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カクレ理系のやぶにらみ

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時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

第46回衆議院選挙の結果から(砂上の楼閣)

 12月16日に行われた第46回衆議院議員選挙の結果は自民党の地滑り的圧勝に終わりました。選挙結果についての分析も少しずつではありますが、報道されるようになっています。
 今回の選挙の結果により、民主党から自民党への政権交代が行われるわけですが、それがどのような意味を持つのか、選挙結果を踏まえて考察してみたいと思います。


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 上の表は、前回と今回の衆議院選挙の結果を比較したものです。この表からいろいろなことが読み取れるので興味深いのですが、ここでは1点だけ指摘しておきます。

(意外と少ない自民党への投票者)
 「自民党の地滑り的圧勝」と申し上げましたが、実は、自民党の得票者数は小選挙区で25,643,309人にすぎず、前回よりもおよそ165万人減っています。比例代表でも同じ傾向が見られ、正直言ってよくこれで勝てたものだという気もするのですが、「その選挙区で最も得票数の多い候補者が当選し、あとはすべて落選する」という小選挙区制だからこそこういうことが可能になります。その要因として、最大のライバルである民主党の得票数の減少の方がはるかに大きかった(自民党のおよそ12倍)ことがあげられます。それでは、自民党や民主党が失った票はどこに流れたのかというと、投票を棄権した人および無効票を投票した人がおよそ1千万人、残りは第3極といわれる政党に流れています。特に比例代表での維新の会の得票数は民主党の3割増しであり、自民党にも迫る勢いを示しています。また、既存の老舗ともいえる政党が比例代表では軒並み得票数を減らしているのは注目すべきでしょう。
 したがって、自民党が勝てたのは、民主党の自滅(田中真紀子は野田総理の自爆テロと評しました)と、第3極として算入してきた政党間での票の奪い合いが行われ、それぞれ堅い支持基盤を持っている自民党と公明党が漁夫の利を得たからだと解釈するのが妥当であると思います。

 ちなみに、日本の有権者の総数はおよそ1億人ですから、自民党に投票した人は、小選挙区では全有権者の約4分の1であり、比例代表となるとさらに減って2割を切っていることがわかります。このことが意味するのは、やがて発足する安倍政権の支持基盤は決して強固なものではなく、むしろかなり脆弱であるということです。組閣直後は、ご祝儀もあって、内閣支持率は一時的に高くなるはずですが、その本質は有権者の4分の1しか支持していない政権なのです。したがって、衆議院での絶対多数に胡座をかいて政権運営を誤れば内閣支持率が下落することになり、自民党内部での権力闘争が活発化することになります。
 さらに、来年の7月には参議院の改選があります。これは中選挙区制ですから、今回の衆院選のように地滑り的圧勝を期待することはできません。したがって、安倍総理がとるべき戦略は、7月の参議院選挙までは国民の支持固めに結びつく政策に力を注ぐ以外にありません。安倍総裁自身は、憲法改正も含め、かなり大胆な改革をやりたがっているようですが、参院選前に手をつけてしまうと前回と同じ轍を踏むことになります。自民党が勝ったのは、安倍総裁が訴える改革を国民が期待しているわけではなく、むしろ棚からぼた餅が落ちてきたようなものだという認識でいることが、長期本格政権への道だと思います。
by t_am | 2012-12-21 06:56 | その他