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カクレ理系のやぶにらみ

tamm.exblog.jp

時間のある方はお読みください。軽い気持ちで読み始めると頭が痛くなります。

男はトイレを汚す、女はトイレを詰まらせる

 以前「男はトイレを汚す生き物です」ということを書いたことがあります。今回は、そのおさらいと続きです。

 主婦の皆さん、あるいは同棲中の女性の皆さんは、男はどうしてトイレを汚すのだろうと、さぞかしストレスが溜まっていることと思います。それは「何で私が掃除しなければいけないの!」と叫びたくなるほど、理不尽な仕打ちであるということも理解できます。
 そもそも、男がトイレを汚すというのは、立ったままオシッコをするという生態を維持する限り、不可避の出来事なのです。(だから諦めてくださいというのではありません。)

 男がトイレを汚すのは、主に「しずく」と「飛沫」、そして「制御ミス」の3種類によるものです。
 「しずく」というのは、排尿器官の構造上いつでも起こりうることです。女の人の場合、「しずく」によってトイレを汚すことがないのは便器の上に覆い被さるようにして座って排尿するという生態に由来しています。でも男はそうではありません。たいていの男は、便器の手前から便器に向かって排尿するので、どうしても「しずく」がこぼれることになります。だから公衆トイレの標語には「一歩前へ」というものがあるのです。
 次に「飛沫」というのは、オシッコが便器に衝突した際に飛び散る無数の小さなしぶきのことをいいます。オシッコは腹圧によって体外に放出されます。このとき、排尿器官と便器の間があいていればいるほど飛び散る「飛沫」は多くなります。この点でも女の人は有利であり、男は不利であるといえます。
 そのことを考えると、和式便器というのは洋式便器に比べると浅い構造なので、どうしても「飛沫」が外に飛び散りやすい構造になっているといえます。しかも男性排尿器官と便器との位置の落差は大きなものがありますので、その分盛大に飛び散ることことになります。
 また小便器で用を足す場合でもオシッコの「飛沫」は飛び散っています。排尿器官と便器との距離が短く、また高低差が少ないほど、飛沫が飛び散る量は少なくなります。さらに小便器に対して浅い角度でオシッコが衝突すれば、その跳ね返りも浅い角度(つまり下向きということ)になりますが、小便器に対して90度に近い角度でオシッコをすれば、その跳ね返りである飛沫は自分の方向に返ってくることになります。その際、腹圧の強さ(オシッコの勢い)によっても飛沫が飛び散る量と距離が左右されます。勢いよくオシッコが出れば跳ね返る飛沫を浴びる可能性もそれだけ増えるわけです。
 実際には、飛沫は目に見えないくらい小さなしぶきなので、そのことを意識している男はまずいません。けれども男のズボンの裾は毎日オシッコの「飛沫」を浴びているといってもよいのであり、本当はかなりばっちいといえます。
 それを完璧に解消する小便器をつくろうと思えば、尿瓶のように、男性排尿器官を挿入して、その中でオシッコをするという構造にする以外にないのではないかと思いますが、たぶん誰も買わないでしょう。
 よく小便器に標的マークをつけたものがあります。それは、そこを狙ってオシッコをしてください、という男の本能(ほとんどの男は、自分がゴルゴ13のような名スナイパーであり、「愛銃」は高性能ライフルだと思いこんでいます)に訴える妙案なのですが、次に述べる「制御ミス」を予防するためのものであって、オシッコの「飛沫」を防止する効果はあまりないと思われます。

 最後の「制御ミス」ですが、男性排尿器官というのは、高性能ライフルどころか精度の悪い火縄銃のようなものであって、時々あらぬ方向に誤射してしまうということがあります。これは持ち主の意図とは無縁のところで発生する事故なのですが、その場合「しずく」や「飛沫」とは比べものにならないほど大量のオシッコを便器の外にぶちまけることになります。男として流石にこれは恥ずかしいことなので、自宅のトイレであれば拭き掃除をするかもしれませんが、公衆トイレではそういうことをする男はいません。

