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カクレ理系のやぶにらみ

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時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

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 8月30日、細野豪志環境相は日、福島第1原発事故の被曝による遺伝子への影響を調べるため、来年度から福島県民を対象に「全ゲノム(遺伝情報)解析調査」に着手する考えを明らかにしました。随分と無駄なことをするものだと思います。
 ゲノムの解析が無駄だと申し上げているのではありません。原発事故と関連づけることが無駄だというのです。

 現在、ヒトのゲノム(遺伝子情報)の「解読」は終わっていますが、それぞれの遺伝子がどのような働きをするのかという「解析」は途中です。したがって、環境省が考えている調査というのは、既に明らかになっている遺伝子情報と比較することを目的としていると思われます。
 生物が持っている遺伝子情報は、その個体のすべての細胞で同一であるはずです。これに対し、放射線の被曝というのは、その個体の一部分の細胞の遺伝子にダメージを与えるということです。つまり、ダメージを受けている遺伝子について調査しなければ意味がないのですが、いったいどうやってそれを見つけ出すのでしょうか。
 仮に、調査のためにとりだした細胞の遺伝子に異常がなかった場合、何がわかるかというと、その遺伝子はダメージを受けていないということが断言できるだけです。他の細胞の遺伝子がダメージを受けているかもしれませんし、受けていないかも知れません。でも、いったいどちらなのかは誰にもわからないのです。
 また、遺伝子のダメージを見つけ出したとしても、そのダメージと原発事故との因果関係を立証することはできません。自然界に存在する放射線でも遺伝子の損傷は起こるからです。
 環境省は福島県のこどもを中心に調べる方針とのことですが、このような調査は住民を不安にさせるだけで、何ら得るところはありません。むしろ税金の無駄遣いにすぎないと思うのですが、消費税の増税を決めておきながら何をしているのかという憤りすら覚えます。環境省という役所は有害無益な組織になりつつあるように思えてなりません。

付記
 「全ゲノム解析調査」について、Twitterでは、人体実験であるという指摘をする人がいるようですが、それは誤りです。なぜかというと、まったく無意味な調査なのですから。
by t_am | 2012-08-31 21:11 | その他
1.放射性物質を理解するうえでのポイント 
 福島第一原発の事故によって、放射性物質の存在を意識せずにはいられない世の中になりました。しかしながら、心配のあまり流説流言が拡散されているのも事実であり、それらが社会に与える悪影響も無視できません。幸いなことに、政府事故調の報告書の中に、放射性物質について理解するうえでのポイントが要領よくまとめられているのでご紹介します。専門家でもない限り、これらのポイントさえを理解していれば十分だと思います。

参考:政府事故調の報告書
http://icanps.go.jp/post-2.html

参考:今回引用している部分
http://icanps.go.jp/SaishyuHon06.pdf

 以下は引用です(389-390ページ、(g)放射線に関する国民の理解から抜粋。改行は筆者)

今回の事故を契機として、改めて放射線防護に万全を期する必要があることが再確認されたが、他方で、放射線を「正しく恐れる」必要性についても認識させられた。放射線を「正しく恐れる」ためには、例えば以下のような知識が有用となろう。
①放射性物質は病原菌のように伝染するものではないこと、
②原発事故等がない状態における自然放射線からの年間被ばく線量(食物等からの内部被ばくも含む線量)は、国内平均約2.1mSv/年20(世界平均約2.4mSv/年21)であること22、
③ヨウ素131 は、体内に入ると甲状腺に蓄積するが、その半減期は約8 日と短く、福島第一原発事故によって放出されたヨウ素131 は、ほとんど残存していないこと、
④セシウム134 は半減期が約2 年、セシウム137 は約30 年と長く、現在も環境中に多量に残存しているものの、これらは体内に取り込まれてもヨウ素のように体の一部に蓄積することはなく、体全体の筋肉組織等に均等に分布し、しかも大人の場合は90 日でその半分が体外に排出されること23、
⑤人体には、もともとカリウム40 や炭素14 等、全体で120Bq/kg 程度の放射性物質が含まれること24、
⑥日頃摂取する食品の中にも100Bq/kg 以上の放射性カリウムを含むものがあること、
⑦被ばく線量が100mSv 未満の場合、被ばく線量とがん等の発生率の間に関連性があるか否かは明らかでないものの、正比例の関係があると仮定して放射線防護の考え方が組み立てられていること(中間報告Ⅴ4(1)b参照)等である。
 今後も不必要な被ばくをできる限り避けるため最大限の努力が払われるべきことは当然であるが、それと同時に、個々の国民が放射線のリスクについて正確な情報に基づいて判断できるよう、すなわち、情報がないためにいたずらに不安を感じたり、逆にリスクを軽視したりすることがないよう、できる限り国民が放射線に関する知識や理解を深める機会が多く設けられる必要がある。



