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カクレ理系のやぶにらみ

tamm.exblog.jp

時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

「首相 震災境に『取材拒否』」というニュースについて

 今朝の新聞に、「首相 震災境に『取材拒否』」という見出しの記事が掲載されていました。福島原発の事故以来都合の悪い情報を出し渋ってきた政府だけに、いよいよ菅総理もか? と思って記事を読んでみると、実に拍子抜けする内容でした。以下、抜粋して引用します(5月2日付新潟日報朝刊より)


 管直人首相が3月11日の東日本大震災発生を境に、原則として応じてきた記者団の「ぶら下がり取材」を拒み続けている。福島題意1原発事故対応に専念するためというのが首相側の言い分。ただ民主党内で公然と退陣要求が出る中、失言の舞台には立ちたくないとの姿勢がうかがえる。メディアへの登場回数が減り、発言力がさらに低下するという代償は大きい。
(中略)首相は被災地視察時などを除いてぶら下がり取材を拒否し、共同通信などが加盟する内閣記者会は抗議。首相側は記者会見の回数を増やすとして理解を求めたが、それでも取材機会が激減するため記者会は納得せず、協議が続いている。
(中略)首相は4月12日の会見で取材拒否の理由について「枝野幸男官房長官を中心に国民に説明している。役割分担はいろいろある」と説明した。官邸筋は「側近議員が、首相を守ろうとして取材拒否を進言した」と明かす。背景には。記者が矢継ぎ早に質問できるぶら下がり取材では、質問者が一問ごとに替わる会見以上に機敏な対応を求められるとの事情がある。
 だが、連日2回の記者会見をこなし、震災後に知名度が急上昇した枝野氏に比べ、首相の存在感は薄くなる一方だ。ある閣僚は「もともと乏しい発言力が、メディアに登場する機会が減って、さらに低下した」と酷評する。
 小泉純一郎首相はぶら下がり取材を軽妙な受け答えでこなし、支持率アップにつなげた。官邸は昨年末、小泉政権のメディア対応を分析し缶首相に報告したが、その「研究」が活用されているとは言い難い。


 記事を読んでわかるのは、菅総理が拒否しているのはぶら下がり取材であり、そのことに対する恨み辛みが書かれているにすぎないということです。もっとはっきりいえば、この記事を書いた人の脳裏にあるのは、自分たちの既得権を手放したくないという欲でしかありません。公正中立というモットーが聞いて呆れます。
 総理に対するぶら下がり取材が認められているのは「内閣記者会」(一般には記者クラブとよばれています)に加盟しているマスコミの記者であり、そうでない記者には取材する権利が与えられていません。つまり、取材源を独占しているのです。
 そもそも、ぶら下がり取材と称して一言か二言のコメントをもらってそれがどれだけの意味を持つのかは疑問です。それよりも記者会見の席上で突っ込んだ質問をした方がはるかに有意義な回答を得られると思うのですが、マスコミの皆様はそうは考えないようです。記者会見での当局の発表をそのまま垂れ流すという報道姿勢は、誰が記者であっても同じということを意味しています。その証拠に「質問者が一問ごとに替わる会見」という書き方がされていて、これは政府とマスコミのなれ合いで記者会見が運営されているということを示唆しています。
 本来ならば、記者会見で発表される政府の嘘や問題点をえぐり出すというのがジャーナリズムの役割であるはずですが、そいういうことはあまり行われていないようです。政府の発表を事実としてそのまま報道するのは構わないのですが、それに対する解説がほとんどないというのが現実です。したがって、新聞記事を各社比較するとほとんど同じ内容になってしまうのです。

 そういう「怠惰」なマスコミが、ぶら下がり取材を拒否されたからといって、菅総理の個人攻撃に走るのはどうかと思います。記者クラブを設けることで独占的に情報をもらうかわりに、当局の都合の悪いことは報道しないというのが日本のマスコミの姿です。ぶら下がり取材の廃止に反対しているのも、自分たちがいかに暇であるか暴露されるのが嫌だからではないか? そんなことを勘ぐってしまう記事でした。
by T_am | 2011-05-02 21:57 | その他