田中真紀子の迷言
小沢氏に投票の田中真紀子元外相「しこる人はしこるけど、しこらない人はしこらないんじゃないの。菅さんのやり方一つ、器量が大きい人かどうかが見られる」
皆さん、この発言の意味がわかりますか? 恥ずかしながら、私は10秒ほど考えて、もしかしてこれは「しこりを残さない」とか「根に持たない」という意味なのではないだろうか、ということに思い当たりました。
新聞記者もさぞ困ったことだと思います。せっかくとった田中真紀子のコメントですが、このまま載せれば意味不明だし、かといって無断で書き直すわけにもいかないのですから。
念のため「しこる」という言葉を辞書でさがしてみたところ、三省堂大辞林には次のように解説してありました。
(1)身体の一部に筋肉のこりかたまりができる。
「首が―・る」
そのほかに動詞として用いる場合、かたまって集まる、何かに熱中する(集中する)、という意味があることが紹介されているのをみると、あまり言い意味で用いられる言葉ではないようです。
それにしても、こういう言葉があるとは不覚にも知りませんでした。我ながら無知であったと思います。
これは合っているかどうか確信がもてないのですが、「しこる」という言葉には、意図してそうなったという意味は希薄であるように思います。どちらかというと偶発的にそうなったという意味合いが強いのではないでしょうか。ところが、田中真紀子の発言は、「しこる」「しこらない」は自分の意思によるものであるという意味がありますから、用法としては適当ではないと思います。それをいうなら、「根に持つ人は根に持つ。根に持たない人は根に持たないんじゃないの。菅さんのやり方ひとつでそのことがあきらかになるのだから、器量の大きい人かどうかが自ずとわかる。」とでもいっておけばよかったのです。
せっかくの発言も、私のようなものにまで揚げ足をとられるようでは何にもなりません。
面白いと思うのは、田中真紀子は管直人代表に対して、今回の代表戦のしこりを残すようでは器量の小さい人だと思われるわよ、と述べているわけですが、それでは田中真紀子氏個人はどうかというと、今までの言動を見る限り、いつまでも根に持つタイプではないかと思っていただけに、意外な感じがしました。こういうのを天に向かってつばを吐くというのではなかったか、とひとしきり考えさせられたのですから、やはり存在感のある政治家であることに間違いはないようです。