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カクレ理系のやぶにらみ

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時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

双頭の蛇(2)

 鳩山総理が辞任する意向を表明しました。それに伴って小沢幹事長も辞任する意向を総理に伝えたとのことです。前回も申し上げたように、現在の民主党は双頭の蛇という異様な怪物となっています。権力の二重構造といった方がわかりやすいと思いますが、その頭が二つとも潰れるわけですから、実にめでたいことであると申せましょう。

 実際のところ、民主党の参院改選組議員の皆さんはさぞ一安心したことでしょう。野党各党の党首が指摘するように、この時期に辞任するのは参議院の選挙対策としての辞任であることは明かです。しかし、谷垣総裁や桝添代表が批判するのは筋違いです。なぜなら、同じことが自民党時代さんざん行われてきたにもかかわらず、それに対して谷垣さんや桝添さんが公然と批判したという話は寡聞にして知らないからです。こういう厚かましさが政治不信を招いているということに、この人たちが気づいていないのは滑稽でなりません。
 鳩山総理の辞任表明を受けて野党各党の党首のコメントが報道されていましたが、普天間基地の問題に触れていたのは社民党と公明党でした。国会議員として政府の対応を批判するのは当然ですが、同時に対案を出さなければ議員としての資質を疑ってしまいます。なぜならば、法案の立案などを通じて国政に対して提案する権限が国会議員だけに与えられている特権だからです。
 議論をするというのは反対意見を述べるだけでは不十分です。反対意見を言うことは小学生でもできますが、国会議員は評論家ではありません。評論家は批判することしかできませんが、国会議員の仕事は新しいものをつくりあげることです。であるならば、代替え案を提示して議論の俎上に載せるということをしない限り、議員としての職責を果たしていないといえるのです。
 しかしながら、そのような国会議員がどれだけいるかというと、甚だ情けないことにほとんど皆無であるといってよいでしょう。与党にはいてもいなくても大差ない陣笠議員が多すぎますし、野党議員は(社民党も含めて)全員落第です。

 鳩山内閣への信頼は落ちるところまで落ちていますから、今回のダブル辞任が支持率上昇に寄与するだろうとは思われますが、それがどの程度であるかは未知数です。鳩山総理の辞任に伴って民主党の役員が全員辞任するそうなので、新しい役員の顔ぶれによっては民主党の支持率が回復することになるかもしれません。けれども、参院議員会長だとか国会対策委員長だとか、組織の中で中ボスを生み出す仕組みは温存されるはずなので、たいして期待することはできないだろうという気がしてなりません。

 いずれにせよ、新しい総理が決まった時点で、マスコミ各社による世論調査が実施されるでしょうから、その結果を待ちたいところです。

 今までこのブログで何度か述べてきたように、昨年の衆議院議員選挙で民主党が大勝したのは有権者が自民党の政治手法にうんざりしており、民主党だったらそれよりはましだろうと期待したことがその理由です。ところが実際に政権を任されると、どうもやっていることが自民党時代と大差ないということが次第に明らかになってきたわけです。内閣支持率とともに民主党支持率が低下してきていること、その割に自民党支持率が上昇していないことをみれば、そのことがわかります。
 自民党の支持率が上昇しないのは、党改革が進んでいないと有権者が思っているからです。すなわち体質が以前と変わっていないと思われているのであり、それは自民党を割って出た人たちにもいえることです。彼らが掲げる政治目標は自民党や民主党のそれと大差ないものであり、目新しさはありません。だとすれば少数勢力ゆえに影響力も乏しいわけですから、有権者の期待度も低いものになるのも道理であるといえるでしょう。

 4日には民主党の両院議員総会が開かれて新しい代表が決まるそうですから、次の関心事は果たして衆議院が解散されるのかということに移ると思われます。自民党政権時代の末期に、阿部・福田・麻生と総選挙を経ないで総理大臣が決まったことを民主党は批判してきました。衆議院の解散総選挙を行わなければ、今度は民主党が批判される番になるわけです。
 そこで考えられるシナリオは次の2通りとなります。

