政府だけを責められない
また、ガソリンスタンドは売り切れによって閉店しているところもあれば、営業している店舗には給油を求める車が長蛇の列をなしています。
新潟県ではガソリンの供給(卸売り)は通常通り行われているそうですから、お客が集中しなければ大丈夫とのことです。
今日は、鶴岡、酒田、横手を経て岩手に入ったのですが、商品の品不足は深刻な状況です。お店の人に聞いたところ、入荷量は確かに普段よりも少なくなっており、入荷してもあっと言う間に売り切れてしまったとのことです。
スーパーの陳列棚をみると、インスタントラーメンを買いだめしてどうするんだろうと思ってしまいます。
関東の食品メーカーの中には、工場を稼働させるための軽油が足りなくなりつつあるという話も聞きました。
消費者が一斉に店に押しかければ商品があっと言う間になくなることは既に何度も経験していることです。政府も買いだめは控えてほしいという声明を発表しています。
地震の被害があったわけでもない地域で物不足が発生すれば、それを補おうとする動きが当然起こることになります。それによって被災地に廻すべき物資が不足することになりかねません。
今回のような大規模災害が起こると、政府は何をやっているのだと非難する声が出てきます。避難されても仕方ないことをしているのですが、では国民の側はどうなのだというと、政府ばかりを責められないと思います。
一時的に物流が衰えることはあるでしょうが、いずれ復旧してものが溢れかえる状態に戻るのですから、慌てて買いだめに走るのは控えましょう。被災地の人たちの苦労を想像してみたらいいのです。
復興のための募金に協力しながら買いだめに走るというのは偽善的であると思いませんか?
付記
テレビいわてと系列局のクルーが避難所を訪れ、被災者の声をビデオレターとして放映しています。また避難所にいる人の名簿をテレビで読み上げるということも行っています。家族や親戚、知人の安否を知りたいがどこにいるのかもわからないという場合も多いなかで、テレビいわての放送を見て無事が確認できたと喜ばれています。
ローカル局の面目躍如というところであり、こういうメディアの活用法もあることに気づかされました。
しかし、ビデオレターに登場する人のメッセージには悲痛なものもあります。そのうちのふたつをご紹介します。
(大槌町の避難所にいるお婆ちゃんのメッセージ)
津波で息子が流されて一人になってしまいました。北上の○○(たぶん娘さんでしょう)、はやく迎えに来てください。お願いします。お願いします。
(年老いた母親がが避難して無事でいることがわかった娘から届いたfax)
お母さんが無事でいることがわかりました。本当にありがとうございました。早く迎えに行きたいけれど、ガソリンが足りなくてすぐには行けないの。辛いだろうけれど、もう少し我慢してね。
会いたい。会いたい! ・・・・・・生きていてくれて本当によかった。
どうです? これでも買いだめしようと思いますか?