 この中で、これまであまり知られていなかったものとしては、「原発事故等がない状態における自然放射線からの年間被ばく線量(食物等からの内部被ばくも含む線量)は、国内平均約2.1mSv/年20(世界平均約2.4mSv/年21)であること」であり、「人体には、もともとカリウム40 や炭素14 等、全体で120Bq/kg 程度の放射性物質が含まれること」でしょう。体重50kgの人であれば、体内におよそ6,000ベクレルの放射性物質が常時存在しているということであり、それらも含めて日本人の年間被曝量は平均で2.1mSvであるということです。
 ただし、この2.1mSv/年という数値は平均値ですから、その人が住んでいる地域や食習慣によっては実際の被曝量は異なることになります。すなわち、日本中どこへ行っても放射線による被曝は避けられないということであり、それを気にしてもしかたがないということでもあります。
 具体的に申し上げれば、食品に含まれる放射性物質の安全基準が厳格化されたことによって、現在普通に売られているものを食べている限りは内部被曝を心配する必要はないということです。今後気をつけなければならないのは、いわゆるホットスポットと呼ばれる放射線量の高い場所に近づくことによって起こる外部被曝の方です。福島県内に住む人たちはこのことに敏感ですし、また、関東でも線量計を買い求めて測定してみたという人も多いと思います。

 ホットスポットができる理由は、雨や風によってその場所に放射性物質が集まるからです。逆に言えば、放射性物質が集まっていなければ心配する必要はないということになります。したがって外部被曝に気をつけるということは、放射性物質の濃縮に気をつけるということでもあります。
 濃縮には、次の3種類があると思われます。
①生物的濃縮(食物連鎖により生物の体内に蓄積される放射性に物質の濃度が高まっていくこと)
②ホットスポットなどに見られる自然現象による濃縮
③焼却灰や下水の汚泥に見られる濃縮

 今後問題となっていくのは、③における濃縮された放射性物質をどう扱うかということになるでしょう。常識的に考えれば集めて封じ込める(外部に漏れ出さないようにする)ということになるはずです。

 なお、付け加えるとすれば、自然由来の放射性物質と原子炉由来の放射性物質を区別することに意味はありません。どちらからも放射線が飛び出すことに変わりはありませんし、もしも自然界に存在する放射性物質から出た放射線は安全であるという人がいたら、相手にしない方がいいでしょう。
 もう少し正確に申し上げると、放射線だから危険というのではなく、可能性が問題であるということです。体重50kgの人の体内には常時6,000ベクレルの放射性物質が存在しているので、それだけ内部被曝していることになります。それでも癌や白血病に罹る人もいれば罹らない人もいます。人間は、それだけの放射線レベルの中でも生き延びて子孫を残すだけの能力を身につけているわけですが、被曝量が増えればそれだけ癌や白血病に罹る可能性も高くなるということもわかっています。よくいわれるように、これ以下だから安全という基準は存在しません。平均2.1mSv/年という被曝量でも癌や白血病に罹る人もいるわけです。
 一番いいのは、社会としてこれくらいの年間被曝量であれば許容できるという合意が形成されることなのでしょうが、現実には不可能です。(なぜなら、実験するわけにはいかないから。)
 そうなると、次に考えられるのは、身の回りの放射性物質の濃度を今以上に高くしないようにしましょうということになります。そのためには、くどいようですが、濃縮された放射性物質(を含むもの)をどうやって管理するのかが焦点となります。

 原子力発電所は電気をつくりますが、同時に放射性物質の発生装置でもあります。そこで発生する放射性物質を完全に管理して封じ込めることができるという前提で有用な発電手段であるといえます。
 しかし、実際には福島第一原発の事故では放射性物質の封じ込めに失敗しました。日本にある残りの原子力発電所においても同様の危険性があるのではないかすることが明らかになりました。


