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カクレ理系のやぶにらみ

tamm.exblog.jp

時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

ローン地獄に陥らないために

 返しても返しても借金が減らない。返済できる限度額以上の借金を抱えてしまった。ローン地獄というのは概ねこのような状態をいうのでしょう。
 予防に勝る治療なし。ローン地獄に陥らないようにするには、実に単純な真理に気づくかどうかにかかっています。
 それは、「収入の範囲内で支出する」ということです。ここでいう支出には、ローンの返済も含みます。つまり毎月20万円の手取り収入がある人は、20万円以内の支出をしていればローン地獄に陥ることはありません。当たり前ですよね。
 でも、その理屈がわからない人が過剰なローンを抱えることになるのです。



 世の中には2種類の人間がいて、それは自分が使うお金の管理ができる人とできない人です。管理ができる人は堅実に貯蓄を殖やしていくので何も問題はありません。
 お金の管理ができない人は貯金をしても絶対に増やすことができません。いくらか貯まっても使い込んでしまうのがオチです。ですから、どうやっても貯金が増えない人は、自分にはお金の管理能力が欠落しているということを自覚しましょう。そのことは何も恥ずかしいことではありません。恥ずかしいのは、そのことで他人に迷惑をかける(尻ぬぐいをさせる)ことです。それは、お金の管理能力とは別個の資質(つまり、「だらしなさ」)に由来します。

 自分にはお金の管理能力がないと自覚できる人は、管理能力のある人と結婚することをお勧めします。自分にできないことを配偶者にやってもらうわけです。その代わり、お金のことは配偶者に任せて、一切文句を言わないという決意が必要です。お金が原因でする夫婦喧嘩には救いがないからです。
 一方、あなたの配偶者や恋人にお金の管理能力が欠落しており、しかも他人に尻ぬぐいさせて何とも思わないという「だらしなさ」の持ち主である場合、さっさと分かれてしまった方がいいと思います。お金というのは、必要なときに使うためにあるのであって、あなたが苦労するためにあるのではありません。愛する人を助けたいという気持ちは尊いと思いますが、助けてもらう方は何とも思っていないことが多いのですから。

 お金の管理能力が低い人でも、努力によって、収入の範囲内で生活する習慣を身につけることが可能です。
 支出には削れないものと削れるものがあります。
 毎月のローンやクレジットカードの返済は削ることのできない支出です。ほかには、アパートの家賃や電気・ガス・水道料金の支払い、ガソリン代、奨学金の返済、税金や年金保険料・生命保険料の支払い、食費などがあります(子供がいれば、さらに授業料・保育料・給食費・教材費などが加わります)。これらは新たな消費には結びつかないので、どうしても忘れがちになります。しかし、支出に対する優先順位のつけ方を間違えることが、収入以上の支出をすることの最大の要因ですから、ここのところはきちんと押さえておきましょう。そのために、削れないお金の合計額が毎月どれくらいになるのか、一度計算してみるといいでしょう。その合計額が、あなたが使ってはいけないお金を意味します。
 毎月の収入からこの金額を引いたものが、あなたが使ってもいいお金です。意外と少ないことがおわかりいただけるかと思います。
 飲みに行きたい。キャバクラにも行きたい。出会い系サイトで出会った女の子とデートもしたい。パチンコもしたい。買い物もしたい。etc・・・
 したいことを我慢せずに全部してしまうとお金がいくらあっても足りないことになります(だから、我が子には我慢することを教えなければいけないのです)。収入の範囲内で生活するには、これらのうち何割かを諦めなければなりません。ABC分析により、もっとも単価の高い支出を我慢する方が効果が大きくなります。

 これでおわかりでしょう。あなたが払いたくないお金は削ることができないお金であり、あなたがしたいことは削ることができる支出なのです。

 人が借金を抱える理由は、ここまでに述べたように自業自得によるもののほか、不可抗力ともいえる突発的な支出があげられます。
 病気にかかれば思わぬ支出を強いられることになります。ほかには、「車をぶつけた」「財布を落とした」「泥棒に入られた」「手切れ金を払わされた」「病気を移された」などがあります。
 そういう場合に備えておくためにあるのが貯金と保険です。
 収入-支出=貯蓄となります(保険料は支出に含めます)。ここで、収入>支出であれば貯蓄は増えていきます。収入の範囲内で支出するという理由はここにもあります。
 一方、収入<支出であれば貯蓄は減っていきます。貯蓄がゼロとなってもまだ収入<支出の状態が続くと借金をしなければなりません。
 このことは企業経営も同様です。収入<支出であれば、企業は赤字を計上することになります。赤字分は蓄え(利益剰余金と資本金)を取り崩さなければなりません。蓄えを使い果たしてもまだ赤字が続くという状態が「債務超過」で、非常に危険な状態であるといえます。
 個人にとっての債務超過は何かというと、金詰まりを解消するために借金をするという状態です。これを解消するには、何とかして収入>支出の状態にして、借金を返済する原資をひねり出さねばなりません。それができずにいると、借金が雪だるま式に増えていくことになります。ローン地獄の始まりです。

 お金の管理能力の高い人とは、収入-支出=貯蓄という理屈が感覚的にわかっている人、そのために自分の欲望を抑制することのできる人であるといえます。この逆が、お金の管理能力の低い人になります。

 現代人は、支出を減らすことよりも収入を増やすことの方が好みに合っているようです。
 たとえば、若い女性であれば、自分の性を商品化することで比較的簡単に収入をあげることができます。自分の周りにそうやって楽にお金を稼いでいる人がいれば、自分もやってみようかと思うのは自然の成り行きであるといえるでしょう。ただし、自分の性を商品化するというのは、自分を物として扱っても構わないという同意書に署名捺印するのに等しい、ということに当人は気づいていません。
 一方、男であれば、短時間に大金を稼ぐことに憧れるようになります。しかし、世の中には努力もせずに確実に金儲けができる方法というのはどこにも存在しません。そのことにいつまでも気づかないと、自分の仕事に誇りを持てず、現実を直視することができない人格が育っていきます。
 向上心を持つのはいいこですが、楽をしてそれが叶うのであれば、みんなやってるはずです。マスメディアが成功した人を取り上げるときに、華やかな部分はこれでもかというくらい取り上げますが、その人の地味な部分は決して取り上げることはありません(だって絵にならないから)。

 こうしてみると、多額の借金を抱えて自己破産する人が多いというのも当然であると思います。
by T_am | 2008-10-13 22:54 | 科学もどき

by T_am