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カクレ理系のやぶにらみ

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時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

日銀のETFによる株価の買い支え

 田中??さんが「逆説のアベノミクス」という記事を配信していたので、
日銀のETFによる株価買い支えの状況と東京1部2部上場企業の株価時価総額の推移について調べてみた。

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 菅政権から始まったこの施策は、野田政権の終わり頃までは効果があったとは思えない。というのは日本企業の業績が低迷を続けていたからだ。日銀が株価を支えようと、せっせと買い増やしても株価は緩やかに下がっていったことがわかる。野田政権の末期になってようやく上昇基調に転じたところで政権交代が行われ、円安誘導によって企業の業績回復への期待から株価が上昇に転じたのはグラフを見ればわかる。
 その後年度が替わってから、株価が横ばいを見せるようになり、この頃からETFによる購入額が増えるようになった。これは、3月20日に日銀総裁として黒田東彦氏が就任し、4月4日に開かれたの政策委員会・金融政策決定会合においてETF、J-REITの買入れの拡大を全員一致で決定したことに由来する。日銀がETFを買い入れるタイミングは、日本の株式市場が1%以上下がったときと見られていて、俗に「1%ルール」と呼ばれている。つまり機械的に買いをいれているということになる。
 ちなみに、安倍政権発足から今日までETFの購入額は約2兆円となっており、これは13年4月に開かれた日銀政策委員会での決定〈2年間で2兆円を購入する)よりも速いペースとなっている。それだけ買い支えるべきだと判断される機会が増えているということなのかもしれない。
 なお、野田政権の終わりまでに購入したETF残高はおよそ1兆4千億程度あり、これらは株価の安いときに勝ったものなので、その後の株価の上昇によって含み益を計上することになった。問題は、株価水準が今後どうなるかということであるが、仮に株価が下落すると大幅な評価損が発生することになる。
 以上のことからわかるのは、日銀は今後もETFの購入を続ける(売りに出すということは考えにくい)ということであり、投資家から見れば株を売りに出しても日銀が買い支えてくれるということを意味する。(安倍政権の支持率がなかなか下がらない理由がわかるような気がする。)
 追記。日銀が保有するETF残高(およそ3兆2千9百億円)は東証2部上場企業の株価時価総額合計(およそ6兆1千2億円)の53.9%にもなる。1部上場企業全体(およそ427兆円)に対しては0.69%となるが、一法人でこれだけの株を持つところは他にないことも事実である。
by T_am | 2014-10-06 20:14 | その他