追記
 政府事故調の報告書では述べられていませんが、放射性物質の原子核が崩壊したときに放射線を発生するというのは化学反応とは異なる次元の現象です。したがって放射性物質を化学的に除去する(細菌や薬品を用いて分解する)ということは不可能です。
 また、除染という手法は、そこにある放射性物質をどかすということであり、色々な技術がありますが、基本的には放射性物質を「集める」か「洗い流す」かのどちらかとなります。放射性物質を集めた場合、それだけ放射能濃度が高くなっているわけですから、その管理が不可欠となりますが、保管場所すら決まっていないというのが現状です。また、放射性物質を洗い流した場合、排水路のどこか途中で引っかかるのを除けば、最終的には海に流れていくことになります。
 放射性物質は、その原子核が崩壊して放射線を放出するまでは決してなくなりません。だからこそ半減期が管理上重要な目安となるわけです。ちなみに半減期の7倍の時間が経過すると放射性物質の量は100分の1以下となり、10倍の時間経過で1,000分の1以下となります。当初の放射能濃度にもよりますが、濃度が低い低レベル放射性廃棄物などでは、当初の100分の1以下(半減期の7倍の時間が経過)になれば放射性物質のことは忘れても差し支えないのではないかと思います。
by t_am | 2012-08-26 13:45
 参議院本会議で消費税率の引き上げに関する法案が可決されました。ラジオで討論の模様を聞いていましたが、最早国会は議論をする場ではなく、数を集めたものが勝ちという状態になっていることが改めてよくわかりました。一票の格差是正が遅々として進まないのは、「自分たちの議席数が減るのは困る」からですが、問題はそんなところにあるのではなく、議論もしないのに議員をあれほど多く(衆議院480人、参議院242人)抱える必要はないということが問題です。いっそのこと半分に減らし、その分政務調査費などを倍にしてやる代わりに、法案の提出と行政のチェックをきちんとやってもらうというようにしない限り何も変わらないと思います。

 それはともかくとして、今回決まった消費税率の引き上げがなぜ必要なのかが私には未だに理解できません。そう思っていたら、その必要性を解説した記事を見つけたので、ご紹介しながらこの問題をもう一度考えてみたいと思います。

「緊急提言、いま消費増税を決められなければ国が滅びる 大和総研チーフエコノミスト、熊谷亮丸が語る」(日経ビジネスオンライン)より
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120808/235426/?P=1&ST=life


 このインタビュー記事を読んでいくと、消費税増税が必要な理由として次のように論理が展開されていることがわかります。

1)わが国は世界最悪の財政状況に陥っている。
2)日本の債務残高の、名目GDPに対する比率は210%を超えていて、この数字は、第2次世界大戦末期に匹敵する。
3)2015年前後までに消費税率引き上げを含む財政再建策が講じられないと、国債が暴落する可能性がある。
4)その理由として、IMFでも、政府の総債務残高が、近い将来、家計金融資産を超えると試算しており、経常収支も2015年以降赤字化する可能性がることがあげられる。

 国債が暴落するとなぜ困るのかと言えば、政府が資金を調達することができなくなり、結果として財政が破綻します。その挙げ句デフォルト(債務不履行)ということになれば金融危機が発生することになり、特に日本のような経済規模の大きな国がデフォルトを行えばその影響はギリシャなどの比ではありません。経済は大混乱に陥ることは目に見えています。

 こう書くと、やはり消費税の増税は必要なのかなあ、と思いそうですが、でもよく考えてみましょう。この論理は、要するに「経済が混乱するのは困るので、そうならないように今のうちに消費税を上げておき、機関投資家による国債の売り崩しを避けるようにましょう。」というものです。つまり、視点が経済の運営というところにあるわけであり、言い換えれば、経営者の発想であるということになります。
 経済が混乱すれば国民も困りますが、経営者はもっと困ります。下手をすれば、自分の財産や権力が失われる恐れもあるからです。したがって、消費税を増税しようというのは、自分たちが困らないようにしようという気持ちが強く働いているからにほかならない、といってもよいと思います。

 ずいぶん勝手な話だと思いませんか。

 この人たちは、これまでも「日本の社会は高コストなのだから、国際競争力を身につけるにはコストを切り下げる必要がある」と主張し、要求してきました。
 業績が悪化すればリストラを断行することで人件費を切り下げ、業績が持ち直しても増員は非正規雇用労働者で充当し、再び業績が悪化すれば雇い止めを実施してきたことは皆様よくご存知のことと思います。また、電気料金が高くなるのは困るといって、原発の再稼働を要求したことも記憶に新しいところです。

