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カクレ理系のやぶにらみ

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時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

ウィキリークスをどのような位置づけで理解するか

 ここ数日、アメリカの外交文書が内部告発によりウィキリークスで暴露されたことが大きな波紋を広げています。クリントン国務長官がウィキリークスを非難したのに続き、前原外相も30日の記者会見で前原外相が「言語道断だ。勝手に他人の情報を盗み取って、勝手に公開する犯罪行為だ。」と強い口調でウィキリークスを非難しました。
 さらに、今日になって菅総理も「こういう形で情報が不当に、場合によっては違法に流出するのは大変問題だ」と述べており、各国の首脳も同じように苦々しく思っているのは間違いないようです。
 マスメディアが報道する「暴露文書の中身」は、それほど大騒ぎするほどのことなのだろうか? という気がします。アメリカ軍の機密文書の暴露ならばともかく、外交文書といっても多くは外交官の主観が書かれたものであり、それらは、こんなことでいちいち目くじらを立ててどうするのだと思うものばかりです。
 外交というのは、対立する利害をいかに調節するかという交渉なのですから、交渉の当事者たちがその相手方に対して様々な感想を持つのはしかたのないことだといえます。たしかに、自分がどのように思われているかを知らせるのは不愉快なことであるのは認めますが、そんなことをいちいち気にしてたら交渉などできません。すなわち、これらの文書は公開することは憚られる類の情報にすぎないのであって、国家機密とするほどのものではないと判断して差し支えないと思います。

 自分たちがやっていることがひょっとしたら暴露されることになるかもしれない、という意識を政府関係者に抱かせることができるのであれば、ウィキリークスのような存在もアリだと思います。本来であれば、権力を監視するのはマスコミの役割なのですが、どうもそういう自覚が薄れてきているように感じてなりません。
 ですから、ウィキリークスを潰そうとする人たちは、ウィキリークスのようなものが存在すると都合が悪いと考える人たちであるとみなしてよいと思います。
 ICPOがウィキリークスの創設者であるジュリアン・アサーンジ氏を強姦容疑で国際指名手配しました。スウェーデンの検察が逮捕状をとったことにICPOが協力したのだそうですが、これもなんだか恣意的なものを感じてしまいます。

 ウィキリークスという仕組みは、権力の側にいる者にとってプレッシャーを与えることになります。そのことが民主主義を健全なものにし、公益を担保することに結びつくと考えてよいと思います。
 あとは、そこで提供される情報の質がものをいうことになります。25万点の外交文書というのはまさに玉石混淆といえるでしょうし、掲載される情報に無意味なものが多ければウィキリークスそのものが軽く見られることになってしまいます。そうなると、掲載する情報を選別するという作業が行われるようになり、誰がどのような基準で選別するのかが焦点となります。

 ウィキリークスという仕組みがマスコミとは別の権力監視装置になるのか、それとも自滅していくのかは、今の段階では予想もつきません。わかっているのは、これを潰そうという動きがあるということです。日本のマスコミがウィキリークスに対してどのような態度をとるのかは今のところ不明ですが、たぶん、本音の部分では苦々しく思っているような気がします。そうかといって無視することもできないので距離を置こうとするのではないかという気がします。
by T_am | 2010-12-01 22:01 | その他