 以上のことを総合すると、男がトレイを汚すのを防止するには次の2つの方法しか私には思い浮かびません。

1.尿瓶を使うこと。
2.女の人のように座ったり、しゃがんだりしてオシッコをすること。

 尿瓶というのは、冬の寒い朝、オシッコをしたいけれども布団から出るのがおっくうだというときにあれば便利だとは思いますが、それ以外の場合には使いたいと思いません。 そうなると2.の方法しかないことになりますが、奥様の方が発言力が強いご家庭ではご主人がトイレで座ったり、しゃがんだりしてオシッコをするようきつく言われているということも聞きます。まことにお気の毒であるといわざるを得ません。
 しかしながら、トイレを汚さないように、その防止策に力を注ぐよりも、仮に汚してしまったときにはトイレットペーパーで周辺を拭くという方が、対処法としては容易でありしかも優れていると思います。

「トイレを汚したら、その後にトイレを使う人のためにも、ちゃんと拭いてきれいにするのですよ。」

 わが子にこのように教えれば済むことであり、そのように教えられて育ったこどもとそうでないこどもとでは、大人になったときにどちらが隣人として好ましい人物になるかはいうまでもないと思います。

 
 このように書くと、男というのは本当にどうしようもない生き物だなと思いますし、女の人に文句をいわれれば返す言葉もないのですが、では、女の人にはトイレに関して非の打ち所がないのかというと、そうでもないと思います。というのは、標題にもあるように、女の人は男よりもトイレを詰まらせることが多いからなのです。

 実をいうと、女の人は1回のトイレに使うトイレットペーパーを男とは比較にはならないくらい(きちんと測ったわけではありませんが)大量に使うからです。
 女の人がオシッコをしたあとは、トイレットペーパーをカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラ! と勢いよく引き出す音がトイレの外にまで聞こえてくることがあります。実際のところを見たことはありませが、たぶん両手を使って親の敵でも捕まえるかのようにして、これでもかこれでもかとトイレットペーパーをたぐり出さないとこれくらい派手な音をたてることはないはずです。

 実は、この大量に手繰り寄せられた紙がトイレを詰まらせる原因となるのです。トイレットペーパーがいくら薄くてかさばらないといっても、2m~3mもの長さの紙をいっぺんに折りたたんで使えばかなりの厚さとなってしまいます。
 水洗トイレのレバーのところにある「大」と「小」とでは流れる水量が違うのですから、少ない水量でかさばっているトイレットペーパーの塊を流そうとしても無理があります。何かの拍子で排水管の途中でひっかかったトイレットペーパーは、運が悪ければ次に流れてくるトイレットペーパーをさらに引っかけることなり、それが重なるとトイレが詰まってしまうことになります。
 排水管の水勾配がゆるいトイレでない限り、何か異物を流したのでもなければ家庭用のトイレが詰まるというのはちょっと考えられません。にもかかわらず、トイレが詰まったというのは、女の人が使うトイレットペーパーに原因があると考えてよいと思います。

 ご家庭のトイレが詰まった経験のある方は胸に手を当てて考えていただきたいのですが、オシッコをしたときのトイレットペーパーをカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラ! と盛大に使ってはいませんか? あるいは奥様やお嬢様がそうではありませんか?

 何もあんなに大量の紙を使わなくたって別に用は足せるだろうに、と思うのですがご婦人方はそうは思わないようです(女の人にはきれい好きが多いからね)。
 それならば「大」の方で水を流すということをしないと、いつかトイレが詰まることになる可能性が極めて高くなります。

「どーすんだよ! トイレを詰まらせて! 小便もできねーじゃねーか!」
「何よ! いっつもトイレを汚してるくせに。いったい誰が掃除してると思ってるのよ! 文句をいう暇があったらさっさと直しなさいよ! それとも何? 男のくせにトイレも直せないの?」
「なんだと、この野郎!」

 こういう喧嘩は、不毛であるだけに、避けたいものですね。
by T_am | 2010-04-20 22:08 | 科学もどき

by T_am