 このような理不尽ともいえる要求に対し、きちんとした反論がこれまで為されなかったのは、実際に海外に生産拠点を移している企業が既に登場していたからです。
 「このままいくと、今に製造業は日本の国内からなくなってしまいますよ。アメリカを見てご覧なさい。そうなれば失業率は今よりももっと高くなるんですよ。それよりも、少しくらい給料が安くても、きちんと働くことができる方が幸せじゃないんですか?」と、こういう説明が為されてきたわけです。
 けれども、私が思うのは、そういうコストカットに熱心な企業はさっさと海外に移転してもらっても構わないのではないか?ということです。これらの企業は、国内に居たとしても、下請けや取引先に無理難題を押し付け、従業員を酷使しているわけです。どちらかというと、他人に貧乏くじを引かせることで繁栄を享受してきたのですから、このまま日本にいると不幸な人がさらに量産されることになるように思います。実際、業績が悪化してリストラされた人はいくらでもいますが、リストラをした経営者が責任をとって私財を投げ出したという話は聞いたことがありません。給与をカットしたといってもせいぜい半年か1年ですし、責任をとって退任したといっても、関連会社の役員に収まることもできるのですから、一般の従業員と違って路頭に迷うということはないのです。

 この人たちが好んで使う「自己責任」というのは、他人に対して引導を渡すときに使われる言葉です。「あなたがすべてを失うことになったのは、あなたが自ら招いたことなのですよ。」という論理が自分に向けられることは決してありません。自分の繁栄のためには他人を犠牲にすることも厭わないという人たちが、今回の消費税の増税をリードしてきたのだと私には思えるのです。

 熊谷氏のインタビューを読むと、賛成しかねる部分が多いといえます。今の日本が「世界最悪の財政状況に陥っている」のはなぜか、熊谷氏の分析によれば、「増税の前にやることとは、歳出のカットであり、経済成長戦略を実行すること」だという「安易な先送り」が繰り返されてきた結果だと、ということになります。つまり、今までやらなければいけなかった増税を先送りにしてきた結果が今日の姿なのだということなのですが、冗談じゃないと思います。
 これまでも、1988年竹下内閣のときに消費税(税率3%)の導入が決定し、翌年の4月1日から施行されましたし、1997年にはその税率が5%に引き上げられました。さらに小泉内閣になってからは、社会保険料の段階的引き上げが行われるようになり、国民の負担は年々増加しているという現実があります。したがって熊谷氏がいう「安易な先送り」とは増税による歳入確保を怠ってきたことではなく、歳出を際限なく増やし続けてきたことにこそ当て嵌まるものです。
 熊谷氏自身も、「消費税率引き上げを含む財政再建策が講じられないと(後略)」と、さらりと述べているように、本当に必要なのは財政再建の方です。消費税率の引き上げはその手段のひとつにすぎません。これについては、熊谷氏も「社会保障を中心とした無駄な歳出のカット」が必要であると述べているのですが、その道筋もつけいうないまま消費税率だけを先行して上げるというのは筋が通りません。そもそも、今までできなかった歳出カットが、今後数年間でなぜかできるという前提で消費税率のアップが決められたわけです。むしろ、消費税は上がったけれども財政赤字は減らなかった、ということになる可能性が否定できないと思うのは私だけでしょうか?

 熊谷氏へのインタビューの中に、「わが国の所得税は、空洞化しています。様々な控除などにより所得税率が事実上1割以下という人が国民の9割に上ります。これは異常な事態です。国民の負担は、非常に小さいのです。日本は中福祉低負担国家だと称されてきましたが、現実には、高福祉低負担国家になっています。」という言葉が出てきています。
国民の負担=所得税というとらえ方をしているのですが、これも事実と異なります。国民が負担しているのは所得税だけではありません。その他に住民税や健康保険料、年金の保険料も負担しているのであり、サラリーマンの場合これらの負担割合の合計は給与の2割を超えています。さらに、ここに住居費(家賃かもしくは住宅ローンの返済)を加えると収入の5割近い負担となります。その残りが可処分所得になるかというとそうではありません。子どもがいる家庭では教育費が重くのしかかっていますし、医療費の支払いも無視できません。熊谷氏のいうように「高福祉低負担国家」というのはごく一部の人に対していえることであって、大部分の人には当て嵌まらないのです。
 可処分所得が年々減ってきているという現実がある以上、消費税率を引き上げれば国民の生活を直撃することになります。けれども給料が増える要因はどこにもないのですから、国民の側には、生活費を切り詰めるか、もしくは自己破産するまで消費を続けるかどちらかしか選択肢はありません。

