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カクレ理系のやぶにらみ

tamm.exblog.jp

時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

価格の国際比較をすることが愚かなわけ

 「日本のたばこの価格は諸外国に比べてまだ安いのだから、欧米並みに引き上げるべきだ」という小宮山厚生労働副大臣の発言を前回取り上げましたが、それがなぜ愚かななのかを充分にご説明していなかったと思います。お詫びして補足いたします。

 端的にいってしまえば、日本の企業が日本の国内向けにつくっている製品の価格を、外国の価格と比較したうえで、外国の価格水準に合わせる必要がどこにあるのか? ということです。日本の小売店で、店頭価格を決める際に、いちいち外国に調査員を派遣したうえで価格設定をしているところがあるでしょうか? 
 ちょっと考えれば、いかに馬鹿げているかがおわかりいただけると思います。しかし、その馬鹿げたことを真面目な顔をしていう人たちがいて、それが今回は小宮山副大臣だったということです。て

 国の経済を考えると、完全に企業に委ねるのではなく、政策的に価格を決定しなければならないものというのはあります。公共交通機関の料金がそうですし、ガソリンの価格もそうだといえます。でも、それだって外国の価格と比較したうえで決定するわけではありません。国内の事情だけを考慮して運賃を決めているはずです。

 外国の価格に追随する必要がどこにあるというのでしょうか?

 思うに、たばこ増税容認論者というのは、喫煙車には懲罰が必要だと考えているように思えます。健康に対する悪影響(これは医療費の増大につながります)や副流煙による周囲の人への迷惑と被害。それらはすべて喫煙車が引き起こしているのだから、ペナルティを喫煙者に負担させても構わないというものです。
 この考え方に同調する人が多いので、喫煙者としては肩身が狭いのですが、よく考えてみましょう。なんか変だと思いませんか?

 たばこが社会にとって本当に有害であるならば、製造を中止し国内での販売を禁止すればいいだけのことです。しかし、実際に国内でたばこを独占的に製造している日本たばこ産業(略称「JT」)は、日本国がその株式の大半を保有する企業です。つまり、社会にとって有害で迷惑なものを国が資金を出して製造させているわけです。これって矛盾していると思いませんか。

 例えていうならば、売春は社会にとって有害だといいながら公営の売春宿を設置するようなものであり、しかも、社会にとってめいわくだからという理由で「公定価格」を引き上げても構わないと主張しているわけです。
 まともな頭脳と良心の持ち主であれば、社会にとって有害かつ迷惑な存在であるとわかった時点で、なんとかしてそれを社会からなくそうと考えるはずです。そうは思いませんか?
 それがそうならないのは、「たばこの害というのは、放置しておいても社会に致命的なダメージを与える程のものではないけれども、私にとっては不愉快である。」と多くの人が思っているからにほかなりません。

 私が不愉快の思いをしている。ゆえに、その原因となっている人間に対して懲罰を加えても構わない。

 こういう論理をどこかで聞いたことがありませんか? そう、「いじめ」を正当化するのがこの論理です。
 小学生や中学生ならともかく、厚生労働副大臣という要職にある政治家が小学生や中学生並みの論理を公然と主張するのですから、民主党というのはよほど人材がいない政党なのだろうということを前回申し上げたわけです。(この政党に蔓延する幼児性については次回も取り上げたいと思います。)
by T_am | 2010-10-29 21:56 | その他