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カクレ理系のやぶにらみ

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時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

男はトイレを汚す生き物です

 世の奥様方をイライラさせていることの一つに、夫や息子がトイレを汚すというのがあります。一人よりは二人、二人よりは三人と、家の中にいる男が増えれば増えるほどトイレは汚れていきます。洋式であろうと和式であろうとトイレが汚れることに変わりはありません。



 では、なぜ男はトイレを汚すのでしょうか?
 問題を解決するには、問題となっている現象を観察し、その原因を究明することを通じて何を改善すればいいかを発見する、という一連のプロセスが必要です。本稿でも、この科学的なアプローチに沿って、この問題を考察してみたいと思います。

 結論から述べると、それは男性排尿器と便器の位置関係に起因する問題です。ほとんどの男は立ったまま小用を足します。これが諸悪の根源なのですね。
 どういうことかというと、オシッコの出る位置と便器の受け止める位置との間の距離が離れれば離れるほど、トイレを汚す可能性が高くなるということなのです。(だから、女性の場合トイレを汚すということはまずありません。それは2つの間の距離が近いからです。)
 男がトイレを汚すのは次の状況が考えられ、レベルが高くなるほど問題は深刻なものになります。

レベル1.飛沫が便器の縁にかかる
レベル2.飛沫が便器の外側に飛び散る
レベル3.雫が便器の縁にかかる
レベル4.雫が便器の外側にこぼれる
レベル5.オシッコが便器の縁にかかる
レベル6.オシッコが便器の外側にこぼれる

 男性排尿器というのは、外気に露出する器官としては自分の意志で自由に動かすことができないという特性をもっています。ですから小用時には手を添えないといけません。そうでないと水圧で思わぬ方向にオシッコが飛んでいくことになります。自分の服にかかったら笑ってられませんよね。
 最近公共施設で、小便器の中に的が描いてあるところが増えています。これは無意識のうちに的を狙って放水するように促すという効果を期待しているわけです。現に、外国の空港ではこれで相当の効果を上げているという報告もあるくらいです。けれども、これで効果があるのはレベル5とレベル6の事態を回避できるということなので、その国の男性諸氏はよっぽどお行儀が悪いのでしょう。
 このように的が描かれた便器でさえも飛沫と雫に対する決定打とはなっていないのが現状です。
 飛沫というのは、オシッコが勢いよく便器に衝突することで発生します。ですから、飛沫は水圧と便器との高さの差にそれぞれ正比例(?)します。一人の男が撒き散らす飛沫は微々たるものでそれほど目立たないのですが、二人三人と増えるにつれ、撒き散らされる飛沫の量は二倍三倍と増えていきます。和式のトイレであれば、うっかりすると足を滑らせることにもなりかねません。
 余談になりますが、飛行機のトイレを乗客が利用したら必ず客室乗務員さんがトイレに入ってチェックをしています。恐らくトイレが汚れていないかをチェックするとともに、直前に誰かが使ったという痕跡を消し去っているのではないかと思います。もともと狭い室内なので、誰か他の人間の痕跡(便器に残った汚物の痕、便座のぬくもり、手洗いに貼り付いている髪の毛、手洗いのまわりの水しぶきなど)が残っていると後から入った人は強いストレスを感じます。飛行機のトイレが男女共用でありながら、どこからも苦情が来ないというのは客室乗務員さんのさりげない奮闘の賜であるといえます。

 雫というのは、主に用を足す最後の段階で発生する減少です。ポタポタと最後にもれるのが雫となって、たいていは便器の縁にかかるか外にこぼれることになります。
 女性であれば紙で拭いて後始末をするわけですが、男の場合はそうはいきません。「振り払う」という動作が必要となります。これも雫となってトイレを汚す原因となります。
 したがって男の場合は、身体の構造と排尿のスタイルがトイレを汚す原因となっているといえます。

 世の奥様方が怒るのは、トイレを汚しても無頓着でいる男の無神経さが許せないからであって、自分以外の誰かがそのうちキレイにするだろうという無責任さに対してイライラしているのです。

 では解決策は何かというと、次の2つの方法しかありません。
 まず第一に、オシッコの出る位置と便器の位置を限りなく近づけるという方法が考えられます。何かチューブのようなものにオシッコを注ぎ込むということもアイデアとしては考えられますが、男としてこれは生理的に嫌悪する状況です。したがって、立って用を足すというスタイルを放棄することが結論として導かれることになります。自発的に放棄するのか強制的に放棄させられるのかは興味のあるところですが、それくらい思い切ったことをしないと解決できない問題であるといえます。
 第二の解決策は、用を足した後は必ず紙で便器の周囲を拭き取るという習慣をつけさせることです。私のオススメはこちらです。なぜかというと、このように用を足した後は必ず紙で周囲を拭き取る、という行動を繰り返すことは、自分以外の人間に配慮するという気持ちを涵養することにつながるからです。また、紙で拭き取ることは飛沫や雫染み込んだ紙を眺めることになり、もしかすると己の罪深さを自覚することになるかもしれません。哲学に目覚めるというのは意外と散文的なことがきっかけだったりするものです。
 
 世の奥様方に謹んで申し上げます。
 あなたの夫と息子たちをトイレに連れて行き、便器のまわりを紙で拭き取ってみせましょう。こうしてトイレがいかに汚れているかという実物を見せつけることで、彼らの反省を促し、次回からは自分で拭き取るということを約束させましょう。
 そのことが「優しい男」を作り出す第一歩となるかもしれません。
by t_am | 2007-10-02 00:04 | 科学もどき