 消費税率の引き上げに政府官僚が熱心なのは、歳入が増えればそれだけ自分たちの権力が増すからです。逆に歳出をカットするというのは、自分たちの権力を削ることにつながりますから、抵抗するのが当たり前です。それを抑えつけるのが政治家の役目なのでしょうが、今の民主党や自民党の顔ぶれを見ていると期待できそうもないですね。法案採決前のゴタゴタをみれば、国会議員の本義を放棄して権力闘争にうつつを抜かしていることがよくわかります。
 また、経済界の指導者には、当面の間経済が安定であればそれでよいという考え方が強いようですし、内需を拡大するにはどうしたらいいのかを考えるよりも、目先のコストをカットすることの方に関心が向いているように思われます。なにぶんお年寄りが多いので、ご自分が現役である間はともかく、後は知らないよというのが本音なのかもしれません。
by t_am | 2012-08-11 23:19 | その他
 iPhoneの本体を交換してもらい、バックアップしておいたデータの設定も何とか終わりました。将来同じことが繰り返されないとは限らないので、備忘録としてまとめておきたいと思います。

(アプリのバックアップと復元)
 iPhoneで購入したアプリは、パソコンに接続するたびにiTunesにバックアップされています。これをiPhoneに復元するには、iTunesのappタブの画面で、復元させたいものを手動で選択してから「同期」を実行します。

(設定のバックアップと復元)
 メールアドレスやパスワードなどの設定に関するデータのバックアップは自動では行われません。このため、自分でバックアップをとっておく必要があります。といっても、別に面倒なことをする必要はありません。
 パスワードであれば、パソコンでExcelを使って表を作成し、そこにサービスの名称とともに、ユーザーIDとパスワードを保存しておけばいいだけのことです。
 メールの設定のバックアップには、iPhoneの画面キャプチャを使うと便利です。あらかじめiPhoneの「設定」から「メール/連絡先/カレンダー」をタップし、「i.softbank.jp」をタップして、さらにアカウントをタップして表示される画面(一番上から「名前」「メール」「説明」「受信メールサーバ」「送信メールサーバ」)を画面キャプチャしておきます。
 画面キャプチャをするには、電源ボタンを押しながらホームボタンを押すと、シャッター音がして、そのとき表示されている画面がカメラロールに保存されます。iCloudが使用可能であれば、この画像データは「フォトストリーム」フォルダを経由して、パソコンにも送られます。あとはパソコン側で整理して保存しておけばいいだけのことです。
 iCloudが使えない場合、カメラロールに保存された画像データをメールでパソコンに送信するという方法もあります。
 どちらの場合でも、画面キャプチャされた画像のファイル名をわかりやすいものに変更しておいた方がよいと思います(名前の変更は、パソコンで右クリック)。

 SoftBankユーザーの場合、外出先でWi-Fiスポットが使用できるように設定をやり直す必要があります。そのためには、あらかじめ「My SoftBank」のパスワードを記録して置く必要があります。忘れても、SoftBankに連絡して教えてもらうことはできますが、手間がかかるので、あらかじめ控えておくことをお勧めします。
 iPhoneのApp Store で「はじめてのソフトバンクサービス」(無料)をダウンロードします。そこにある「Wi-Fi(無線LAN)」の「ソフトバンクWi-Fiスポット一括設定」からMy SoftBankに移動してWi-Fiスポットへの接続を行います。接続方法は、「ソフトバンクWi-Fiスポット一括設定」に書かれています。
 注意すべき点は、既にi.softbank.jpのメール設定を行っている場合はいったん削除しなければならないこと(Wi-Fiスポットの一括設定完了後、メールを再設定することになります)、および一括設定の手続きは3G通信で行われるので、無線LANをいったんオフにしておくこと、の2つです。

(データのバックアップと復元)
 これがけっこう複雑なのですが、できるだけ整理してみたいと思います。
 まず、iPhoneで使用しているデータ(ミュージックやドキュメントなど)は次の3種類に分類することができます。

