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カクレ理系のやぶにらみ

tamm.exblog.jp

時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

揃えるための8つのツール

 人間が文字を書くのは人に見せるためです。例外はありません。人に見せる必要がなければ自分の胸の中にしまっておけばいいのですが、わざわざ文字を起こすからには、それを誰かに見せるためにそんなことをするのだということになります。たとえば、手帳にメモをとるのも日記を書くのも、未来の自分に見せるために書いていることになるのです。 したがって、文章を書くときには、読者を具体的に想定して書いた方が文章の出来はよくなります。
 以上は文章の中身の話ですが、これから申し上げるのは文書の体裁の話です。人に見せる以上、体裁が整っていた方が読みやすくなりますし、型をきめることによって書きやすくなるという面もあります。
 現代人はパソコンを使って文章を書いていますが、私自身パソコンの教育を受けたという経験がありません。すべて独学でやってきただけに、自分が知らないこともあると思います。そこで、この際きちんと勉強し直すというつもりで、Word について書いてみることにしました。


 今回は、「揃える」という視点でWordに備わっている機能について書いてみたいと思います。

 見栄えのする文書をつくる際に、気を配るポイントのひとつに「位置を揃える」というのがあります。ひとつ上の行の文字列と位置を揃えるためにスペースキーを使っている方もいらっしゃるかもしれません。うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあって、たぶんストレスを感じることがあるのではないかと思います。そのようなイライラを解消するためにも、Wordに備わっている機能を活用できるようになった方がいいと思うわけです。

Wordには位置を揃えるためのツールが8つ用意されています。

①中央揃え
②右揃え
③左揃え
④両端揃え
⑤均等割付け
⑥インデント(開始位置)の調節
⑦1行目と2行目以降のインデント(ぶら下がりインデント)の調節
⑧タブ揃え

(文字列を揃えるためのツールボタンの配置)
揃えるための8つのツール_c0136904_132364.jpg



 なお、この図にあるように、Wordの揃える機能を使いこなすには「ルーラー」という定規の表示が必要になります。そのために、リボンの「表示」タブをクリックして「ルーラー」のチェックをオンにしておくか、ルーラーの表示切り替えボタンをクリックします。(下図参照)

(ルーラーの表示)
揃えるための8つのツール_c0136904_13244938.jpg


(ルーラーの表示切替ボタン)
揃えるための8つのツール_c0136904_1325335.jpg



 それともう一つ述べておくと、これらのツールを使う場合は原則として段落(文章を入力していてEnterキーを押して改行するまでの範囲のこと)単位で適用されます。したがって、異なる段落には適用されません。ですから、複数の段落に適用させたい場合は、それらの段落を全部ドラッグして選択状態にしてから、ツールを適用する必要があります。ただし、これらのツールが適用されている段落での文字入力が終わって改行した場合、その次に新たに設けられた段落にも同じ設定が自動的に引継がれることになります。


1.中央揃えと右揃え
これらは「読んで字のごとく」、文字列を行の中央と右端に配置するためのツールです。それぞれ「何に対して揃えるのか」については、この次に述べます。

2.左揃えと両端揃え
  この2つは、文章の開始位置を左端とするという点では同じですが、右端をどこにするかという点で異なります。
  具体的には下図をご覧ください。この文章は3つの段落から成り立っていますが、最初の2つの段落は左揃えに設定されており、3番目の段落は両端揃えに設定されています。
「左揃え」の場合、文字列の終わりは図の赤い線のところで統一されていますが、禁則処理(行頭に句読点が来ると見苦しくなるので、前の行の末尾に句読点を移動させる処理のこと)を行う場合に限り句読点がその右側(青い線の内側)にはみ出しています。
  一方、両端揃えの場合は、行の末尾が青い線に統一されています。すなわち、禁則処理が行われても、文字の間隔が調節されるので、行の末尾が不揃いになるということはありません。

 (左揃えと両端揃えの違い)
揃えるための8つのツール_c0136904_13264079.jpg

 
  つまり、「左揃え」とは文章の左端のみを揃える(禁則処理が行われた場合、句読点が右端から飛び出す)のに対し、「両端揃え」は文章の左端と右端の両方を揃えるという違いがあります。

  ただし、「例外のない規則はない」という言葉の通り、2行目以降のインデントを調節した場合、禁則処理を行ったときは、句読点は右端に飛び出ることになります。このことは後で詳しく書きます。

(画像「2行目のインデント・両端揃えの例外」
揃えるための8つのツール_c0136904_13273335.jpg



3.均等割付け
  均等割付けは、下図のように上下に隣接する文字列と長さを揃えたい場合や、タイトルのように文字の間隔を適度に空けて目立たせたいときに使用します。その結果、文字列は指定された長さに合わせて文字の間隔が自動的に広がることになります。
  操作方法としては、均等割付けしたい文字列をドラッグして反転表示させてから「均等割付け」ボタンをクリックし、文字列の長さを何文字分にするのかを数値で指定することになります。このとき注意したいのは、間違って改行マークまでドラッグしてしまうと、横1行すべてを使って均等割付けされてしまうことになるということです。
 
(均等割付け)
揃えるための8つのツール_c0136904_13293820.jpg



4.インデント(開始位置)の調節
  インデント(開始位置)とは、その行の中でどこから文字列を開始するのかを示すマーカーのことをいいます。別ないい方をすれば、(横書き文書の場合)文字列の左端の位置を示すマーカーのことであるということになります。
  開始位置を右にずらす(インデントを増やす)には、下図のボタンの中にある「インデント(開始位置の調節)ボタンのうち右向矢印のあるボタンをクリックします。逆に、開始位置を左にずらすには、その左横にある左向矢印のあるボタンをクリックします。
  なお、このツールは、インデントを揃えたい段落をすべて選択した状態にしてから使った方が作業の無駄が省けます。

