Excelの条件付書式を使いこなす
条件付書式の使い方は2通りあって、当該セルの値に応じて書式を変化させる方法と、数式の結果に応じてを変化させる方法とがあります。条件を数式で設定すると、他のセルの値に応じて書式を変化させることもできるようになります。
(基本的な使い方)セルの値に応じて当該セルの書式を変化させる
【例題1】テストの点数が40点未満のときに点数を赤く表示させる
下の図で点数が40点未満は菅曲人クンだけですから、彼の点数だけを自動的に赤く表示させるというものです。
まず、このように条件付書式を設定したい範囲をドラッグします。
次にExcel2007、2010ではホームタブにある条件付書式をクリックして、下図のように選択します。(Excel2003より前のバージョンでは、「書式」メニューの「条件付書式」を選択します。)
40点未満の点数が対象ですから、下図のように「<40」と入力して、「ユーザー設定の書式」を選択します。(Excel2003より前のバージョンでは、「セルの値が」「40」と入力、「未満」を選択します。、
セルの書式設定で、文字の色を赤く選択すると次のようになります。ちなみに、点数を40点未満(赤点)に変えるとそれに応じて文字色も自動的に赤くなります。
(応用編 式を使った条件設定)
【例題2】平均値以下の点数を赤く表示させる
前の例題は、条件に固定値を設定する場合のやり方です。実際には、条件の設定は同じでもその都度数値が異なるという場合もあるので、その場合は条件を式で設定します。
下図のように、
①条件付書式を設定する最初のセルを選択して、「条件付書式」を選択し、
②「その他のルール」を選択します。(Excel2003までは、「セルの値が」のかわりに「数式が」を選択します。)
③下図のように、「数式を使用して、書式設定するセルを決定」をクリックします。
④次に、「次の数式を満たす場合に値を書式設定」とある下の枠内をクリックします。
⑤そして数式を適用するセルとしてD3をクリックします。
⑤すると枠内に「=$D$3」と入力されるので、「=$D3」と修正します。
⑥続けて、「=$D3<average($D3:$D8)」と入力します。
この数式の意味は、「セルD3の値が、セルD3からD8の平均値よりも小さければ」という条件であることを示しています。
⑦「数式」ボタンをクリックして文字色を赤くします。
⑧「OK」をクリックすると、数式を使った条件付書式の設定が完了します。
⑨最後に、セルD3の書式を、セルD4からD8に「形式を選択して貼付」によって、書式だけをコピー・貼付けします。(書式のコピーをするために⑤の操作が重要なポイントとなります)
【例題3】平均以下の点数をとった生徒の氏名欄を赤く表示させる
前回までの例題では、点数のセルの値に応じてそのセルの書式を変化させるというものでしたが、Excelでは、他のセルの値を参照して選択中のセルの書式を変化させるということもできます。
①氏名の最初のセルを選択して「条件付書式」のルール設定を開きます。
②「次の数式を満たす場合に値を書式設定」の枠内に次の数式を入力します。
=$D3<average($D3:$D8)
③「書式」ボタンをクリックして、書式の設定を行います。
④設定した条件付書式を、「形式を選択して貼付」によって他のセルにコピーします。
すると下図のように、平均点以下の点数をとった鳩海クンと菅クンの二人が自動的に強調表示されます。
なお、条件付書式は1つのセルに複数の設定ができます。この例でいえば、平均点以下の生徒の名前を赤く表示させる一方で、90点以上の優秀な生徒については別な色で強調表示させることも可能です。
(まとめ)
IF関数は条件に応じてセルの値を変化させる関数ですが、条件付書式は条件に応じてセルの書式を変化させるための機能です。これをマスターすると、データの入力に応じて自動的にセルの書式をすることができるので、わかりやすい表をつくる際には便利な機能であるといえます。(条件付書式を知らない人にとっては魔法のように見えるはずです。)
その機能を使いこなすには、条件を数式で設定できるようになることが必要であり、それができるようになると鬼に金棒といってよいでしょう。
そのために覚えておきたいのは、次の2つです。
①数式の中では関数を使用することができる。
②条件付書式をコピーするには、行番号(もしくは列名)の前についている「$」を外してから、「形式を選択して貼付」によって書式のコピーをすればよい。
なお、数式の途中で文字列を扱いたいときは、文字列を ” ”で囲ってください。