1.iTunesを使ってパソコンから送ったデータ
 これには、ミュージックが含まれます。また、パソコンから送った写真や、連携するアプリに送ったドキュメントもそうです。
 これらは、もともとパソコンから送ったものですから、パソコンにオリジナルのデータが残っていればもう一度iPhoneに送ることができます。ミュージックはiTunesのライブラリから自動で同期されますし、それ以外のものは、手動で(つまり必要なモノを選択して)iPhoneに送ることになります。

2.iPhoneを使って自分で作成したデータ(ドキュメント)
 このグループには、カレンダーやメモ、連絡先が含まれます。どれも消えてしまうと困るものばかりですので、あらかじめバックアップがとれるようにしておきたいものです。Gメールのアドレスを取得していれば、カレンダーやメモ、連絡先を同期させる設定をしておくことにより、これらのデータは自動的にバックアップされるようになります。
 iPhoneの「設定」から「メール/連絡先/カレンダー」をタップし、Gmailをタップして表示される画面で、「メール」「カレンダー」「メモ」をそれぞれオンにしておきます。
 もしも、まだGメールのアドレスを取得していない場合はGoogleのホームページから手続き(無料)することができます。
 iPhoneの本体を交換する場合、設定やデータのバックアップなどは行ってくれないので、自分でやる必要があります。そのためには、日頃からバックアップをとっておく必要があるわけです。

iPhoneを使って自分で作成したデータ(写真などの画像ファイル)
 自分で撮影した写真やダウンロードした画像ファイルで、カメラロールに保存されているものは、iOs5.0以上であればiCloudを使うことができます。カメラロールに保存された画像ファイルは、自動的にフォトストリーム・フォルダにコピーが作成され、iPhoneがWi-Fiに接続されているときにパソコンに転送されます。(保存先は、「ピクチャ」フォルダの「Photo Stream」「My Photo Stream」。パソコンにiCloudコントロール・パネルをインストールしておく必要があります。)
 iPhoneがiCloudを使える環境でない場合でも、DropboxやGoogle+を使えば無料で、インターネットを経由してパソコンに送ることができます。ただし、次の違いがあります。

Dropbox 
 手動で写真を送る必要があります(写真の選択可能)。ただし、「設定」で「カメラアップロード」をオンにしておくと、撮影した写真は「カメラアップロード」フォルダにコピーされ、Wi-Fi接続時にインターネットを通じてパソコンのDropboxフォルダに送られるようになります。また、パソコンにもDropboxをインストールしておく必要があります。

Google+
  インスタントアップロードという機能を使って、自動で写真をGoogle+の自分専用のサイトにアップロードしてくれます。原則としてGoogle+設定後に保存された画像ファイルが対象となりますが、カメラロールのすべての画像をアップロードすることも可能です。

3.iPhoneでアプリを使ってダウンロードしたデータ
(iTunesと連携しているアプリの場合)
 WebからダウンロードしたPDFファイルなどはアプリが管理しているために、ユーザーが何もしなければ、そのデータはどこにもバックアップされません。ただし、アプリによってはiTunesと連携しているものもあり、それらのアプリでは、iTunesを使って手動でiPhoneからパソコンにデータを送ることができます。
 iPhoneをパソコンに接続するとiTunesが起動します。同期が完了したらiTunesの画面左にある「デバイス iPhone」をクリックして、画面上部にあるAppをクリックします。切り替わった画面を下にスクロールすると、左側にiTunesと連携しているアプリが表示されるので、パソコンに送りたいデータを持っているアプリのアイコンをクリックします。すると右側にそのアプリの内部にあるデータが一覧表示されるので、パソコンに送りたいものを選択してから「保存先」をクリックします。後は、エクスプローラが立ち上がるので、データを保存する場所を決めてから保存することになります。(下図参照。1~5の順番に操作します。)


c0136904_1671795.jpg





(iTunesと連携していないアプリの場合)
 基本的にデータのバックアップはできません。しかし、最近ではEvernoteにバックアップ可能なアプリも登場しているので、どうせ使うのならば、そういうアプリを使った方が安心できると思います。
 たとえば、私の場合、写真付きのメモを記録するときは「all-inメモ」というアプリを使っています。このアプリには、バックアップしたメモを選択してEvernoteにバックアップする機能が備わっています。また、リストア(データの復元)も簡単にできるようになっています。

