセルされました。一連の処理を中止します。」というメッセージを表示して、マクロを終了させるというものです。ここでもメッセージボックスを使っていますが、先ほどのメッセージボックスが関数(「はい」か「いいえ」の返答を取得するため)であったのに比べ、こちらの方は単にメッセンジャーとしての役割だけなので、コードの書き方が違っています。表示させるメッセージを書いているだけで、メッセージボックスのタイプ指定も省略しています。(タイプを省略すると「OK」ボタンが表示されるようになります。)

'エラー処理についての記述です

Err_名前を付けて保存:

'キャンセルボタンが押されたときのメッセージを表示します

If Err.Number = 1004 Then

MsgBox "保存処理がキャンセルされました。" & Chr(13) & _
"一連の処理を中止します。"

'エラー処理を終了します

End If

End Sub 



3.まとめ
 今回ご紹介したマクロは、Excelで作成したブックのパーツとして利用することができます。すなわち、ご自分で作成したブックに貼り付けることで、更新日時が自動入力され、ブックを別名で保存してから閉じることができるようになります。
 今回ご紹介したマクロは、ドラクエの呪文を覚えるよりは難しいと思いますが、マクロの行数そのものは決して多いわけではないので、高校生程度の英語力と根気があれば、充分ご理解いただけるものと思います。
by t_am | 2013-02-02 12:33 | Excel のあの手この手