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カクレ理系のやぶにらみ

tamm.exblog.jp

時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

民主党の敗北

 12日に行われた参議院議員選挙の結果、民主党は改選議席の54に対し、10議席減の44議席を獲得したにとどまりました。一方自民党は改選議席38に対し、51議席の獲得。いささか乱暴かもしれませんが、新党改革、立ち上がれ日本、みんなの党といった反民主で非自民という政党の合計は改選6に対し、当選12議席となっています。もっともこの結果には、改選0で獲得議席10というみんなの党の存在感が光っています。(新党改革については論評に値しないので触れません。)
 この結果をもって、民主党の惨敗と評価する向きもあります。結果はたしかにその通りなのですが、私は民主党の作戦ミスによる自滅であると思っています。その根拠を申し上げます。

 比例区の得票数(政党名と個人名合計)
 民主党  1,845万票  当選   16議席
 自民党  1,407万票  当選 12議席

 選挙区の候補者合計得票数
 民主党  2,275万票 当選   28議席  
自民党  1,949万票  当選者 39議席

 比例区、選挙区ともに民主党の得票数は自民党を上回っているにもかかわらず、当選に結びつけることができなかったというのは戦術のミスによるものです。端的にいってしまえば、候補者を立てすぎた結果、票が分散してしまったということです。結果論になりますが、鳩山前総理と小沢前幹事長が辞任した時点で候補者の立て方を再考していればよかったのだということになります。この候補者の立て方は強者の戦略であり、鳩山内閣の支持率が急落する前であれば充分有効であったと思います。
 菅総理に代わって、いったん支持率が回復したので、このままで大丈夫と思ったのでしょう。それが、得票率ではNo.1でありながら獲得議席数では二番手に甘んじることになった原因であると思います。

 今回の民主党の敗北の原因は、菅総理が消費税増税を打ち出したこととは関係ないと思っています。有権者が消費税増税を嫌ったのであれば、民主党の得票数はもっと減っていたでしょうし、自民党も消費税増税に触れていたのですから、自民党に票が流れるはずがないのです。(実際に、世論調査の結果でも消費税の増税もやむを得ないと思っている人は増えています。)

 したがって、民主党が前回の衆議院選挙のときほどの勢いを失った原因は他に求めなければなりません。

 それは何かというと、このまま民主党に任せることに不安を感じた有権者の票が自民党とみんなの党に流れたということです。1人区ではその票を加えた自民党候補者の得票数がわずかに民主党候補者を上回ったということでしょうし、2人区では自民党と民主党が議席を分け合うという結果になったのだと思います。

 ですから、民主党執行部が今回の選挙の敗因を見誤ると、そのツケはいつまでも祟ることになります。これは自民党も同じであり、自民党の復調傾向がはっきりしたなどと浮かれていると次の選挙で痛い目をみることになるでしょう。有権者の中には、反民主で非自民という(民主党には任せられないけれども自民党に投票するのも嫌だと考える)人たちが少なからずおり、その人たちはみんなの党に投票しています。これがどれくらいあるかというと比例区で13.6%になります。民主党が31.6%、自民党が24.1%ですから、決して侮れない勢力であることがわかります。
 選挙に勝つということを考えれば、民主党も自民党も今回みんなの党に投票した人をどうやって取り込むかということを考えて今後は政策提言をしていかなければなりません。
逆にみんなの党の渡辺代表は支持者を逃がさないようにするために、民主党でもなければ自民党でもないというカラーを今後も打ち出していく必要があると思います。

 衆議院と参議院の「ねじれ現象」は、数の力を頼んだ強行突破がやりづらくなるという局面をもたらしました。法の上では衆議院の決定が優先するのですから、参議院で否決されても衆議院で再可決すればそれで通ります。ただし、あまり強行採決を繰り返すと、その次の選挙で有権者から警戒されてしまうことになります。
 この国の国会では、時間をかけて丁寧に議論することで世論を味方につけるということを怠ってきました。その点では自民党も民主党も双生児のようなものだといえます。そもそも国会対策委員会という密室協議の申し子のような組織に国会の運営を任せているというのがおかしいのです。これも国会議員の特権意識の現れなのかもしれませんが、有権者の見えないところでものごとを決めるという風潮を改めることが先決でしょう。
 政治不信というと、すぐ「政治とカネ」というふうに結びつけたがりますが、それだけが原因ではありません。なんだかよくわからないうちに重要なことが決まっていくと有権者が感じていることも大きいのです。

 そのことに気づく可能性が高いのは、今回負けた民主党の方でしょう。(築かないものかも知れませんが・・・)
by T_am | 2010-07-12 23:57 | その他