 Evernoteのようなオンラインストレージサービスの多くは、無料で使用できるコースが用意されているので、これを利用しない手はありません。ストレージサービスを活用する目的は、iPhoneとパソコンとでデータを共有することですが、そうすることでいざというときのバックアップをとっておくことにもなります。

(お勧めのオンラインストレージサービス)
◎Gmail
 カレンダー/連絡先/メモのバックアップができるので必須。
○iCloud
 自動処理が魅力。対象が限定されていて、なんでも利用できるわけではないのが残念です。なお、Outlookと連絡先を共有することも一応できます。
○Evernote
 連携しているアプリが多いのが魅力です。ただし、無料で使用できる容量には制限があります。
△Dropbox
 手動で操作する必要があって手間ですが、逆に言えば不要なデータまでバックアップする必要がないともいえます。無料で利用できる容量はEvernoteよりも大きいのはメリットがあります。なお、設定を変更することで、自動アップロードできるようになります。
○Google+
 iCloudが使える環境ならば別になくても困りません。ただし、写真の容量制限を気にする必要がないのは魅力です。また、連携できるサービス(FacebookやTwitterなど)が多いのも嬉しいところです。Appleが嫌いな人にはオススメといってよいでしょう。
△SkyDrive 
 OneNoteユーザーには必須です。そうでない人には不要といってもいいかもしれません。


付記
 Dropbox に関する記述が不正確なところがありました。お詫びして訂正します。最新バージョンで写真の自動アップロードが可能になっています(この機能をオフにすることもできます)。
by t_am | 2012-08-11 16:07 | iPhoneを使いこなすために
 毎日暑い日が続いています。それだけにハンカチやタオルが手放せないのですが、間違った使い方をすると不快になることがあります。そこで、今回は涼しいタオルの使い方について申し上げたいと思います。

 結論から申し上げると、タオルは雑巾ではありません。どういうことかというと、雑巾は拭くものですが、タオルは違うということです。(これはハンカチも同じです。)

 では、タオルは何にためにあるのかというと、水分を吸収するための道具になります。水分を吸収すればよいのですから、濡れたところにそっとあてがうという使い方がふさわしいということになります。
 風呂上がりにバスタオルを使うということを考えてみましょう。ほとんどの人がバスタオルで身体を「拭く」ということをしていると思います。でも、それはタオルの濡れた部分を身体にこすりつけるようなものですから、乾きがよいとはいえません。むしろタオルでポンポンと叩くようにして、風を起こしながら身体についている水分を吸収させるようにした方が身体は早く乾きます。

 発汗作用が体温を調節しているといわれるのは、皮膚の表面の水分が蒸発する際にまわりの熱を奪ってくれることを指しています。この場合の水分の蒸発というのは本当に少しずつなので、蒸発するスピード以上に皮膚の表面の水分が増えていく(たとえば汗をだらだらとかいている状態)と体温を下げることができなくなってしまいます。
 こういうときにハンカチやタオルを使って、皮膚の表面の水分を吸収してやると、残ったわずかな水分が蒸発してその分だけ体温が下がることになります。その際に、タオルでポンポンと叩くようにしてやると、風が起こるので水分がそれだけ蒸発しやすくなるわけです。

 風呂に入って汗を流すのはとても気持ちのいいものですが、風呂上がりには髪の毛をよく乾かしておきましょう。髪の毛が濡れたまま(もっとはっきりいうと、少しでもしめった状態)だと、汗が止まらなくなります。特に朝シャンの習慣のある方は、きちんと髪の毛を乾かさないと、そのまま出かけることになるわけですから、だらだらと汗をかくことになります。
 髪の毛を乾かすには、ある程度タオルで水分をとってから、ドライヤー(冷風で)や扇風機で髪の毛を乾かすのが効果的です。風をあてて強制的に水分を蒸発させることで髪の毛の温度も下がるので、その分気持ちよくなります。
 これは、日中扇子や団扇を使う場合にもいえることです。額や首筋は特に汗をかきやすい場所ですが、それというのも髪の毛に接するところだけに皮膚の表面の水分が過剰になりやすいからです。したがって、ハンカチやタオルである程度水分を取り除いてから、あおいでやる方がはるかに涼しくなります。

 これからも暑い日が続きます。ハンカチやタオルを雑巾のように使わない(汗を拭き取らない)ことが、暑さをやわらげるコツだといってよいでしょう。

快適な夏をお過ごしください。
by t_am | 2012-08-01 23:41 | 科学もどき