1)次の内閣が選挙管理内閣になって衆議院を解散し衆参ダブル選挙を実施する
2)衆議院を解散しないで参議院選挙を迎える

 筋論をいえば、1)の衆議院を解散することで新しい内閣の信を問うのが妥当なところでしょう。しかし、議員の実情は昨年総選挙があったばかりであり、選挙を戦うだけのゆとりがないという議員が多いのではないかと思われます。その代わり投票率はそれだけ高くなることが予想されるので、弱小政党でも戦い方によっては無党派層を取り込むチャンスが広がるということが期待できます。
 実際には次の選挙で投票したい政党がないと思っている人が多いはずですから、もしかすると衆参ダブル選挙が実施されても投票率は低迷するかもしれません。そうなると組織票を抱える候補者が有利になるので、民主党には追い風となるはずです。したがって、民主党にとっては投票率が低くなる方が有利になるので、衆議院を解散せずに参議院の改選だけで終わらせる可能性(それを歓迎する衆議院議員はどの政党にもいるはずです)も充分考えられるといえます。
 こうなると選挙のために政治を行っているということになり、それで有権者から愛想を尽かされているにもかかわらず、同じことを繰り返すのですから政党支持率はさらに下がることになります。
 いずれにせよ、民主党は議席を減らすのは間違いありませんが、他の政党に勢いがない以上大敗することないと思われます。社民党は今回の離脱で支持率を上げたということですが、それでも支持率1%が3%になっただけですから、大勢に影響を与えることはありません。それよりもこの政党はいずれ消滅してしまうのではないかと思います。

 おそらく、今度の選挙の結果、多極化がますます進み、ドングリの背比べのような状態になるのではないかと予想されます。単独で過半数を獲得することができない以上、複数政による連立内閣が組閣されるはずですが、その基盤が今まで以上に不安定になることは避けられないと思います。

 そうなると政治の混乱状態が続くことになりますが、いち早く党内改革を成し遂げた政党が有利になるであろうと思います。そのためには現在の大ボス、中ボスたちを排除しなければならないのですが、一筋縄ではいかないようです。

 選挙対策を目的とするわけではありませんが、有権者に対して改革をアピールするのに格好の材料は、現時点では、国会改革と選挙制度改革です。
 すでに申し上げたように、国会議員らしい仕事をしていない議員が多すぎるのであって、そういう議員を掃除しない限り政治主導もかけ声倒れに終わってしまいます。政治家たるもの官僚の知恵と経験をもっと上手に使うべきだと述べる人もいますが、それには国会議員自身が高い能力を持ち、なおかつ優秀なブレーンを何人も抱える必要があります。
 現状では、国会議員は選挙のたびに多大な出費を強いられるのでそれどころではないというのが実情でしょう。それならば議員定数を大幅に減らす代わりに、議員一人当たりの歳費を大幅に増やすことで優秀なブレーンを抱えられるようにしてやるべきです。また、衆議院と参議院にそれぞれ調査専門スタッフを多数抱えておいて、議員の求めに応じて調査実務を行うようにすることも考えられます。
 その代わり、任期中ろくに法案の提出もせずに、外遊と資金集めのパーティにうつつを抜かしていたという議員は有権者から厳しく評価されることになります。しかも議員であり続けるには何よりも本人の能力が物を言うことになるので、国会議員が世襲されるということもなくなります。

 ところが残念なことに、そういうことを政策として掲げる政党があるかというとそうではありません。
 次回の選挙で投票したい政党がないと思っている有権者が多いことは間違いないのですが、このままではその人たちの多くが棄権するだろうと思われます。そうなると、組織票を抱える政党の思うつぼであり、国会議員の間でそれだけ改革の必要性が薄れてしまいます。
 そこで提案ですが、現在投票したいと思う政党も候補者もないという人は、棄権するのではなく、白票を投じてはどうでしょうか。現在の選挙制度は、どれだけ投票率が低くても一番多く得票した人が当選することになっています。特に小選挙区制の場合は、投票率によっては有権者の25%の票を獲得すれば当選することができるのであり、これでは国民の代表でございますとはいえないはずです。
 しかし、トップ当選者の得票数と白票の数とが拮抗しているとなれば物議を醸すでしょう。当選無効の訴訟が起こされるかもしれません。たぶん判決では請求棄却となるでしょうが、狙いは国会議員の身分を不安定にするところにあります。大金を使い、苦労して国会議員になったものの1年かそこいらで再び選挙が行われるというようでは、資金回収をするための利益誘導をする余裕もなくなるので、何のために国会議員になるのかわからなくなってしまいます。幸いなことにマスコミ各社ではしょっちゅう世論調査を行うことが当たり前のようになっていますから、これも議員にとってシャクの種になります。
 そのような逆境にあっても議員であり続けるにはどうしたらいいか考えてもらうことが大事なのですが、少なくとも、党の代表が替わればいいという発想しかできない国会議員はいてもいなくてもいい人(すなわちたいした仕事をしてない人)であると断定してもよいと思います。
by T_am | 2010-06-02 23:39 | その他