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カクレ理系のやぶにらみ

tamm.exblog.jp

時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

前途多難

 6月4日と5日に共同通信社が実施した世論調査の結果が新聞紙上で発表されていました。菅直人新総理に期待するという人は57.6%、民主党を支持するという人は36.1%にまで回復しました(前回調査では20.5%)。
 この数字が意味するのは、トップが変わることで何かが変わると考えている人が有権者のおよそ半数が考えているということであり、同時に鳩山前総理と小沢前幹事長が辞任したことで民主党を見直した人がいたということです。参院選の比例代表でどの党に投票するかという質問に対し、32.6% の人が民主党と回答しており(前回は19.9%)、まずはめでたいと申し上げるべきでしょう。

 その一方で、気になるのが民主党代表選の結果です。菅直人副総理兼財務相と樽床伸二衆院環境委員長(当時)の一騎打ちとなったわけですが、正直言ってそれまで樽床議員の名前を知りませんでした。おそらく一般国民も同様ではないかと思います。このように政治的にはほとんご無名といってよい樽床氏が投票総数422票のうち129票を集めたわけです。菅氏の得票数は291票でしたから、菅氏の圧勝といってもよいのですが、樽床氏も意外と検討したなという思いでいました。
 これに対し、畏友セイヤさんは、「これは小沢グループの示威行動である」と指摘してくれました。今回小沢グループは自主投票することになったと伝えられていましたが、樽床氏に投票することによって、「最大派閥はどこか忘れたらいけんよ。わしらいつでも人数を動員できるんじゃけんね」というメッセージを管氏に送ったというものです。そう考えると政治的にほとんど無名だった(失礼)樽床氏がこれだけ票を集めることができたというのも頷けます。
 実際のところ、管総理と小沢氏は仲がよいので、菅総理は小沢氏に相談しながらものごとを進めていくだろうといわれていますが、少なくとも表面上は小沢氏と距離を置いた形にしておかないと有権者の支持を失うことはご本人も充分知っているはずです。そうかといってまるっきり無視するわけにもいかないので、小沢氏との距離感の演出が難しいと思います。

 目下のところ新総理を歓迎するムードが漂っていますが、政治情勢は楽観できる状況ではありません。普天間基地の移転問題も、高速道路の無料化も、こども手当を来年どうするかも何一つ解決していませんし、財政再建をどうするかということにも手をつけなければなりません。このような時期に総理大臣になるというのは火中の栗を拾いに行くようなものであって、解決して当たり前、解決できなければ「無能」「指導力不足」というレッテルを貼られてしまうわけです。特にマスコミは、最初は持ち上げるけれども途中から手のひらを返したように徹底的に叩くということを行うので、日本の総理大臣というのは本当に割の合わない仕事だと思います。
 たぶん菅総理も同じような目に遭うのだろうなと思うと、いささか気の毒な気がしますが、これもご自分で選んだことですからいたしかたないといえます。

 日本のためには、菅内閣が本格政権になって腰の据わった政策を実施するのが望ましいのですが、既に露呈している「ばらまき体質」と「組織との癒着」は一朝一夕で変わるものではありません。野党時代あれほど自民党を批判していながら、政権党になったとたんかつての自民党と同じことをやっているのをみると、しょせん期待する方が無理なのだと思わないわけにはいきません。

 現状抱えている課題のうち、高速道路の無料化をどうするかというのは比較的早く結論を出しやすいといえます。まずはそうやってポイントを稼いでいきながら、財政再建に取り組むというのが正統な手順ではないかと思います。その際に、真っ先に取り組むべきなのは、国や地方自治体の貸借対照表をつくって公開することでしょう。いつまでも大福帳に毛の生えたような収支表しかつくらないというのは官僚の怠慢であって、財政の実態がさっぱりわからないのです。結局のところ当局の発表を鵜呑みにするしかありません。
 株式を公開している企業が有価証券報告書を公開しているのは、投資家に対し十分な情報を開示しようという意図によるものです。国民は国に対して投資しているわけではありませんが、税金という形で資金提供しているわけですから、それがどのように使われたのか、また、どのような形で国の財産となっているのかを、国は国民に知らせる義務があるはずです。
 仮に、菅内閣がそういうことに手をつけるならば、そのときは大いに応援するのですが、やはり無理なのかもしれませんね。
by T_am | 2010-06-07 22:26 | その他