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カクレ理系のやぶにらみ

tamm.exblog.jp

時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

巡り合わせの悪い民主党代表選挙

 明日9月14日は民主党代表が決まる日であり、同時に日本の首相が決まる日でもあります。地方議員や党員・サポーターの票は管直人有利ということですが、国会議員の票の行方によっては逆転の可能性もあるので、今日一日はまだ旗幟を鮮明にしていない議員への積極的な(ということはかなり強引な)働きかけが両派から行われた模様です。
 それも明日で結果がわかるのですが、管直人・小沢一郎のどちらが代表になっても民主党の前途は多難であるといえます。

ケース1:管直人が勝利する場合
 管直人が勝利するというのは、次の2つの場合が考えられます。第1に世論の支持を背景に国会議員の票が地滑り的に管直人に流れ込んだ場合。この場合、「菅総理」は世論の支持をバックに、小沢グループに対する報復人事が考えられます。それは小沢グループを離党に追い込まないようにぎりぎりの線を見極めて行われるはずですが、2回目の検察審査会の「起訴相当」という結論がすぐ後に出るのは間違いありません。そうなると野党による攻撃の口実を与えることになり、政権運営に支障を来す恐れがあります。仮に、小沢グループを離党に追い込むような報復人事が行われたとすれば、どうやって過半数を獲得するかに頭を悩ませなければなりません。
 2番目の可能性は、管直人が僅差で勝利する場合です。この場合、小沢グループを懐柔するためにある程度のポストを配分しなければなりません。それだけ政権運営に与える小沢一郎の影響が大きなものとなります。ところが間近に迫っている検察審査会の結論が起訴相当になるのは確実なので、これも野党による攻撃に口実を与えることになります。
 つまり、どのような勝ち方をしても「菅総理」の悩みの種は尽きないのです。

ケース2:小沢一郎が勝利する場合
 地方議員と党員・サポーターにおける劣勢を挽回するには、国会議員の票固めが不可欠であり、それに成功すれば小沢一郎が勝利することになります。
 この場合、現職総理が被告人となるという前代未聞の事態が起こることになります。(もっとも、「小沢総理」が言を翻して自分の訴追に同意しないということも考えられますが・・・)いずれにせよ、国民の疑惑が晴れることはないでしょうから、この内閣は発足直後から支持率の低迷に悩むことになります。それでも衆議院を解散しなければ3年間は安泰でいられるので、居座る可能性も否定できません。そのためには民主党の代表任期を現行の2年から延長するということが行われるはずです。なぜなら、支持率の低迷している内閣では次の選挙を戦えないという国会議員の圧力が「小沢代表」の再選を阻むからです。
したがって、ごく早いうちに民主党代表の任期を延長するということが行われると思ってよいでしょう。
 支持率の低迷している内閣のというのは、マスコミの格好の餌食となりますから、「小沢総理」が何をやろうとしても四面楚歌という状況に追い込まれるのは確実でであると思われます。
 そうなると、何ら成果をあげぬまま、時間だけがいたずらに過ぎていくということも考えられます。


 代表選挙の結果がどちらに転んでも、新しい政権基盤は不安定なものとなりますから、そのとばっちりは日本という国と国民が被ることになります。
 少子高齢化の進行は日本の総需要を減少させるので景気回復にはマイナス要因となります。さらに、ばらまき政策によって財政赤字は拡大するので、将来の税負担増大に対する不安から消費はますます減少していくことでしょう。法人税を減税してもその分は設備投資に回るので雇傭が確保される保証はありません。また、外交に目を向ければ、アメリカの国力が低下する中で、東シナ海に覇権を唱えようとする中国の野望を食い止める要素はますます減ることになります。日本にとってじり貧ともいえる状況が進行していても政府は有効な対策を打てないでいる、というのが日本の近未来の姿でしょう。
 このように、あまり明るくない未来が待っているといえるのですが、幸いなことにそれを回避する方法がひとつだけあります。

 それは衆議院と参議院での勢力逆転という「ねじれ国会」を利用することです。国会がこのような状況では、強行採決という手法が使えません。そこで、菅直人が考えているのはケースバイケースで野党と政策について連携するというものです。しかし、このような発想法は国会を通ればそれでいいというものですから、政治家から大局的な視野を奪うことになり、日本をさらに混迷に追いやるものであるといえます。
 それを免れるには、政策決定に際して世論を味方につけるというのがベストであるといえます。この点に限っていえば,かつて小泉純一郎という天才的な政治家がいました。ただし、彼の手法は「抵抗勢力」という言葉を生み出したこといい、郵政解散選挙における「刺客」といい、国民を煽動することに主眼が置かれていましたから、世論を味方につけるという意味では邪道であったといえます。
 「菅総理」の場合、何も難しいことは考えなくてもよいので、自分がやりたいことを包み隠さず、自分の言葉で国民に向かって語りかければいいのです。そうすれば、あとはマスコミが頼みもしないのに世論調査を(それもタダで)してくれますから、「菅総理」が正論を語る限り、自分の立場はどんどん強固なものになっていきます。実際には、にわか仕込みの官僚の入れ知恵に基づいて話すのでボロが出るのですから、どのようなことであろうと、自分の言葉で国民に語りかけるということを念頭に置くべきでしょう。万一、自分の意見よりも説得力のある意見(ということは世論に支持されている意見)があれば、それを受け入れるという度量の大きなところも見せることが必要でしょう。そのうえで、最後の詰めとして、世論によって集約された意見に基づいて法案を作成する際に、官僚は必ずこれを骨抜きにしようとしますから、党内にそれを監視する機関を設けることを忘れてはなりません。自民党政権下では似たような機関はありましたが、その目的は党利党略に法案が合致しているかでしたから、官僚による骨抜きが見逃されることが多々ありました。民主党には、幸いなことに、このような監視をさせたら抜群の人材が数多いますから、充分に機能するはずです。そうやって、実績を上げていけば、国民の信頼も高まっていくというものです。
 一方、このような政治手法は「小沢総理」にとって最も不得手とするところです。この人の手法は、大事なことは話さない、アメとムチを使い分けることで自分の影響力を強化していくというものですから、正攻法では世論を味方につけることはできません。そこで、「小沢総理」の場合、とにかくホームランを連発するというのが世論を味方につける最も有効な手段となります。政治とカネの問題が相変わらず取りざたされていますが、これはそれだけ国民の不満が解消されていないという証左であると考えるべきでしょう。国民が今のありように満足していれば、政治家が少しくらい金儲けをしてもそれは許容範囲となるからです。(この指摘は内田樹先生のものです。相変わらず鋭いですね。)
 国民が不満を持っているからこそ、小沢一郎の「政治とカネ」の問題が目につくのです。
したがって、「小沢総理」の課題は、とにかく国民を満足させることにあるといえます。
それができれば、政治とカネの問題はいつのまにかうやむやとなっていきます(強制起訴されても公判が維持できるかどうかわからないのですから)。その代わり、「小沢総理」が国民を満足させることができなければ、たとえ強制起訴された公判が維持できなかったとしても、国民の不信感が消え去ることはないでしょうから、内閣支持率の低下となって小沢政見の足を引っ張り続けることになるはずです。


 どちらが民主党の代表になるかは明日決まります。どちらが総理になっても、私がここでご提案申し上げたようなことが行われることはまずないでしょう(それに気づいていたら、とっくにやっている)。国状況が困難なこの時期に行われる民主党代表選挙は政権に新たな火種を抱えることになるので、日本の未来はあまり明るくないと思った方がいいような気がします。
by T_am | 2010-09-13 22:47 | その他