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カクレ理系のやぶにらみ

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時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

太陽光発電:買い取った電気はどこへ行くのだろう?

 脱原発の機運が高まると、個人や企業による太陽光発電の導入が進むかもしれません。自宅で使って余った分は電力会社が買い取ってくれることになっています。住宅の場合、買取価格は42円/kWh(平成23年度買取価格。ただし、10kW未満。10kW超は40円/kWh)とのことですから、結構高く買ってくれるものだと思います。そういえば、去年は48円/kWhだったように記憶しています。このまま下がり続けなければいいのですが・・・

 太陽光発電によって生じた余剰電力(自宅で使って余った分の電気)を電力会社が買い取ると聞いて疑問に思ったことがあります。それは、電力会社が買い取った電気はどこに行くのだろうか? ということです。皆さん、不思議に思いませんか?

 電気に名札がついているわけではありませんから、電力会社が発電して送ってきた電気と個人の住宅で発電された電気とで区別のつけようはないはずです。だから、ヤマグチさんちで発電された電気を電力会社が選び出してバッテリーに溜めておくということは不可能です。

 だから、個人の住宅や会社から提供された余剰電力は、その地域の電線を伝わって違う家庭や会社に送られるのだろうと思います。そうすると電力会社はその地域に供給する電気の総量をそれだけ減らすことができます。減らした分を水力発電所に送れば揚水発電に使うことができます。太陽光発電がもっと普及すれば、原発1基分の発電量を賄うこともできるかもしれません。
 問題は太陽が出ている間しか発電できないということです。雨の日や曇りの日も発電量が落ちることになりますから、電力の安定供給という点で不安が残ります。
 そういう不安材料はこの際おいといて、太陽光発電で買い取ってもらった余剰電力がどこへ行くのかという疑問に対する答えとしては、「同じ地域の電力需要に充てられる」ということでしょう(たぶん)。その分電力不足を補うことになりますから、この夏の電力不足対策の中にカウントしてもよいのではないかと思います。(政府や電力会社の発表は最後の結論しかいわないので、計算過程がさっぱりわからないという欠点があります。)もしかすると、無理な節電をしなくてもこの夏を乗り切れるかもしれません。


付記1
 太陽光発電のような再生可能エネルギーに対する筆者の考えは、現在の技術水準ではあくまでも既存の発電システムを補完するというものであり、主力エネルギーにはならないというものです。その理由は2つあって、1番目の理由は既に述べたように必要な発電量を安定的に確保することが難しいからです。
 2番目の理由はまだまだコストパフォーマンスが低いというところにあります。太陽光発電を普及させるために、政府や地方自治体が補助金を出し、余剰電力を電力会社に買い取らせているというのは、このコスト高に対する不満を解消させようとしているからです。しかしながら、補助金の原資は私たちの税金ですし、電力会社の買取原資も私たちが支払っている電気料金から捻出されているのですから、このような無理がいつまでも続けられるはずはありません。(その証拠に余剰電力の買取価格は昨年よりも引き下げられました。)

付記2
 揚水発電というのは、電力が余っている時間帯に水力発電所のダムの水を汲み上げておき、電力需要が増えた時間帯にその水を使って水力発電を行えるようにしようというものです。理屈の上では、今余っている電気を将来必要となるときのために蓄えておくということが可能になります。(別ないい方をすれば、余っている電気エネルギーを水の位置エネルギーに変換することであるといえます。)
 実際には揚水のためのエネルギーロス、発電ロス、送電ロスなどがありますから、余った電力を100%蓄えられるというわけではありません。また、ダムの容量以上の水を蓄えることはできませんから、無制限に余剰電力を蓄えておけるわけではありません。
by T_am | 2011-05-20 23:21 | その他