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カクレ理系のやぶにらみ

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時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

知りたいことしか訊こうとしない人

 歳をとってくると、それなりに人からものを尋ねられたり、あるいは相談されるということが増え、そういうことを何度か繰り返すうちに、自分が知りたいことしか訊こうとしない人がいることに気づきました。
 これはまあ、質問される方にとっては非常に楽であるといえる(訊かれたことだけを答えればいいから)のですが、そういう人と話をしていてもあまり面白くないと感じている自分に気づきます。

 質問されたり相談される醍醐味というのは、対話によって相手が気づいていないことを明らかにしてあげられることであり、それによって自分も得るところがあるからです。ところが、中には、自分が知りたいことがあってそれだけ教えてもらえればそれでいい、という人がいて、考えてみるとこれは受験勉強の延長なのですね。
 受験勉強にとって解答は一つあれば十分です。ふたつ目三つ目の解答を覚える暇があれば、新しい問題の解答を覚えた方がいいというのが受験勉強でしょう。こういう人は秀才タイプに多いようです。こういう人の仕事ぶりをみていると、順調に行っているうちはいいのですが、いざトラブルが発生すると何が問題なのかポイントのずれた理解をしていることが多いようです。その結果、どうでもいいことにとらわれていて、いっこうに問題を解決することができないということになるのです。
 この人たちに共通するのは、人がいった言葉にとらわれるあまりその人の気持ちを酌み取ることが苦手だということです。これではコミュニケーションになりません。こういう人が大きな権限を持つと相手を怒らせることをしてしまうという、どこかの国の官僚や政治家みたいなことを繰り返すのです。

 話しをしていて一番面白いのは、「なぜですか?」と訊いてくる人です。なぜかを訊かれれば、解答に至る考え方や背景を説明しなければなりません。その際に、相手の顔色を見ながら、どのように話したら理解してもらえるかを考えなければならないので、これは結構頭を使う作業なのです。
 したがって、「なぜですか?」と思わず訊いてしまう人というのは、自分が期待していた以上のことを知る機会を得やすいといえます。こうしてみると、「なぜですか?」という素朴な質問は、自分が知らない世界への扉を開く呪文であるといってよいかもしれません。

付記
 「なぜですか?」と訊くと怒り出す人がたまにいます。その場合、「この人は、自分がこのことについて知らないということを知られたくなくて怒っているんだ」と思ってよいと思います。
by T_am | 2011-04-12 21:05 | その他