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カクレ理系のやぶにらみ

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時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

議会の役割(3)

 参議院議員選挙の投票日が迫ってきました。前回の衆議院選挙ほどには盛り上がらず、投票先を決めかねているという人も多いのではないかと思います。
 有権者の多くは変革を求めており、そのことは政治家と官僚にも伝わっていると思います。あれほど騒いだ普天間基地の移設問題をみれば、そのことはわかります。しかし、(普天間がそうであったように)彼らが提出してくるプランは常に現状の枠内での変革ですから、国民にすれば不十分であると感じてしまうのです。
 それでは国民がどこまで現状の枠の変更を望んでいるかというと、そこまで意識が及んでいないように思われます。日本が経済成長を続けることは現在の豊かさを維持しながら、不景気を脱出する処方箋であると誰もが感じています。そのためには、安全保障をアメリカに依存して、軍事費の負担を押しつけることが不可避であるということも国民の暗黙知となっています。
 また、財政難をなんとかしなければこのまま赤字国債が増える一方であるということもよくわかっており、そのためには消費税を上げることもやむを得ないと思っている人も多いのですが、ではそれで本当によくなるのかというと、そうも思えないというのが本当のところでしょう。

 どんな制度も時間が経つうちに制度疲労を起こしてきます。自民党による指導体制は戦後の復興から高度成長、バブルの崩壊までは順調にいっていたのですが、時代の潮目が変わったことで、そのマイナス面が目立つようになりました。民主党になればそれが解決するかと期待したものの、民主党のやり方は自民党のやり方と大差ない(それもはるかに下手くそです)ということがわかりました。二大政党以外の政党はどうかというと、どれも似たり寄ったりですし、社民党や共産党に任せるのは不安だと感じている。そういう気持ちが、今回の選挙が盛り上がらない原因になっているのだと思います。

 こういうときこそ、「これだ!」というものを示せばみんながそれに飛びつくのですが、なかなかその「これだ!」というものが出てきません。選挙の候補者や政党が掲げているのは、どれも現状の枠内でのことばかりです。別ないい方をすれば、「これからの日本をどうするのかというビジョン」ということになりますが、誰もが現状の延長で物事を考えているように思います。

 少子化という流れは変えようもありませんから、国内の消費はその分だけ減少していきます。ということは、経済の規模(GDP-国内総生産-ではないことに注意してください)はその分縮小していくことになります。たとえていえば、国民の数だけ胃袋があるわけですが、総人口が減れば胃袋も減るので、食糧の消費が減ることになるわけです。
 そうなると税収も減ることになります。製造業が頑張って輸出を増やしてくれれば、税収面での帳尻は合うかもしれませんが、どうなるかはわかりません。というのは、国内で生産する場合はコスト高となり、国際的価格競争力が弱くなるために、海外に生産拠点を移すことを検討する企業があるからです。
 そういう状況の中で、皆様が心配されている地球温暖化が進行していくわけです。温暖化を防止しようと、省エネを義務づけたうえに排出権取引を制度化し、さらには温暖化対策税も設けようとしています。そうやって国を挙げてCO2の排出量を削減しようとしているわけです。

 でも、ちょっと冷静に考えてみましょう。

 地球温暖化によって干ばつ・台風・豪雨などによる自然災害が増えるといわれていますが、これらの災害は毎年のように発生しています。そうすると、これらの気象によって引き起こされる被害を少なくすることができれば何も問題はないということになります。
 大雨がふれば決壊するかもしれない河川があったとします。堤防を築いたり、河川を真すぐにするという河川改修をして洪水の危険性を減らそうという考え方と、大雨が降るのはCO2濃度の増加が原因なのだからCO2の排出削減に努力しようという考え方と、どちらの方が即効性があると思いますか?
 そもそも人類の歴史の中で、人間が意図的に気象を変化させたという事例はありません。これだけ科学が発達した現代においても、気象をコントロールすることは人間にはできないのです。
 CO2濃度が今よりもずっと少なかった江戸時代でも、地震や火山の噴火、干ばつ、洪水という自然災害は発生していました。それらの被害は今よりもはるかに大きかったのです。それはなぜかというと、現代に比べると治水や建築の技術が未熟だったからです。このことは、江戸時代であれば自然災害の原因となった大雨でも、現代ではどうってことないということを現しています。
 私には、CO2削減という努力は(根拠にとぼしいという点で)中世の雨乞いや疫病退散の加持祈祷と大差ないとしか思えません。
 
 自民党も菅総理も財政再建のためには消費税率の引き上げが必要だと主張しています。私が不思議でならないのは、それほどまでに財政が逼迫しているのであれば、なぜ支出や特別会計の見直しをしないのか? ということです。また、日本国内で生産するとコスト高によって国際的に太刀打ちできないという状況が指摘されているにもかかわらず、なぜこれ以上コスト高を進めるような政策を掲げるのか? ということです。もう一つ申し上げますが、人口は減ればそれだけ税収が減るにもかかわらず、なぜ現状の体制を維持しようとするのか? 私には理解できません。

 官僚とは予算を獲得することを第一に考える(それができれば後はどうなろうと構わないと思っているということでもあります)人たちですから、この人たちがいう財政再建とは要するに税収入の拡大であって、収入と支出の均衡のことではありません。最初に支出があって、それに合わせて収入を考えるのですから、その手法は赤字国債の増発か増税のどちらかしかありません。仮に景気がよくなって税収が自然増になったとしても、それだけ予算(=支出)を増やすだけのことですから、財政難に陥る危険性は常に存在することになります。
 何度も申し上げてきているように、そのような官僚の暴走を監視し、制約を加えることが議員に求められている責務でありながら、二大政党が官僚の利益を代弁して増税の必要性を訴えているわけですから、政治家は官僚の走狗に成り果てているといえるでしょう。

 そんなことを考えていると、明日の参議院議員選挙は投票する人も政党もないということになるので悩んでおり、いっそ白紙で投票しようかとも思うのです。
by T_am | 2010-07-10 21:37 | その他