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カクレ理系のやぶにらみ

tamm.exblog.jp

時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

抑制のできない大人たち

「駟も舌に及ばず」ということわざがあります。駟は四頭立ての馬車の意味で、古代では最も速い乗り物でした。この意味は、いったん口にした言葉は四頭立ての馬車であっても追いつくことはできないのだから、言葉を慎むべきであるというものです。
 現代では、ネットというツールが登場したおかげで誰でも自分の意見を述べることができるようになった反面、舌禍事件も増えています。たいていの場合、本人の無知や不注意(無神経)が原因ですが、なかにはいい年を下大人がなぜ?と思われるような場合もあります。せっかくですから、直近の事例をご紹介します。

(小泉みつお岩手県議会議員、病院にて番号で呼ばれたことに激怒しクレームで炎上) 
http://getnews.jp/archives/356246

(病院にクレームの小泉みつお岩手県議員、ブログ閉鎖も『とくダネ!』で全国デビュー)http://getnews.jp/archives/357938

(被災者や議員へ中傷ツイート連発〜復興庁「支援法」担当)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1598


 最初の2つは、ブログに本音を書いたところ炎上してしまい、ブログを閉鎖した上で謝罪に追い込まれたという事例であり、3番目はツイッターに本音を書き込んだところ、マスコミに取り上げられ、問題となって最終的に本人が更迭されたというものです。

 小泉議員に関する記事を読んだときは、自分が経営コンサルタントか何かとカン違いしてるんじゃないかと思いました。病院の運営について経営コンサルタントが口を挟むというのはあると思いますが、それでも料金を払わずに帰ってきたということを公にするコンサルタントはいないでしょうね。ましてこの人は県会議員なのですから、病院の事務作業を妨害する(お金を払わずに帰ってきたことで、病院の事務が支払いの督促の電話をする羽目になった)ようなことをしていい立場ではありません。

 復興庁の参事官氏のツイートも、自分が書いた悪口が相手の目に触れるかもしれないということを考えなかったのでしょうか?この人の仕事は、いろいろな人に説明をし、あるいは意見を聞いて政策に反映するというものですから、相手との間に信頼関係を築くことが不可欠であることはおわかりいただけると思います。その点で、原発事故の対応のまずさから、政府や官僚の発言が信用されなくなっているというハンディキャップを抱えて仕事に臨まなければならなかったという辛さは理解しますが、ストレス発散の方法を誤ったと言わざるを得ません。信頼関係を築かなければならない相手の悪口をこっそりツイートしていたわけですから、それが相手の耳に入れば怒りを招くことは必定といえます。いい歳をしてそういうこともわからないのでしょうか。

 思うに、小泉議員も参事官氏も、もしかしたら自分が間違っているかもしれない、と思ったことは一度もないのでしょう。自分の考えが間違っているかもしれないと考えたことがないからこそ、臆面もなくブログやツイッターに投稿できるのだと思います。(こういう書き方をすることは天に向かって唾することになりかねないと自覚して、これを書いています。)
 そうえば、石原慎太郎氏や橋下徹氏も本音を語るタイプの政治家です。橋下市長の方は最近慰安婦発言で苦労しているようですが、それでも根強い人気があるようです。
 同じように本音を話して、人気が出る人と嫌われる人に分かれるのは面白いと思います。一体何が異なるのでしょうか?

 明らかに異なるのは、石原氏と橋下氏の方は、一歩か二歩先の未来のことも語っていますが、小泉議員と参事官氏の方は本音という感情だけを並べているということです。政治の世界で本音というのは、要するに現状の追認ということですから、それだけ聴かされると気が滅入ってしまいます。そこで、現状はこうだけれども目指すべき未来はこうなんだという話法が必要になるわけです。
 本音として感情を述べてもそれが風刺になっていればギャグとして受け取ってもらえますが、お二人ともにそういう配慮をした形跡はみられません。本人はギャグのつもりかもしれませんが、傍から見れば単なる独りよがりや愚痴にしかみえません。

 小泉議員と参事官氏の失敗は、自分の社会的立場をわきまえずに、ブログやツイッターのように誰が見るかわからない場で本音を述べてしまったことです。
 ネットで意見を述べるというのは、一歩間違うと思わぬ恥をさらしてしまうツールであることがわかったと思った矢先に、安倍総理がフェイスブックに不用意な投稿をしてくれました。事実確認をせずに思い込みによる書き込みをしたということなのですが、この人ちょっと軽率なところがあるんじゃないの?と思わせる出来事でした。

 そういえば自民党の高市政調会長が、自らの「福島第1原発事故で死亡者は出ていない」という発言を撤回し謝罪しましたが、毎日新聞によればそのそのいい方は「全てを撤回する。福島県のみなさまが大変つらい思いをされ、怒りを覚えられたなら申し訳なく、おわびする」というものでした。

http://mainichi.jp/select/news/20130619k0000e010254000c.html

 「怒りを覚えられたなら」といういい方からは、「わたしは悪くないんだけどさ」という気持ちが感じられます。気が強いというか、懲りてないというか、よほどプライドの強い人なんだと思います。
by t_am | 2013-06-20 21:45 | その他