ブログトップ

カクレ理系のやぶにらみ

tamm.exblog.jp

時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

放射線に関するおさらい(5)    暫定基準値(その2)

 前回、政府が定めた暫定基準値について整理しましたが、ひとつ書き忘れていたことがあるので、補足しておきます。
 それは、飲料水の規制値はよほど厳しくしないと放射能に汚染された食品が拡大するということです。
 たとえば、水道水が放射能に汚染されているとします。その水を使ってご飯を炊けば、水の中にあった放射性物質はご飯に移ることになります。これは、そうめんをゆでたり、インスタントラーメンをつくるときも同じです。
 さらにこの水が食品加工工場で使用されたらどうなるでしょうか? その工場で生産される加工食品はすべて放射性物質で汚染されてしまうことになります。この場合、汚染された加工食品は流通経路に載って、それこそ全国に運ばれることになるわけです。

 したがって、水が放射能に汚染された場合の問題は厄介なものとなります。

1)水自身の汚染
2)食品を調理するときに使う水によって食材が汚染されてしまう危険性。すなわち、汚染経路が複数発生することになり、一層複雑になってしまうこと。


 放射能による汚染経路が複雑になっても、野菜や米などの農産物は収穫後に、牛は出荷時点で検査することで、理屈の上では汚染されたものが市場に出回るのをくい止めることができることになります。ただし、加工食品や調味料(味噌・醤油など)についてまで検査体制がでているわけではありません。ということは、放射線は検出されたけれども暫定規制値以下だったので使用可能となった水道水や井戸水を使って調理した食品は当然放射能に汚染されることになるわけですが、もしかすると調理方法によっては放射能が濃縮されるかもしれないにもかかわらず、まったくのノー検査で市場に出回る可能性があるということになります。

 飲料水の規制値を厳しくしないと、このように、放射能に汚染されるはずがない食材までも汚染されることになりかねません。
 そのように考えてくると、飲料水の暫定規制値が牛乳や乳製品と同じ200ベクレル/kgであるというのはおかしいということになります。(牛乳でご飯を炊きますか? 牛乳でインスタントラーメンをつくりますか? つくりませんよね。)
 さらに、家庭では洗濯やお風呂に入るのにも水が使われています。その水が放射能に汚染されているとわかったら、あなただったらどう思いますか?

 飲料水の用途は、他の食品とはちがって極めて広い使われ方をしているのですから、もっと厳しい基準を適用しなければなりません。
by T_am | 2011-08-14 11:28 | その他