(ツールボタンの配置)
揃えるための8つのツール_c0136904_13302664.jpg



5.1行目のインデントと2行目以降のインデント(ぶら下がりインデント)の調節
  前項に述べたインデントの調節ボタンをクリックすると、ルーラーの左端に下向き▼と上向き▲と■が一緒にスライドすることがわかります。インデントの調節ボタンをクリックすると、1文字分ずつインデントがスライドしていきますが、場合によってはインデントの位置を微調整したいときもあると思います。そのようなときには、マウスを使ってルーラーに設置されているインデントマーカーの位置を動かします。(位置の調整中は、マーカーから垂直方向に線が引かれて表示されるので、位置設定の目安となります。)
  
・下向き▼    
1行目のインデントを調節するためのマーカーです
・上向き▲   
 2行目以降のインデント(ぶら下がりインデントといいます)を調節するためのマーカーです
・■      
 上記2種類のインデントを同時に変更するためのマーカーです。ぶら下がりインデントが設定されている場合、1行目との差分を引き継いで調節します。

  なお、インデントマーカーには、ルーラーの右端にも上向き▲が設けられています。これは、その段落の右端(折り返し地点)を設定するときに使います。

  実際にインデントマーカーをマウスで動かしてみると、ステップを刻むようにして位置が動いていくことがわかります。このままでは位置の微調整ができないので、マウスでインデントマーカーをクリックしたときに「Alt」キーを押してみましょう。するとルーラーの表示が代わり、インデントマーカーの位置変更がスムーズに行えるようになります。

(インデントマーカーの微調整)
揃えるための8つのツール_c0136904_13314230.jpg



6.タブ揃え
  インデントマーカーを使うことで行の開始位置を設定することができますが、たとえば飲食店のメニューのように、行の途中で文字列の位置を揃えたいという場合もあると思います。その場合「タブ揃え」というツールを使います。

(タブの使用例)
揃えるための8つのツール_c0136904_13324812.jpg



  タブ揃えには、「左揃え」「中央揃え」「右揃え」「小数点揃え」「縦線」の5種類があり、それらを切り替えるには縦ルーラーの上にある「タブセレクタ」をクリックします。タブセレクタをクリックした順番に「左揃え」→「中央揃え」→「右揃え」→「小数点揃え」→「縦線」→「1行目のインデント」→「ぶら下がりインデント」というふうに切り替わっていきます。

(タブセレクタ)
揃えるための8つのツール_c0136904_13333732.jpg



・左揃え    文字列の開始位置(左端)を設定します
・中央揃え   設定されて位置を中心に文字列を揃えます
・右揃え    文字列の末尾(右端)を設定します
・小数点    文字列の中に含まれる少数点の位置を設定します
・縦線     設定した位置に縦線を自動的に表示します

(タブマーカーの使い方)
  タブセレクタをクリックして、設定したいタブの種類を選択します。次に、ルーラーの上の任意の場所をクリックします。タブマーカーは、このクリックした場所に設定されます。いったん設定したタブマーカーの位置を調節するには、Altキーを押しながらタブマーカーをドラッグします。(タブマーカーをルーラーの外にドラッグすると、削除することができます。)

(タブセレクタをクリックして右揃えを表示させる)
揃えるための8つのツール_c0136904_13341679.jpg


(ルーラーをクリックしてタブの位置を決定)
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(揃えたい文字列の左端をクリックして)
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(Tabキーを押します)
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(改行すると次の段落にも右揃えタブが引継がれます)
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  なお、タブの設定は、そのときカーソルがある段落だけに有効です。複数の段落に同じタブマーカーを設定したい場合、それらの段落をドラッグして選択状態にしてから、タブマーカーを設定します。また、タブマーカーが設定されている段落を改行した場合、タブマーカーは次の段落にも引き継がれることになります。

(タブリーダーの表示)
  タブ揃えした文字列の間に、リーダーと呼ばれる線を表示させることができます。そのためには、「タブとリーダー」ダイヤログボックスを表示させる必要があり、それには2種類の方法があります。
  手っ取り早いやり方としては、タブマーカーが設定されている段落のうちどこでもいいのでクリックして、ルーラー上にタブマーカーを表示させます。次にタブマーカーをマウスの右ボタンでダブルクリックすると「タブとリーダー」ダイヤログボックスが表示されます。
  オーソドックスなやり方としては、リボンの「ホーム」タブの中にある「段落」セクションの右下にあるボタンをクリックして「段落」ダイヤログボックスを表示させてから、左下にある「タブ設定」ボタンをクリックする方法があります。

(タブとリーダーダイヤログボックスの表示させるには赤丸のところをクリックします)
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(タブとリーダーダイヤログボックス)
揃えるための8つのツール_c0136904_13405989.jpg



  リーダーは、このダイヤログボックスで選択したタブマーカーの左側に設定されます。タブマーカーは、図のように、それぞれ左端から○○文字というふうにタブ位置で表示されているので、どれかひとつを選択します。そのうえで、リーダーの種類を選択してOKボタンをクリックします。なお、このダイヤログボックスで、タブの種類を変更することもできます。



 なお、今回取り上げたWordの機能はWord2003以前のバージョンでも使えます。特に、2行目以降のぶら下がりインデントやタブ揃えは、レポートを作成するときには重宝するので、覚えておいて損はないはずです。
by t_am | 2012-09-15 13:46 | 案外知られていないWordの機能

by T_am