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カクレ理系のやぶにらみ

tamm.exblog.jp

時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

霊は本当にあるのか

 隣が墓地という家に住んでいると、どうしても霊的なことに関心を持ってしまいます。現に、子供部屋のドアはきちんと閉めないでいると、しょっちゅうギーと音を立てています。別に風もないのに不思議なこともあるものだと思いますが、何度もそういう音を聞いていると、またかと思うようになりました。

 私自身はUFOを見たこともなければ幽霊を見たこともありません。けれども身近な人で幽霊を見たことがあるという人は何人かいます。その人たちも常に見えるというわけではないようですが、それでもわざわざ嘘をつくような人たちではないのでたぶん本当なのだろうと思うことにしています。

 霊魂というものが本当にあるとすると、霊魂が主人であって肉体その器に過ぎないという考え方が生まれるのは自然のことであるといえます。幽体離脱とか臨死体験という現象も、このように考えるとうまく説明することができますし、憑依という現象も説明できるようになります。
 平井和正さんの小説の中で、肉体は自動車のようなもので魂が運転手として肉体を操縦していると考えることができるというようなことが書いてありました。自動車が故障することがあるように、肉体も調子がおかしくなることがあります。ですから、身体の障碍というのは自動車が故障したようなものであって魂に障碍があるわけではないので、身体障害者を白い目で見るというのはいわれのない差別であるというものでした。それを読んで、なるほどと関心した記憶があります。ずいぶん昔の話ですが。

 このように、魂が肉体の主人であるという考え方に立つと、今まで気づかなかったことも理解できるようになるという利点があります。そういう点で、霊という存在を考えるのは有意義なことであると思いますが、盲目的に信じ込んでしまうのもどうかと思います。というのは、魂と肉体によって人間は成り立っているという考えには、いくつか疑問もあるからです。

 器である肉体はいずれ死を迎えますが、魂の方はどうなのでしょうか? 幽体離脱や臨死体験という報告があるくらいですから、肉体が滅んだ後も魂は残ると考えてよいでしょう。
 人間が生まれてくるというのは、受精卵が成長して胎児になり、やがて出産によって産声をあげるという過程を経るのですが、どの段階で魂が肉体に宿るのかという疑問が一つ。やはり受胎の瞬間なのでしょうか?
 次に、肉体に宿る魂はどこから来るのでしょうか? 新しくつくられるのか、そうでなければすでにある魂が身体に宿るということになります。
 輪廻というのは、生前の行いによって魂が転生するという思想です。これを因果応報といい、人はその行為によって天道・人道・畜生道・餓鬼道・地獄道・阿修羅道という六道を転生するのだというものです。
 ところが輪廻によって魂が新しい肉体に宿るとするならば、世界の人口が増えてきたという事実はどのように考えたらいいのでしょうか? 日本だけでみても、江戸時代末期の人口はおよそ三千万人でしたが、明治時代には五千万人になり、現代では一億二千万人の人が日本にいるわけです。人口の増加は食料の生産力の上昇によってもたらされます。
 地球上の生命体の数が常に一定であるとすれば、つまり人類が増えた分他の生物が減っているならば、輪廻に沿っていると考えることができますが、実際はどうなのでしょう? 数億年単位で時間軸を設定すると、地球上の生物の総和は確実に増えていると思われます。地球上に生命が誕生したときから輪廻は始まったのでしょうか? だとすると、それ以前には魂はどこにもなかったということになります。

 霊に関する発言や事例を見聞きしていると、輪廻にあてはまらないものが圧倒的に多いことに気づきます。たとえば、幽霊というのは現世に未練を残しているために成仏できないものをいいます。これなどは成仏できれば輪廻に組み込まれていくのでしょうが、近年では守護霊、背後霊、動物霊などという考え方も登場しています。この考え方では、(よくは知りませんが)人間と動物では魂そのものが違うとみなしており、動物の種類だけ魂があると考えてもよいように思われます。人間の魂、犬や猫の魂、狐の魂、蛙の魂、ゴキブリの魂・・・。
 したがって、人間の魂は転生して新しい人間に生まれ変わると考えているようです。そうだとすると、人口の増加を説明するためには、今までなかった魂が新たにできていると考えなければなりません。魂はどのようにしてできるのでしょうか?
 もう一つ疑問に思うことがあります。この宇宙には地球以外にも生命が存在する惑星がある可能性が高いと考えられています。そのような惑星の中には、地球に似た環境の惑星もあるでしょうから、様々な動物や人間のような知的生物も存在すると考える方が自然であると思います。
 そうなると、それらの惑星に生息する生物にも魂があることになります。前世について述べる人はたくさんいますが、前世が宇宙人だったというのはまだ聞いたことがありません。それとも魂が移動するには宇宙空間は広すぎるのでしょうか? (でもUFOは地球に来てるんでしょ?)

 ここまで書いてきたのは、霊を否定するためではありません。霊に対して巷間述べられている見解には、じっと聞いていると矛盾があるのではないか、ということを申し上げたかったにすぎません。
by T_am | 2010-04-25 06:16 | その他

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